雪国へ
久しぶりに旅行記を。
海外旅行に行けなくなって久しいですが、国内でも異国情緒を味わえたり、海外にも劣らない絶景を楽しめるところは多く、改めて日本の良さを認識しています。
以前は、旅行というと観光名所や街へ出かけるのがメインでしたが(例えば京都なら、神社やお寺へお参りして、喫茶店で一服して、河原町や寺町でお買い物など)、年齢もあるのか、自然の絶景を見に行ったり、温泉宿でゆっくりするのが楽しみになっています。普段、比較的穏やかな太平洋側に住んでいるので、日本海側の厳しい自然の姿には、惹かれるものがあります。(笑)
そんな訳で、北欧並みに雪の降り積もる、真冬の青森へ。ロマンチックな白銀の世界、のイメージを軽く飛び越え、突き刺さりそうな氷柱(つらら)や、路肩の背丈以上に積み上がった雪に、「なんだこれは!」という驚嘆の言葉しか出ませんでした。。。そして、そんな風景が、ゆったりと日常として流れている姿に感心。
<樹氷を見に>
子供の頃、学校の資料集か何かで写真を見て、「すごいなぁ。こんなものがあるんだ」と印象に残っていたのが、樹氷でした。もこもこの白い塊がいくつも雪山に並んでいて、青空とのコントラストが綺麗な写真でした。
(↓このような感じ)
二日目は弘前へ行くつもりでしたが、宿泊先のホテルのアクティビティで、八甲田山への樹氷観光のシャトルバスを発見。せっかくの機会なので利用することにしました。
バスで麓まで行き、そこから八甲田ロープウェーで頂上まで。頂上は曇り空で、ご覧の通りほぼホワイトアウトでしたが、おばけのようなスノーモンスターのインパクトは満点でした。
ただでさえ視界が悪いのに、太陽が雲で遮られて雪が降り出すと、ほぼ何も見えません。。。太陽が出た隙に、人影を頼りに歩いていくと、樹氷がいくつも並んでいるところへ辿り着きました。
それぞれ個性的な形のモンスターは、どこか規則性があって、並ぶとまるで野外美術館の彫刻のようでした。
樹『氷』なので、しっかり凍っています。触るとシャリっとして少し固かったです。冷凍庫の霜のような。
パウダースノーの雪は油断すると20cmくらいズボッと嵌まり込んでしまうのですが、踏みしめた時のサクサク感はたまらないです。
下りのロープウェーは、がらんとしていて、のんびりと絶景が楽しめます。まさに、おとぎ話や絵画の世界❄️ 私には、ムンクや印象派の絵が浮かんでくるようでした。
頂上駅から山麓駅までは約10分。下界といえども立派な雪景色ですが、見慣れたものや視界があるので、ほっとしました。
頂上の真っ白な雪の世界はとても美しかったですが、もしここで遭難したら。。。と、不安も感じずにはいられませんでした。人間の手の及ばない、人知を超えた自然の雄大さや美しさ、ダイナミズムを感じられる素敵な非日常体験でした。