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桑山千雪STEP
シャニマスの桑山千雪STEPを読んだので感想を書きます。
桑山千雪転職譚
シャニPのスカウトをきっかけに、雑貨屋店員→アイドルへの転職を果たします。転職活動中に削れかける「好き」に、周囲の「大人」も向き合います。
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桑山千雪とは
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桑山千雪は283プロ内では年長者で、ユニットでもお姉さんポジションにいます。大人らしく振る舞う第一印象から、雑貨等を愛でる少女性を覗かせるアイドルです。
コミュを読むと幼気残す面の解像度が高まり、遊び心を備えた女性として尊敬できます。かといって幼稚ではなく、知識と思考力は成人したソレです。
お姉さん属性・少女性を兼ね備えたアイドルで、千雪Pに刺さっています。
欲張りの人形劇
千雪STEPではモノローグに「小さな声」と「ハリネズミのぬいぐるみ」が登場して、人形劇のように展開されます。
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千雪の二面性で幕を開けて、「小さな声」は魔女のように囁きます。スカウトをきっかけに「選びなさい」、すなわち雑貨屋店員かアイドルを「捨てなさい」と。
自身に対する期待・不安だったり、雑貨への愛だったり、声とぬいぐるみが象徴になって繰り返し上演します。
決断できない千雪がアンコールになって、劇団は手を変え品を変え「諦めろ」と迫ります。
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雑貨に見立てる千雪センスの効いたモノローグで、シナリオは回っていきます。
耳をすませば
雑貨への愛・自分への期待が乗った声から、「好き」という気持ちが伝わってきます。
シャニPと出会って岐路に立ち、選択の重みを受ける心に伴い声も揺れていきます。向けた期待は疑いに姿を変えて、不安は膨張していきます。
追い立てられる千雪の声は、「好き」と「大人」の振れ幅にいました。
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23歳 桑山千雪
悩む千雪に、シャニPは踏み込みません。「千雪に笑顔でいてほしい」と置くだけで、スカウトをしておいて関心が薄いように感じました。
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千雪に任せています
桑山千雪は成人です。アプローチの質が283のティーンエイジャーと異なります。
千雪の気遣いを払ってノイズを減らそうとするシャニP、周囲の「大人」もあらゆる千雪の道に理解を示します。きっと、通ってきた道だから理解できるんです。
雑貨屋店主も千雪母も、成人女性の決断として推します。
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生きのびた「好き」
周囲の「大人」の温かさに触れて、育んできた少女性を殺しかけたことに気づきます。
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ここで「好き」の気持ちを削ってしまったら、「千雪らしさ」は自殺していたと思います。
ユーザーにも心当たりはありませんか。「大人」にならなくてはいけなくて、心の中で幾らか自分を殺して取り返しがつかない経験を持っていると思います。
心に屍山のある人ほど、刺さったのではないでしょうか。ミイラな「大人」から見たら、千雪STEPは眩しかったです。そんな桑山千雪を推してしまいます。
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お世辞抜きで、千雪STEPから元気を貰えました
離職表明
雑貨屋店主に告げる別れに、建前の謝罪はありませんでした。
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重みを自覚しているので、言葉ではなくアイドル活動の幸せで応えねばならないからです。続けて、雑貨屋経験を糧にしますと伝えます。
「戻ってきたくなったら、いつでも連絡していいからね?」と店主の言葉に、千雪は苦く微笑んで返します。
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ズルい笑顔です
もう帰るつもりはないので、おためごかしが言えません。大人らしい千雪の最高な暇乞いで、感動しました。
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エンドロール
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安らかなBGMと相まって、心を緩ませているように見えます
アイドルへの転職に伴って、夢と付きまとう悪夢を受けとめる千雪が見れました。「好き」の気持ちに気づけた最後は、まるで宝石を見つけたような解放感でした。
千雪の笑顔につられて、ユーザーも「好き」を引きずり出されたように思います。
桑山千雪のピースが揃うと、人形劇は終演します。ハリネズミ・転職活動中の自身を含めた劇団を、可愛かったなと振り返ります。そして、シャニPとの総括を通して、千雪STEPは暗転を迎えます。
シナリオは美しい幕引きで閉じました。
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