子供に対する大人たちの聴取(司法面接)についての意見書
2021年6月21日
弁護士 小松圭介 樣
青山学院大学社会情報学部・教授
高木 光太郎
回 答 書
東京高等裁判所に係属中の強制わいせつ被告事件の第一審判決 (千葉地方裁判所 2021年 3月5日判決) につき、2021年4月13日付質問状で見解を求められた諸点について、同質問状記載の送付資料をふまえ以下のとおり回答いたします。
なお回答における関係者の呼称は児童については第一審判決と同様にA、B、Cとし、その母親はそれぞれA母、B母、C母とします。
(質問事項1について)
1.1 子どもにおける自伝的記憶の発達と供述
日常生活のなかで生じた体験を、自分の人生のなかで生じた 「出来事(event)」として位置づけ保持する記憶は「自伝的記憶(autobiographical memory)」と呼ばれます。
たとえば「小学校1年のとき遠足で高尾山に登った」「大学入試に失敗してひどく落ち込んだ」「はじめて仕事を任された時は緊張した」「先週旧友と久しぶりに食事をした」など、いわゆる「思い出」として回想される記憶です。
本件において検討の対象となっている犯罪被害体験の記憶も自伝的記憶の一種であると考えられます。発達心理学における代表的な研究によれば、自伝的記憶は4歳中頃から5歳で初め て可能になり、その後、時間をかけて徐々に発達していきます(Nelson & Fivush, 2004)。
自伝的記憶が誕生後数年を経てようやく可能になるのは、このタイプの記憶が基礎的な記憶メカニズムだけではなく、他の様々な心理的機能の発達を待って初めて可能になる高次の記憶機能であることによります。
より具体的に言えば、自伝的記憶として過去の体験を想起するためには、脳内に貯蔵さ れた出来事の情報を再生するだけでは不十分であり、その情報が自身の過去体験に由来するものであることを理解し、さらにそこに現時点での自身の視点から意味づけをすることが求められます。
たとえば「大学入試に失敗してひどく落ち込んだ」という記憶情報を自伝的記憶として想起する場合、それが自分自身の10数年前の体験であることを意識し、さらに、たとえば「当時は悲惨な思いをしたが、今となっては有意義な経験であった」といったかたちで、それに現在の視点から意味を付与することになります。
このため Nelson&Fivush(2004)が指摘しているように、自伝的記憶の想起が可能になるためには、経験した出来事の情報を貯蔵する機能を担うエピソード記憶(episodic memory)を核として、「現在」「過去」といった時間的な関係を把握するための「時間的概念(temporal concepts)、体験が自分のものであることを理解するための「自己 (self)」、体験を言語的に適切に意味づけ表現するために必要となる「語りの構造(narrative structure)」など、非常に多くの心理的機能が発達し相互に結びついて機能することが必要となるわけです。
A、B、Cは本件についての最初の被害説明をした時点で小学校1年生であり、実際に被害があった場合の被害時点および最も包括的な被害供述聴取が行われた検察官による司法面接の実施時点も同様に小学校1年生でした。
上で述べた自伝的記憶の発達過程をふまえると、小学校1年生は、自伝的記憶がようやく可能になった時期であり、それを構成する様々な心理機能や心理機能間の関係の発達が未だ不十分な状態にあると考えられます。このため、この時期の子どもによる自伝的記憶の想起には、様々な混乱が生じる危険性があります。
たとえば自伝的記憶の想起が、「自分が過去に実際に体験した出来事」についての説明でなければならないことを十分に理解していないため、「伝聞」「空想」「聞き手が期待している説明」などを自身の体験であるかのように語ってしまう場合があります。
また山本ら(2003)が大規模なフィールド実験を通して明らかにしているように、この時期の子どもは動かし難い「客観的事実」が存在することを理解していないため、同じ出来事の体験について繰り返し質問した場合などに、「嘘」「間違い」ということを意識せずに、簡単に説明内容を変更してしまうこともあります。
1.2 他者の影響
小学校1年生程度の時期にみられる、このような自伝的記憶の発達的特徴は、それ自体が実体験を適切に反映しない供述を生み出す原因となりますが、これに加え子どもと関係する他者からの影響も無視できません。
目撃証言の変容に関する心理学的研究が繰り返し示しているように、子どもに限らず大人であっても、会話やメディアなどを通して他者から与えられた情報の影響によって、記憶はかなり容易に変容してしまいます。この現象に関連して E. Loftus は次のような有名な実験を行っています(Loftus&Palmer,1974)。実験協力者たちは自動車事故の映像を見たのち、映像内の自動車の速度を判断する課題を与えられました。
この際、実験協力者の半分は「自動車がぶつかった(hit)とき」という表現で、残りの半分は「自動車が激突した(smashed)とき」という表現を用いて質問されています。これらの実験協力者は1週間後にもう一度呼び出され、今度は全員が映画のなかの自動車の窓ガラスが割れていたかどうか質問されました。
実際の映像では窓ガラスは割れていませんでした。1週間前に「激突」という衝突の激しさを暗示する表現を用いて質問された実験協力者の回答と、「ぶつかった」という中立的な表現で質問された実験協力者の回答を比較すると、「激突」群の実験協力者において、「割れた窓ガラスをみた」という誤った回答が有意に多くみられました。
1週間前のたった一つの単語の違いによって、誤った記憶が生み出される確率が有意に高くなったわけです。このように出来事を体験したのちに他者から与えられる情報によって記憶が変容してしまう現象は「事後情報効果(post-event information effect)」と呼ばれています。
この効果は大人でも比較的簡単に生じますが、自伝的記憶の発達が不十分な時期の子どもの場合、事後情報効果による記憶変容の可能性は格段に高くなると考えられます。
これに加え子どもの場合、日常的に大人による庇護の下で生活していることから、自身の記憶よりも大人の言葉や態度を信頼するという傾向があり、これが供述に影響を与えます。 仲 (2016) は先行研究をふまえ、子どもが次のような語用論的知識(相手の発話を理解する際に前提とする知識)を持っていると整理しています。
子どもはこのような前提で大人の質問に対応するため、「答えを知らなくても『思い出そう』としたり、大人から『ヒント』をもらうことを期待したり、『ヒント』を積極的に受け入れようと」します。
自伝的記憶の発達の不十分さ、大人にも共通する事後情報に対する記憶の脆弱さに、こうした養育環境に由来する語用論的知識の影響が加わることで、子どもの供述では大人に比べて誤りが生じる可能性がより高くなります。
小学校1年生という自伝的記憶の発達の初期段階にあり、親を中心として周囲の大人に大きく支えられた環境に生活しているA、B、Cから供述を聴取し、またその供述を評価する場合には、以上のような発達的特性と環境要因の影響に十分に留意する必要があると考えられます。
1.3 司法面接の必要性
小学校1年生程度の年齢時期にある子どもから事情聴取を行う場合、 自伝的記憶の発達が不十分であることに由来する困難、事後情報効果による記憶の変容、語用論的知識に由来する被暗示性や迎合性への適切な対処が必要となります。
自伝的記憶の発達が不十分である点については、たとえば「何をどうした」というかたちで出来事をその時間的展開にあわせて説明することは比較的容易だが、時期を特定する 「いつ」、理由の説明を求める 「なぜ」といった質問への回答は難しいという発達特性をふまえて、「何をどうした」型の質問を専ら使用するといった配慮が必要になります。
事後情報効果の影響を抑止するためには、質問文のなかに聴取者が想定している情報が含まれないかたちの質問(たとえば「何が起こりましたか?」)を使用し、聴取者の想定している情報が含まれる質問(たとえば「お父さんが帰れと言ったのですか?」)は使用しないことが原則となります。
語用論的知識によって生じる被暗示性や迎合性を抑止するためには、大人の視点や立場に影響されず子どもが自発的に記憶について説明できるような関係を聴取者と子どもの間に構築する必要があります。
これらの配慮を適切に組み込んだ事情聴取を、発達心理学などの知識を持たない者が、日常的な会話の延長線上で独自に実施することは非常に難しいと考えられます。
このため、子どもからの事情聴取においては、あらかじめ必要な配慮を手順として組み込んで技法化した「司法面接(forensic interview)」を利用することが強く推奨されます。
欧米諸国では、司法面接技法の開発が以前から進められており、捜査や裁判において実用化されています。日本においても、近年、諸外国の取り組みを踏まえた研究が心理学者によって進められており、実務家に向けた講義や研修会、実際の事件における子どもからの供述聴取の支援、裁判における専門家証言などが行われるようになっています。
子どもを対象とした司法面接技法として代表的なものには、英国内務省と保健省が開発した"Memorandum of Good Practice on Video Recorded Interviews with Child Witnesses for Criminal Proceedings"(以下、MOGP と略記)、米国の国立子ども健康人間発達研究所(National Institute of Child Health and Human Development: NICHD) が開発した“NICHD Protocol” (以下、NICHD プロトコルと表記)などがあります。
これらは想定している司法制度、 実施手順や配慮事項の細部などにおいて違いがあるものの、基本的な設計原理は共通しています。
すなわち、
(A)子どもの応答に影響を与える可能性の低い質問形式の使用、(B)あらかじめ定められた順序で質問を行う段階法の使用です。
(A)については、上述のとおり出来事の具体的内容に触れずに説明を求めるオープン質問(「お話して」「それから」など)、出来事の特定の形式的側面のみを指定して説明を求める WH 質問(「どこ」「誰」など)などを使用することが求められます。
一方、聴取者の意図や想定が明示されるクローズド質問(「お父さんにぶたれたときのことをお話して」「先生が帰れと言ったのかな」)の使用は例外的にしか認められません。
(B)については、MOGP、NICHD プロトコルのどちらも、基本的に以下の段階を踏んで質問を進めることを求めています。すなわち (1)事案の内容には触れずに、子どもとの信頼関係を築き、出来事を説明する方法やその際の注意事項を分かりやすく伝える「事前準備の段階」、(2)面接において話題にする事案が何であるか子ども自身に語らせる働きかけ(「今日はどうしてここに来たのかな」などの質問)をしたうえで、事案について子どもに自由に、できるだけ多く説明させる「自由報告の段階」、(3)自由報告で得られた個々の情報についてより掘り下げた説明を求める「焦点化した質間の段階」、(4)子どもを安心させ落ち着いた気持ちで面接を終えるためのやりとりをする段階」です。
これら各段階は聴取者による影響を最小限にして、子どもから適切な供述を得るための最適の手順として順序化されているので、 面接においてこれらの段階を行き来することは原則として認められていません。また各段階での質問の形式は(A)の原則に従ったものにする必要があります。
以上のような方法で子どもから供述を聴取することで、聴取者の影響を最小限に抑え、子どもの現時点での記憶の状態をより正確に反映した供述を得られる可能性が高まります。
ただし、ここで注意しなければならないのは、このような司法面接の技法を用いることで、子どもが過去の出来事をより正確に思い出すようになるわけではないという点です。
子どもの記憶は(大人であっても)、出来事を体験した時点から様々によって欠落、 変化していきます。司法面接の課題は子どもの現時点での記憶の状態を、できるだけ外部からの干渉が少ない状態で言語化させることにあります。
したがって適切な司法面接の技法を用いて得られた供述でも、そのことによって即座に信用性が担保されるものではなく、 その信用性については、面接実施以前の段階で子どもの記憶に影響を与えた可能性のある諸要因を考慮して、総合的に判断する必要があります。
一方、司法面接の実施方法が不適切であった場合は、DNA鑑定などにおいて検体の採取に失敗して鑑定が困難になるのと同様に、得られた供述を信用性評価の対象にすること自体が不適切であると判断されることになります。
1.4 司法面接の実際
以下に司法面接の実際の手順の例として、日本における司法面接研究の第一人者である立命館大学の仲真紀子教授が北海道大学在職時にNICHDプロトコルをベースに作成した「北大司法面接ガイドライン」(以下、ガイドラインと表記)の面接進行手順を示します。
これを確認することで、司法面接が子どもの発達状況や他者の影響に対して非常に緻密な配慮を行っていることが理解できると思います。
なおガイドラインには、面接を実施する際の環境整備のあり方、必要な機材、各手順の背景にある考え方、想定される事態に対する対処の手順など多くの情報が含まれていますが、ここでは、 そこから基本的な面接の進行手順のみを抜き出して示します。
https://forensic-interviews.jp/.obj/_modrewrite/doc/fi-20210609_276_2.pdf
1.5 親による事情聴取について
ここまで説明してきたように、 小学校1年生程度の年齢時期にある子どもから被害体験や目撃体験を適切に聴取するためには、司法面接が技法化しているような相当にきめ細かな配慮が不可欠となります。
このため、子どもの親など、司法面接の専門的なトレーニングを受けていない者が、不適切な影響を与えることなく、子どもから被害や目撃の体験を詳しく聞き出すことは極めて難しいと考えざるをえません。とはいえ、特に教育機関などにおける虐待被害などについては、発覚の端緒となる被害説明を最初に聴くことになるのは、多くの場合、親を含めた子どもに近い位置にある大人です。
このような被害の聴き取りがなければ、犯行そのものが発覚しないことになりますので、親などによる端緒的な聴取には、それ自体の重要性があると考えられます。
そこで重要になるのが、親などによる端緒的な聴取において具体的にどのようなやりとりが子どもとの間であったのかを、できるだけ早い段階で確認し、記録すること、および(少なくとも適切な司法面接が実施されるまでの間)親などが子どもとの会話において事案の内容に言及することを禁止することです。
親による端緒的な聴取が子どもの記憶に大きな影響を与えるものでないことが確認された場合、聴取の繰り返しが子どもに与える影響に注意しつつ、司法面接でより詳細な聴取を行うことになります。
一方、親などによる聴取に不適切な側面があった場合、それを踏まえた司法面接の実施、供述の評価を行うことが必要になります。
(質問事項2について)
子どもから供述聴取を行った際に、不適切な記憶への影響が生じたか否かを確認するために第一に着目すべきなのは、聴取者による質問の語法と順序であると考えられます。 標準的な司法面接が推奨するものと同様の質問の語法と順序が用いられていれば、聴取による記憶への影響は最小限であったと評価することができます。
一方、聴取者の質問の語法や順序が標準的な司法面接において禁止されているものであった場合、それらの質問が子どもの記憶や供述内容に悪影響を与えた可能性が高くなります。 また聴取者の質問の語法や順序が標準的な司法面接で禁止はされていないものの、それとは異なったものであった場合や、 推奨されている語法や順序ではあるものの、それを用いた子どもとのコミュニケーションに混乱がみられる場合などは、 それぞれの状況に応じて、なんらかの悪影響が生じた可能性が個別に検討されることになります。
子どもによる出来事の説明は、常に質問のあり方とセットで検討される必要があります。一見、出来事の具体的で詳細な説明が得られたとしても、それを引き出した質問に誘導的な要素が含まれている場合は、その価値は大きく割り引かれることになります。ここで注意が必要なのは、子どもの記憶に影響を与える誘導的な要素というのが、いわゆる「誘導質問」のように明示的に応答を特定の方向に導くものだけではなく、1.2で説明したE. Loftusらの実験にみられるような質問内の特定の単語である場合や、質問の繰り返しのように子どもの語用論的知識に影響を与える非明示的なものである場合も多いという点です。 質問に含まれるこうした潜在的な影響因にも注意を向けながら、子どもの説明に問題点がないか慎重に検討する必要があります。
(質問事項3について)
3.1 親による聴取について
A 母の証人尋問調書添付の反訳書によれば、A母がAから被害を聴取した過程は大まかには、(1)リビングで「先生の部屋を知っているか」を聞いたところ、Aの様子が変わり、何か聞いたのか誰から聞いたのかを突然尋ね、その後うつむいてしまい、(2)寝室に移動してA母が「先生の部屋に行ったことがあるか」と聞くとAが行ったことがあると答え、(3)A母が「パンツを下げられた」と言ったときにAが小さくうなずいてA母にしがみつき、A母が「お股も触られたの」と聞いた際にもAはぎゅっとしがみついたというものでした(反訳書 2-6丁)。
この聴取の過程は、(1)と(2)で「先生の部屋」についての質問が繰り返されている点と、(3)においてクローズド質問が用いられ、 それに対するAの曖昧な反応が、質問に対する肯定的応答とA母によって解釈されているという点で、誘導的で不適切なものでした。 質問事項2への回答で述べたとおり、 子どもからの事情聴取において不適切な記憶への影響が生じたか否かを検討するためにまず着目すべきなのは、質問の語法と順序ですが、 A母による Aからの事情聴取には、これらの点で重大な問題があったことになります。
A母がAに被害について聴くことになった直接のきっかけは、C母からのラインによる問い合わせでした。A母は証人尋問において、Cが「おなかを触られたり、下着を脱がされて、陰部を触られた」と書かれているなど、問い合わせの「内容がとても詳細」で、ショックを与えるものであったと説明しています(反訳書 1-2 丁)。
A母が(3)において、Aにした質問の内容は、C母からのラインで言及されていた被害の様態とおおよそ一致しています。(3)において、A母が被害の内容をあらかじめ想定してクローズド質問でAに質問したことや、Aが曖昧な反応しか示していないにもかかわらず、被害があったことを認めたと認識したことの背景には、A母がC母からのラインによって、Aも同じような被害にあったかもしれないという強い懸念を抱いたことがある可能性も考えられます。
第一審判決が A供述の信用性評価において、A母による聴取過程にみられる誘導的な特徴や、親同士の情報交換がA母による端緒的な聴取を誘導的な方向に導いた可能性などの問題を考慮していないのは不適切であったと言わざるを得ません。
B母の証人尋問調書添付の反訳書によればB母がBから被害を聴取した過程は大まかには、
(1)B 母が学校からのアンケートに回答するために 「学校関係の大人の方から何か殴られたり、(中略)性的なことというか、体を触られたりとか何かそういうことがあったか」と尋ねたところ、Bが「暴力に関してもひどいことを言われたりもないけど、 触られたことがある」と言い、(2)夕食後にダイニングテーブルで再度尋ねたところBが触られたことがあると答えたため(具体的な質問と応答は不明)、(3)B 母が誰になぜという感じで質問をしたところ、Bはフルネームで被告人の名前を答え、湿疹を見るためだったと説明しズボンをずらして湿疹のあった側を見せ、(4)キッチンに移動してB母が触られた箇所を確認するためにBの体に手をあて「ここは。」「ここは。」と尋ねたところ、Bは太ももの付け根の両サイドは「うん。」と答えたが、真ん中については違うふうなニュアンスで答えた、というものでした(反訳書 p. 2-7)。
この聴取の過程については、特に(1)から(3)までの過程でB母とBの間で具体的にどのような質問と応答のやりとりがあったのか判然とせず、ここで何らかの誘導的な働きかけがあった可能性が排除できていません。
また(4)については触られた部位としてB母が想定している箇所に手を当てて「ここは。」と尋ねるクローズド質問の形式が用いられていたという問題があります。
以上のように B 母による聴取によって得られたBの説明については、(1)から(3)までの過程でB母が誘導的な聴取を行ってしまった可能性と、(4)におけるクローズド質問の影響を考慮する必要があります。第一審判決はこれらの問題点を考慮しないまま、B供述の信用性評価を行っており、この点で不適切であったと言わざるを得ません。
C母の証人尋問調書添付の反訳書1丁から3丁で説明されているCからの聴取の経緯をみると、被害説明の端緒は「何々先生ね、パンツまで脱がすんだよ。」というCの自発的な発話であり、その後具体的に説明されるC母とCのやりとりには供述聴取として特に問題にすべき点はみられませんでした。一方、同反訳書5丁から6丁で説明される2回目の聴取についての説明では、C母とCとの具体的なやりとりについての説明がなく、Cによる説明が要約されるかたちで供述されています。
このため2回目の聴取についてはC母による何らかの誘導的な働きかけがあった可能性が排除できない状態になっています。また1回目の聴取についても、このようなコミュニケーションの詳細部に関する供述は、供述者に虚偽供述の意図がなくても、実際の発話の展開とは異なった説明になってしまう場合がありますので、説明されたC母とCのやりとりが実際のやりとりをどの程度反映しているのか、注意深く検討する必要があります。第一審判決はこれらの点についてまったく注意を向けておらず、この点で不適切であったと言わざるを得ません。
3.2 スクールカウンセラーによる聴取について
スクールカウンセラーの証人尋問調書添付の反訳書にある聴取状況の説明をみる限り、最初にCに会った際にスクールカウンセラーはCから被害の具体的状況について聞くことは本来不適切であることを認識しており、自発的に被害について説明するCに不必要な影響を与えないよう、その説明をただ聴くという態度を一貫してとっていたものと思われます。2回目にCに会った際には、Cから「先生を罰してください」といった趣旨の発言が突然あった以外には、本件の内容についてのやりとりはなかったと説明されていることから、やはりスクールカウンセラーの働きかけによるCの供述への影響はなかったものと考えられます。
以上のことから、Cとスクールカウンセラーの面談が、Cの記憶などに不適切な影響を与えた可能性は低いものと考えられます。
3.3 検察官による司法面接について
質問事項にはありませんが、今回検討した資料をみる限り、 A、B、Cを対象にした一連の事情聴取のうち、同人らの記憶に最も深刻な影響を与えたのは、 親やスクールカウンセラーによる聴取ではなく検察官による司法面接であったと考えられるため、この点についても説明をいたします。
1.5 でも述べたとおり、親による端緒的な子どもからの供述聴取が、 完全に問題ない形で実施される可能性は低く、子どもの記憶にある程度の不適切な影響を与えてしまうことは仕方のないことだと考えられます。最初期の供述聴取において不可避的に生じるこのような不備を補うのが、その後に実施される司法面接です。
本件の場合も、3.1で検討したように親による聴取には、それぞれ不適切な部分や不明な部分がありましたが、これらは、その後の司法面接で適切な聴取が行われれば、それほど大きな問題とはならないはずのものであったと考えられます。しかし、極めて残念なことに、本件で検察官によって実施された司法面接は、弁護人から提供されたDVDを概観する限り、これらの問題点の解決とはまったくなっておらず、それどころかA、B、Cの供述のその後の検証を困難にする極めて不適切なものでした。
第一にこれらの司法面接では、A、B、Cいずれの場合も、子どもからの供述聴取の手順として中核的な位置にある自由報告の聴取と、それを踏まえたオープン質問による掘り下げが適切に実施されておらず、もっぱらWH 質問とクローズド質問(主に選択肢型の質問) による断片的な供述聴取が行われています。
このため被害が生じた際の出来事の具体的な展開 (特に加害者とA、B、Cの言語的、身体的相互作用の展開)について、連続的でまとまりのある説明を得ることがまったくできていません。
WH質問は「どこで」「誰」など、 出来事の特定の側面を聴取者の意図に基づいて切り出して説明することを求める質問形式であるため、自由報告とオープン質問を通して子どもが自発的に説明した出来事の展開の構図をふまえ、そこからさらに詳細な情報を得るためには有効ですが、子どもが体験した出来事の基本的な展開の構図についての説明を得るための質問形式としては、聴取者の意図に基づく情報の切り出しが行われるという点で不適切です。
1.3 で説明したとおり、クローズド質問は聴取者の意図や想定が明示されるため誘導的な性質が強く、司法面接では手順の後半での限られた使用しか認められていません。司法面接において自由報告とオープン質問による自発的な説明の十分な聴取を省略して、もっぱらWH 質問とクローズド質問を用いて聴取を展開することは、技法の基本原則からの明らかな逸脱であり、体験に基づかない供述を生み出す可能性の高い、極めて不適切な聴取手順であったと言わざるを得ません。
第二にこれらの司法面接では、 A, B, C いずれの場合も、 子どもから不適切な応答を引き出すリスクの高い質問形式が繰り返し使用されていました。
1.3で説明したように、「時点の特定(いつ)」
「理由の説明(なぜ)」を求める質問は、子どもが回答に困難を経験するため、迎合的な反応(聴取者への依存)を生じさせやすいという問題がありますが、今回の司法面接では不用意に多用されていました。
また、選択肢を用いた質問は「それ以外」という選択肢を含めたとしても、 実際の体験を十分に反映していない選択肢を子どもが選んでしまうリスクが避けられません。このため標準的な司法面接では、自由報告、オープン質問、WH質問を用いて十分な聴取を行ったのちに、それらではどうしても得ることができない情報について確認をする際に限って使用することが認められています。
しかし、今回の司法面接では、自由報告やオープン質問を用いた聴取を経た後に使用するといった構造的な原則をふまえることなく、恣意的にこの質問形式が用いられています。
第三にこれらの司法面接では、A,B,Cいずれの場合も、人形が出来事の説明を得るための道具として積極的に使用されていました。 性器などの身体部位をもつ人形 (アナトミカルドール)は、子どもが遊びの感覚で様々な動きや姿勢を人形にさせてしまう、不用意に膣などの穴に指を入れてしまう、といった誘導的な影響が大きいため、記憶の喚起や出来事の説明のためには用いず、身体部位の名称の確認など補助的な使用に限るべきであるとするのが、現在の司法面接における一致した基本的な考え方です(たとえば仲,2016)。
しかし今回の司法面接では、 A、B、C いずれの場合も、自由報告、オープン質問の手順を欠落させ、 WH 質問とクローズド質問で断片的な説明しか得られていない状態で、人形を用いた聴取が行われています。これは子どもから体験に基づかない供述を引き出してしまうリスクの高い、極めて不適切な手順と言わざるを得ません。
なお今回の司法面接では、人形を用いて子どもから供述を引きだそうとするだけではなく、人形の特定の部位を子どもに指示させて、その状況を写真や動画で記録するという作業が行われていました。しかし、人形などの具体物を用いた場合、子どもは記憶に基づかなくても大人の働きかけに応じて指示的な振る舞いをしてしまう可能性が相当程度ありますので、このような記録作業は供述聴取の記録としては不適切であり、司法面接では通常は実施しない手順です。
第四にこれらの司法面接では、A,B,Cいずれの場合も、一連の聴取を終えたのちに、子どもを交えて供述調書の作成作業が行われていました。
これらの作業では、通常の取調べや事情聴取と同様に、聴取者である検察官が、調書に記載する文言を口述し、それを子どもが確認したうえで、書面化された調書を改めて読み聞かせて確認したうえで、署名や指印をさせるという手順が用いられていました。検察官による口述や調書の朗読の内容は当然のことながら、検察官による情報の整理に基づくものであり、極めて強力な事後情報として作用し、 子どもの記憶を上書きすることになります。
通常の司法面接では、聴取者が子どもの供述内容に言及する際は、 子どもの記憶に事後情報の悪影響が生じないよう、 子どもが供述において実際に使用した言葉遣いをそのまま用いるという配慮を徹底して行います。今回の司法面接における調書の作成作業は、 通常の司法面接において細心の注意を払って避げられている、聴取者由来の事後情報による子どもの記憶の書き換えというリスクを完全に無視し、本件の真相解明において決定的に重要な証拠である子どもの記憶に、子ども自身ではおおよそ生み出すことのできない、供述調書的な文体で検察官の視点で要約された出来事の包括的な説明を上書きしてしまう危険性のあるものでした。
1.2で説明したように、質問に含まれる単語ひとつでも記憶を変容させる誘導的な効果をもつ場合があります。このことを踏まえると、調書の記載内容の口述や完成した調書の読み聞かせが、どれほど甚大な誘導的影響を子どもの記憶に与える可能性があるのか容易に想像できるものと思われます。
通常、司法面接は子どもの記憶の保全と、 その内容の十全な把握を目指しますが、 今回の司法面接における調書作成作業はこの原則を大きく逸脱するもので、極めて不適切であったと言わざるを得ません。
なお特にCの面接において顕著でしたが、調書の内容を口述する検察官に対してCはその内容を確認するために返事をするのではなく、 検察官の発話のタイミングにあわせて「合いの手」を入れているだけと思われる返事を繰り返していました。
司法面接において調書の作成作業を行うこと自体が極めて不適切な行為である点は上で指摘したとおりですが、「合いの手」的な返事を繰り返すCを放置したまま調書の口述を続けるという検察官の対応は、供述者が調書の記載内容をきちんと確認していない状態を放置したことになりますので、供述調書の信用性という点でも大きな問題を残すものになっていると考えられます。
以上のように A, B, Cを対象として実施された司法面接には、子どもからの供述聴取において通常は中核と考えられている手順 (自由報告、オープン質問)が適切に実施されていない、使用されている質問形式に不適切なものが多く含まれている、誘導性の高い人形が特に配慮なく使われている、調書作成作業によって子どもの記憶に事後情報による広汎な影響を与えた可能性が高い、といった複数の深刻な問題があります。
司法面接は標準的な手順に従ったとしても、その時々の子どもの反応や諸条件によって、完璧なかたちで実施することができない場合が多くあります。
しかし、今回の司法面接は、 子どもの発達的特性などを考慮して設定された面接の基本原則や手順から大きく逸脱するもので、 発達心理学および供述心理学の立場で言えば、おおよそ司法面接と呼ぶことのできない杜撰な聴取であったと残念ながら言わざるを得ず、それを通して得られた供述の信用性にも極めて大きな疑問を残すものでした。
A、B、Cを対象とした司法面接における問題は、これらの面接において子どもから適切な供述を得ることができなかったということに止まりません。誘導などの問題が生じるリスクの高い聴取を行い、かつ調書作成作業によって強力な事後情報効果を生じさせてしまった可能性が高いため、これらの面接の後に実施された事情聴取(公判廷供述を含む)において得られた供述の信用性も著しく低下させられています。
第一審判決が、今回の司法面接がもつこれらの深刻な問題をまったく考慮せずA、B、Cの供述の評価を行っているのは、極めて不適切と言わざるを得ません。
なお本回答書における司法面接の評価は、弁護人提供のDVDの大まかな検討に基づくもので、聴取過程の厳密な分析を経て得られたものではありません。
しかし、上述した4つの問題点は聴取者と子どものコミュニケーションを詳細に分析した結果としてはじめて表面化するような性質ものではなく、面接の全体的な展開構造が把握できれば容易に発見できるものでした。 このため、仮に当該司法面接のコミュニケーション過程について詳細な分析を行った場合でも、ここでの問題点の指摘が覆る可能性は低いものと予想されます。
以上
<文献>
Loftus, E. F. & Palmer, J. J. (1974). Reconstruction of automobile destruction: An example of the interaction between language and memory. Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, 13, 585-589.
仲真紀子編著(2016). 子どもへの司法面接 考え方・進め方とトレーニング 有斐閣. Nelson, K., & Fivush, R. (2004). The emergence of autobiographical memory: A Social cultural developmental theory. Psychological Review, 111(2), 486-511.
山本登志哉・脇中洋・齋藤憲一郎・高岡昌子・高木光太郎(2003) 生み出された物語 一目撃証言・記憶の変容・冤罪に心理学はどこまで迫れるか 北大路書房.
意見書作成者略歴
<回答書作成者経歴・主要研究業績 >
氏名:高木光太郎(たかぎこうたろう)
生年月日:昭和40年12月24日 ( 55歳)
本籍:東京都
[学歴]
昭和59年3月 東京都立小川高等学校卒業
昭和59年4月 中央大学文学部哲学科心理学専攻 入学
昭和63年3月 中央大学文学部哲学科心理学専攻 卒業
昭和63年4月 東京大学大学院教育学研究科学校教育学専攻修士課程 入学
平成2年3月 東京大学大学院教育学研究科学校教育学専攻修士課程 修了
平成2年4月 東京大学大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程 入学
平成6年3月 東京大学大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程 単位取得退学
[学位]
博士(学術)
[職歴]
平成6年4月 日本学術振興会特別研究員(PD)
平成 7年4月 東京大学大学院教育学研究科 助手
平成 8年7月 東京学芸大学海外子女教育センター 専任講師
平成12年2月 東京学芸大学海外子女教育センター 助教授
平成14年4月 東京学芸大学国際教育センター 助教授 (海外子女教育センターより名称変更)
平成19年4月 東京学芸大学国際教育センター 准教授 (職名変更)
平成20年4月 青山学院大学社会情報学部 教授
[所属学会]
日本心理学会、日本発達心理学会、法と心理学会(平成12~21年理事、平成24年~現在 理事)、日本教育心理学会、日本認知科学会(平成10~14年度常任運営委員、平成10年度学会 賞選考委員会副委員長)、International Association of Applied Psychology
意見書作成者主要研究業績
<著書・論文>
原聰・松島恵介・高木光太郎 対話特性に基づく心理学的供述分析(上):足利事件被告人Sの公判証言を素材として 駿河台大学論叢, 13, Pp.187-221.1996.
原聰 ・ 高木光太郎・松島恵介 対話特性に基づく心理学的供述分析(下):足利事件被告人Sの公判証言を素材として 駿河台大学論叢, 14, Pp.109-176. 1997.
任意性への心理学的アプローチ 季刊刑事弁護, 14, 88-91. 1998.
証言の心理学:原事象へのアクセス不可能性を前提とした想起研究に向けて 現代思想, 28(5), 202-211. 2000.
自白の信用性鑑定 やまだようこ サトウタツヤ 南博文(編) カタログ現場心理学:表現の冒険 金子書房 88-95.2001.
想起の発達史: 自白の信用性鑑定のために 田辺繁治 松田素二(編) 日常的実践のエスノグラフィ:語り・コミュニティ・アイデンティティ 世界思想社 Pp. 40-60.2002.
大橋靖史・森直久 ・高木光太郎・松島恵介 心理学者、裁判と出会う:供述心理学のフィールド北大路書房 2002.
「物語の始まり」への回帰 反物語としての初期証言 山本登志哉 (編著) 生み出された物語:目撃証言・記憶の変容・冤罪に心理学はどこまで迫れるか 北大路書房 Pp. 197-206.2003.
仲真紀子・高木光太郎・後藤弘子 子どもや障害者の目撃供述と被害者供述 季刊刑事弁護, 40, Pp. 161-165. 2004.
法と心理学会・目撃ガイドライン作成委員会(編) 目撃供述・識別手続に関するガイドライン 現代人文社 2005.
高木光太郎・大橋靖史 供述の信用性評価における言語分析的アプローチの展開 心理学評論, 48-3, Pp.365-380. 2005.
「記憶空間」試論 西井涼子・田辺繁治 (編) 社会空間の人類学: マテリアリティ・主体・モダニティ 世界思想社 Pp.48-64.2006.
証言の心理学:記憶を信じる、記憶を疑う 中公新書 2006.
Morimoto, I., Saijyo, M., Nohara, K., Takagi, K., Otsuka, H., & Okumura, M. How do ordinary Japanese reach consensus in group decision making?: Identifying and analyzing "naïve negotiation." Group Decision and Negotiation, 15, Pp.157-169, 2006.
裁判員裁判における評議コミュニケーション・デザインの必要性 法律時報, 79-1, 110-112.2007.
証言の「聖域」と最近接発達領域: 知的障害者に対する反対尋問をめぐって 現代思想, 35-6,86-95.2007.
竹内和弘・三島聡・高木光太郎 裁判員制度における評議のデザイン: 専門家の知と市民の知の融合に向けて 人工知能学会誌, 24-1, Pp. 45-52. 2009.
西條美紀・高木光太郎・守屋克彦 論告分析型評議の提案: 裁判員が実質的に関与する評議の実現のために 法律時報, 81-8, Pp.83-93. 2009.
山本登志哉・高木光太郎 (編著) ディスコミュニケーションの心理学: ズレを生きる私たち 東京大学出版会 2011.
「誤接続」と「住み込み」: 足利事件における虚偽自白過程のコミュニケーション分析 西井涼子 (編)時間の人類学: 情動・自然・社会空間 世界思想社 Pp.226-253. 2011.
知的障害者の供述特性からみた可視化と取調べの高度化 自由と正義, 63-12, 55-58. 2012.
心理学者、裁判と出会う: 神なき心理学に向けて 藤田政博 (編著) 法と心理学 法律文化社, Pp.216-220. 2013.
足利事件とスキーマ・アプローチ 浜田寿美男・馬・山本登志哉・片成男(編著) 日中 法と心理学の課題と共同可能性 北大路書房, Pp. 142-161.2014.
Takagi, K & Mori, N Approaches to testimony: Two current views and beyond. In Brady Wagnoered. Handbook of Culture and Memory. New York: Oxford University Press, Pp. 133-158.2017.
目撃者・被害者の供述心理 ダイヤモンドルール研究会ワーキンググループ (編) 実践! 刑事証人尋問技術 part2: 事例から学ぶ尋問のダイヤモンドルール. 現代人文社. Pp. 268-292. 2017.
パネルディスカッション: 供述心理学は反対尋問技術に活かせるか ダイヤモンドルール研究会ワーキンググループ (編) 実践! 刑事証人尋問技術 part2: 事例から学ぶ尋問のダイヤモンドルール. 現代人文社. Pp. 308-328, 2017.
アルコール酩酊および供述詳細化に着目した供述心理学的検討の事例 季刊刑事弁護, 100, 58-60. 2019.
説明の部品化と証拠のネットワーク:「ナラティヴ工場」としての法廷 N: ナラティブとケア. 11, 48-54. 2020.
<鑑定書・意見書 >
佐々木正人・岩井洋・大橋靖史・高木光太郎・森直久・古山宣洋・松島恵介 M 事件鑑定書:1供述の信用性に関する心理学的検討 弁護団 [殺人未遂被告事件 昭和六十年(わ)第二三九号]の依頼により作成 1993.
佐々木正人・原聰・大橋靖史・高木光太郎・森直久 ・松島恵介 足利事件供述研究報告書 足利事件 [殺人等被告事件 平成三年(わ)第四五一号] 弁護団の依頼により作成 1995.
大橋靖史・高木光太郎 意見書:強盗被告事件被告人1についての供述に関する供述心理学的検討 内山茂樹弁護士の依頼により作成 1998.
鑑定書 : 福井女子中学生殺人事件弁護人事情聴取テープにおける誘導の有無の検討 弁護人の依頼により作成 1998.
鑑定書:非現住建造物放火被疑事件被疑者 K に対する取調べの適切性に関する供述心理学的検討 副島洋明弁護士の依頼により作成 東京地方裁判所八王子支部に提出 1999.
意見書:知的障害をもつ目撃者からの供述聴取を適切におこなうために考慮すべき事項について 結城康郎弁護士の依頼により作成 千葉地方裁判所に提出 2001.
意見書:知的障害をもつ目撃証人Tの証言の信用性に関する所見 清水聡弁護士の依頼により作成 東京高等裁判所に提出 2001.
意見書:傷害致死、銃砲刀剣類所持等取締法違反保護事件における少年の供述の信用性について 小澤正史弁護士、 角田雄彦弁護士、岩崎政孝弁護士の依頼により作成 東京家庭裁判所に提出 2003.
意見書:収賄事件被告人Tの捜査段階における供述の変遷過程について(上告趣意書に添付) 弁護人の依頼により作成 2004.
意見書 : 水戸事件 [平成8年(ワ)第446号損害賠償請求事件、 平成10年(ワ)第662号損害賠償請求事件]被害者供述の検討 西村正治弁護士ほかの依頼により作成 2004.
大橋靖史・高木光太郎 意見書:布川事件 W 証人の供述の心理学的特徴について 日本弁護士連合会人権擁護委員会布川事件委員会の依頼により作成 2004.
意見書:覚せい剤取締法違反被告事件(平成15年(わ)第311号)被告人Sの供述について 増田祥弁護士の依頼により作成 2005.
鑑定書: 強制わいせつ被告事件被害者 M、A、Sの犯人識別供述の信用性について 秋山賢三弁護士の依頼により作成 2006.
意見書 [平成18年(ワ) 第13720号 問診テープ開示等請求事件] 佐藤博弁護士の依頼により作成 2007.
鑑定書[千葉地方裁判所平成18年(ワ)第978号損害賠償事件(国籍)] 弁護団の依頼により作成 2007.
意見書[東京地方裁判所八王子支部平成18年 (わ)第398号殺人被告事件] 弁護団の依頼により作成 2008.
意見書[千葉地方裁判所平成21年 (わ)第879号未成年者略取・殺人・死体遺棄被告事件] 弁護団の依頼により作成 2010.
大橋靖史 ・高木光太郎 鑑定書[大崎事件第2次再審請求] 弁護団の依頼により作成 2010.
鑑定書 瀬谷事件[東京高等裁判所平成17年(う) 第1644号殺人、強姦致死被告事件] 弁護団 の依頼により作成 2012.
意見書 [平成 23年(家) 第11263 号面接交渉事件] 当事者および代理人の依頼により作成 2014.
鑑定書[横浜地方裁判所平成 24年 (わ) 第2257号暴行、窃盗、逮捕監禁、 強盗事件]河崎夏 陽弁護士の依頼により作成 2014.
鑑定書 [横浜地方裁判所平成24年 (わ)第2257号暴行、窃盗、逮捕監禁、 強盗事件]河崎夏 陽弁護士の依頼により作成 2014.
鑑定書[東京地方裁判所平成26年 (わ) 第342号公然わいせつ事件] 今村核弁護士の依頼により作成 2014.
大橋靖史・高木光太郎 鑑定書 [大崎事件第三次再審請求 ] 弁護団の依頼により作成 2015.
鑑定書[大阪地方裁判所平成26年(た) 第18号再審請求事件] 宮田桂子弁護士ほかの依頼により作成 2015.
大橋靖史・高木光太郎 鑑定書 [大崎事件第三次再審請求 ] 弁護団の依頼により作成 2016.
大橋靖史・高木光太郎 補充鑑定書 [大崎事件第三次再審請求] 弁護団の依頼により作成 2016.
鑑定書 [福岡地方裁判所平成27年(わ) 第1384号詐欺未遂事件] 壬生隆明弁護士の依頼により作成 2016.
意見書[性虐待被害の可能性ある児童による被害説明の特徴について] 水戸地方検察庁土浦支部の依頼により作成 2017.
意見書[東京地方裁判所平成29年(わ)第724 号傷害被告事件] 赤木竜太郎弁護士の依頼により作成 2017.
意見書 [東京高等裁判所平成28年(わ) 第1081 号等 逮捕監禁、 強盗強姦、 強盗殺人、傷害被告事件] 樫尾わかな弁護士の依頼により作成 2018.
大橋靖史・高木光太郎 鑑定書 [美濃加茂市長事件(受託収賄)] 郷原信郎弁護士の依頼により作成 2019.
回答書 [東京高等裁判所平成30年 (う) 第1836 号傷害被告事件] 赤木竜太郎弁護士の依頼により作成 2019.
大橋靖史・高木光太郎 鑑定書 [大崎事件第4次再審請求] 弁護団の依頼により作成 2020.
意見書 [強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件] 古田茂弁護士の依頼により作成 2020.
鑑定書 [平成30年 (5)第744号 殺人被告事件] 渡邉良平弁護士の依頼により作成2020.