ツーリングテントに求められるもの
さて、少し真面目にテントのお話でもしましょう。
バイクツーリングで求められるテントは自動車でのキャンプ時とはかなり違います。
自動車でしたら悪天候時には車内に退避することも出来ますが、バイクだとテント内で過ごすしか無いですし、積載力も自動車には遠く及びませんから。
ではバイクツーリングでテントに求められる性能を考えていきましょう。
白いのは最近良く見るネイチャーハイクのハイビー 3。
アマゾンで24,000円程度で買えるモデルです。
フライもフロアも耐水圧は3,000mmと十分です。
下のは私も使っているコールマンのPhad-X3という廃盤モデルで、フライは4,000mm、フロアは5,000mm
PHAD X3のSizeは330cm×210cmで、ハイビー3は310cm×183cm。
大きさ的にはPhad X3のほうが若干大きい。
どちらも前室が広く3ポールで自立しますし、その形状から風にも強い。
パッキングも小さくなりますからツーリングテントとしては非常に優秀です。
この写真はハスキーのファイターと言うモデルです。
ハスキーはチェコのメーカーで、まだまだ知られてはいませんが、タフさでは定評のあるメーカーです。
ファイターは約35,000円で、前の2つと同じく自立式ですが、前室がイマイチ狭い(高さが無い)のと、前室を作るにはペグダウンしないといけません。ただ、前の2つが3本ポールなのに対しファイターは4本ポールでポールの設置間隔も狭いので、10m以上の暴風でもきちんとペグダウンしていれば安心です。
ファイターの耐水圧はフライが6,000mm、ボトムが10,000mm。
さすがはタフさを売りにしているハスキーと言えましょう。
スカートも標準で付いていますから、冷気の侵入も防げますし、インナーテントの天井部分はメッシュですから、自分の呼気でテント内が結露するという事もかなり防げます。
ファイターのデメリットは、前室が狭い(低い)のでテント内での煮炊きには気を使うこと、前室に荷物を多くは入れられないこと、スカートを巻き上げても真夏だと暑いこと。
北海道ではそれほど気にならない暑さかもしれませんが、この7月の暑さのことを考えるとちょっと勘弁して欲しいですね・・・。
ファイターの大きさは380cm×280cmと非常に大きいのですが、亀の甲羅のような形状で、図のように前室・後室ともにそれほど広くはありませんし、高さも無いので前室・後室の面積の割には使い勝手はそれほど良くはありませんし、煮炊きをするのはちょっとはばかられるので、靴などを置いたり、キャンプ椅子を(畳んだ状態で)収納する位です。
対してハイビー3やPhad-X3では、耐水圧と耐風性がもう少し欲しい。
耐水圧は素材による所ですが、耐風性はファイターが4本ポールなのに対してこの2つは3本ポールですから、どうしてもファイターには劣ります。
で、いつの間にかハスキーから出ていたのが、このFelenです。
Felenはサイズ違いで3-4人用と2-3人用があり、Felen2-3とFelen3-4の2種類がありますが、大きさのみの違いで、装備・機能・デザインの面では変わりはありません。
ハイビー3やPhad X3と同じような形でテントの半分弱が前室となる設計で、4本ポールの自立式。4本なので風には非常に強いです。
耐水圧はフライが7,000mm、ボトムが11,000mm。
ハイビー3やPhad-X3のように前室も広く、テント自体もハイビー3よりも大きく、インナーテントの高さも130cmとこの手のテントとしては高いので居心地は高レベル。室内も大きいですし、横はも広い。
そして、ここからは実際にFelen2-3を購入して立ててみたファルコンのレビューです。
1.前室は広々
Phad X3は前室部分にグラウンドシートとして使える着脱可能なボトムシートが付いていますが、Felenには付いていませんので、必要な方は大きめのグラウンドシートを別途購入して敷けばOKでしょう。
2.ベンチレーション完璧
ベンチレーションは全面1箇所、側面の下のほうの左右に各1箇所、背面に1箇所と十分ですので、風通しも抜群です。
しかも、背面のベンチレーションはファイターと同じくインナーテント内部からも開け閉めが出来るので、6~7万クラスの高級テントに備わっているものと同じです。
3.使いやすい装備満載
実際に立ててみて「良く考えられているなぁ」と感じたのが、入り口等を巻き上げて使う時のこのコードストッパーです。
コードストッパーだと、しっかりと押さえる事ができるので、止めているのに風でバタついたりすることも無く、コンパクトに巻き上げることが出来ますから。
ちなみにご紹介した3つの重さですが、ハイビー3が3.2kg、Phad X3が3.95kg、Felen2-3が4.4kg。
ポール1本多いのと、ハイビー3よりも一回り大きい事、そして耐水圧が2~3倍以上あるので素材自体も厚くなっているのでしかたないですね(笑)
で、ハイビー3の収納サイズが17×54cm、Felen 3が20×50cmと若干の違い。
Felen2-3のお値段は34,800円、Felen3-4は35,800円とファイターと同程度ですが、十分その価値はあるかと。
(ちなみに9月11日(土)まででしたらFelen2-3は楽天スーパーセールで半額の17,400円です)
重量と価格以外はFelenの圧勝と言えるのですが、バイクの場合は1.2キロ程度でしたらそれほど苦にならないと思いますので、ファルコン的には少し高くてもFelen2-3、広めがご希望ならFelen3-4をお勧めするものであります(^^
最後に一応お断りしておきますが、これは案件では無いので、Huskyからも販売店からも1円ももらっていませんので、ご安心ください(笑)
案件で無くてもこれだけFelenをお勧めするのは、今入手できるツーリングテントとしてFelenが最強だからです。
大切なことなので、もう一度書きます(笑)
Felenは
(1)4本ポールで強度があり風にも強い。
(2)台風でもゲリラ豪雨でも絶対に浸水しないであろう無敵の耐水圧。
(3)前室が広く、荷物を置いたり、煮炊きをするのにも十分な広さでタープ要らず。
(4)物入れやランタンフックなどもあり、使い勝手の良さも随所に散りばめられていて言うことなし。
(5)暑い時はベンチレーションで風通しも良いので、夏の本州でも使える。
(6)ベンチレーションを閉じれば本州の冬位なら十分(北海道の冬や冬山であればファイターがお勧め)
(7)大きさや装備・スペックの割にはコンパクトな収納
(8)設営のしやすさもハイビー3と比べてポール1本増えたのに超簡単(ハイビーやPhad X3、ファイターは横のポールをスリーブに通す必要があるけれど、Felenは横のポール2本はスリーブに通さずにパチンとはめるタイプ)
もうキャンツーだったらFelenしか勝たんですわ。
控えめに言ってもFelenが優勝です。
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