4/1 沼から出ようと思うまで抗わない。
『キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々』を読了。読み始めてから一季節過ぎてしまったが、他の本と読み進める新たな試みをしていたこともあり、イベント事に時間を費やしもしたので逆に四ヶ月で一冊読み切れたのは偉いのかも。
エッセイが好きだ。他意を含まないから容易に文面を読み取れるし、なにより他人の思考を覗くには適している。他人の思考に触れると、なんだか親密になった気分になれる。それは自分の「信用できる人間」の該当基準が自らの思惑を言語化する人だからだと思う。会話でもツイートでもなんでもいいから、私の目が届く範囲で発言をしていてほしいと思う。そのうちのひとつがエッセイなのだ。
本書は品田遊の独特な視点と価値観から物事を捉えている。だが、どれも大きく首を縦に振りたくなるような、どこか身近に感じられる主張の数々にとても親近感が湧く。本人はあとがきで『「わかる」と言ってくれる人ほど敵』と書いているが、それなら敵でも構わない。自分の言いたいことを言葉にし尽せなかったとしても、結果として残された言葉にこちらが納得しているのだから。彼は性格こそ曲がっているが、ひねくれ方が綺麗なので真っ当な道を歩んでいるような気がする。こうも正解のような拗れを見せつけられると自分の中で逆張りの逆張りが発生し、素直になってしまいそうで怖い。
去年の秋頃からオモコロにハマった。以前から記事や動画はちょくちょく見て「おもしれー」とか言っていたし、オモコロに所属しているライターの中には好きなクリエイターもいた。だけど、だからこそ深堀りはしてこなかった。新たなコンテンツにハマると生活にモロに影響するから。実際オモコロを見始めてから生活バランスが崩壊している。優先したいことよりまず記事や動画に時間を費やしてしまう。新鮮なコンテンツに触れることができるのは幸福だけど、物量がこうも多いと処理に時間がかかる。きっと、もうちょっとすれば均されて他の興味と同じくらいになるだろう。それまではみすみす沼に浸かっていよう。