【続日本100名城】品川台場を巡るっ！

続日本100名城に認定されている東京都とうきょうと港区みなとくの品川台場しながわだいばを第一台場～第七台場・御殿山下台場まですべて巡りましたのでご紹介します。

※ 本記事は訪問当時の情報を記載しておりますので、最新情報は公式サイトやお問い合わせなどで確認をお願いします。

品川台場とは

品川台場は、幕末・嘉永6年(1853)のアメリカ合衆国提督ペリー来航に伴い、江戸幕府が江戸湾の海防強化の方針によって築造された砲台です。幕府に経緯を払って「御台場」と呼ばれたことから、現在でも「お台場」としての地名が残っています。続日本100名城に指定されており、品川台場の続日本100名城スタンプについては以下でご紹介しています。

品川台場は、当初の計画では東京湾に11基の台場を築造予定でしたが、工期や費用の面から最終的に6基の台場の完成にとどまりました。そのうち第三台場と第六台場は現存しており、他の台場跡についても面影が見られるところがあったりします。

• 第一・第二・第三台場：嘉永七年（1854）7月竣工

• 第五・第六・御殿山下台場：安政元年（1854）12月竣工

• 第四・第七台場：未完成で工事中止

出典: 海上公園なび

第一台場

第一台場は品川埠頭ふとうのバンプール（輸送コンテナ置き場）あたりにありました。品川埠頭の埋立地に含まれて消滅しました。

品川埠頭へは、天王洲アイル駅から徒歩で行けます。品川駅からバスも通っているみたいです。

第一台場跡

第一台場跡のまわりには特に案内板もありません。

たくさんのコンテナが並んでおり、面影はありません

第一台場跡の北には東京出入国在留管理局があり、その向こうに後述の第五台場跡があります。

東京出入国在留管理局

第二台場

第二台場は、大井埠頭とお台場地区の間にありました。後述の第六台場と、その南にある旧防波堤「鳥の島」の間あたりです。

大井埠頭とお台場地区の間にあった第二台場（品川歴史館より）

現在は東京湾航路確保のために撤去されており、遺構は何も残っていません。レインボーブリッジから面影を偲ぶことしかできません。

第二台場跡（左上：鳥の島、左下：第六台場、右上：大井埠頭）

第二台場には、日本で三番目に建設された洋式灯台である「品川灯台」がありました。品川灯台については後述の「御殿山下台場」をご覧ください。

第三台場

第三台場は、現存している品川台場の一つです。台場公園として整備されており、その遺構を見学することができます。

第三台場（台場公園）はお台場海浜公園から陸続きになっています。

お台場海浜公園から見た第三台場（奥にレインボーブリッジ）

第三台場（台場公園）では、築かれていた当時の石垣を間近に見学できます。

第三台場（台場公園）の石垣

第三台場（台場公園）の砲台

レインボーブリッジからは第三台場（台場公園）の全景が見られます。

レインボーブリッジから見た第三台場（台場公園）

第四台場

第四台場は、天王洲アイルのあたりにありました。途中で築造中止となり、未完成で終わりました。第四台場跡は天王洲アイルとして埋め立てられ、石垣は天王洲アイル水辺広場ボードウォーク下の護岸として再利用されています。

天王洲大橋からは、第四台場だったボードウォークの石垣が見られます。

天王洲大橋から見た第四台場の石垣

天王洲大橋の上には東京モノレールが走っています

天王洲大橋の上にある東京モノレールの支柱には、おそらく第四台場で使われたであろう石垣跡が散らばっています。

第四台場にある石垣跡

第五台場

第五台場は、第一台場と同様に品川埠頭ふとうにあり、品川埠頭の埋立地に含まれて消滅しました。

現在、第五台場跡には「品川台場食堂」があります。

第五台場跡（品川台場食堂）

品川台場食堂の入口には、第五台場の掲示と石垣が展示されています。

品川台場食堂の入口

品川台場（第五）遺跡の掲示

品川台場食堂は、大井埠頭で働く労働者向けの食堂ですが、一般人でも利用できます。ただし、平日の朝～昼までしか営業していません。

品川台場食堂の内部

かき玉コロッケうどんとソースカツ丼

また、品川台場食堂の北には、第五台場交番があります。

第五台場交番

他にも、芝公園にあるみなと図書館には、第五台場の石垣石が屋外展示されています。

みなと図書館

第五台場の石垣石

第五台場の石垣石の掲示

第六台場

第六台場は、第三台場と同様に現存している品川台場の一つです。ただし、第六台場は島として独立しており、立入禁止とされています。

第六台場は、レインボーブリッジから全景が見られます。

第六台場

第六台場は野鳥の住処となっており、自然保護として残されているようです。

第六台場の船着き場には「立入禁止」と書かれています

第七台場

第七台場は、第四台場と同様に途中で築造中止となり、未完成で終わりました。

第七台場はレインボーブリッジのお台場側、レインボープロムナード入口のあたりにありました。

レインボープロムナードお台場口

第七台場は撤去され、遺構や案内は特に見当たりませんでした。

第七台場跡

御殿山下台場

御殿山下台場は、北品川のあたりにあった陸上の台場です。

御殿山下台場の跡地は台場小学校となっています。今でも台場小学校の敷地は五角形になっており、台場だった頃の輪郭がうかがえます。

御殿山下台場の形（品川歴史館より）

台場小学校の前には、御殿山下台場の石垣石と、第二台場にあった品川灯台の模型が屋外展示されています。

台場小学校にある御殿山下台場の展示

御殿山下台場（砲台）跡の掲示

ちなみに、第二台場にあった品川灯台は現存しており、愛知県犬山市の博物館明治村に展示されています。下記の記事に詳しく紹介されています。

台場小学校の近くには、御殿山下台場に由来した台場交番があります。

台場交番

また、品川区にある品川歴史館には、御殿山下台場にあった石垣石が屋外展示されています。

品川歴史館

御殿山下台場の石垣石

ちなみに品川歴史館には、品川台場にまつわる展示があるので、機会があれば訪問してみるのをおすすめします。

品川台場の工事模型（品川歴史館より）

まとめ

続日本100名城に認定されている東京都とうきょうと港区みなとくの品川台場しながわだいばを第一台場～第七台場までご紹介しました。

品川台場は、お台場の第三台場（台場公園）だけでなくその周辺に遺構があり、探してみるととても楽しかったです。

番外編として土佐藩が独自に東京湾防衛のために築造した浜川砲台が、立会川駅のあたりにあります。

浜川砲台跡は公園となっており、冠木門が設置されています。

浜川砲台跡の冠木門

浜川砲台跡には、実際に設置されていたホーイッスル砲が展示されています。

浜川砲台跡のホーイッスル砲

最後までご覧いただきましてありがとうございました。