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県大会4季連続で同じ決勝カードの闘い方は?~2024高校サッカー選手権奈良大会~

 2024年全国高校サッカー選手権奈良大会もいよいよ決勝戦を迎える事になりました。
 決勝戦の対戦カードは昨年の選手権奈良大会決勝から数えて4季連続で同じとなる生駒高校vs奈良育英高校の対戦となりました。

 生駒はインターハイに続いて2季連続の全国大会で選手権本大会は初出場を目指して、奈良育英は4年連続17度目の選手権本大会出場を目指して闘う事になります。


◼️決勝の見どころ

①今季直接対決による戦績

これは今年のインターハイ決勝の生駒vs奈良育英の観戦記です。

 今大会の決勝もインターハイ決勝の様なゲーム展開になるかどうかというと、生駒のゲームプラン通りに進めば『YES』ですし、奈良育英のゲームプラン通りに進めば『NO』になると思います。

 それは9月末のリーグ戦で生駒が優位に進めた前半戦と奈良育英が圧倒した後半戦の両方が見え隠れしたからです。

 結局のところリーグ戦では奈良育英が生駒に対して圧勝したのですが、選手権県代表をかけた決勝では再びゲームプランを立て直すと思うので、どちらが主導権を握るのか予断を許さない状況です。

【今季戦績】
新人大会○奈良育英3ー1生駒●
リーグ戦△奈良育英0ー0生駒△
インハイ●奈良育英0ー2生駒○
リーグ戦○奈良育英5ー1生駒●

②生駒高校 vs 奈良育英高校

生駒高校スタートメンバー予想

 生駒はほぼスタメン固定なのですが準決勝で途中出場した3年生をボランチに入れるのかな?と思っての予想フォーメーションです。

 奈良育英高校スタートメンバー予想

 奈良育英は日替わりスタメンなので全く読めませんが準々決勝と準決勝の試合を観た感じでの予想フォーメーションです。

【生駒高校のゲームプラン】

コーナーサイド奥深くへロングボール
~スペインサッカー研究所より引用~

 それでは生駒サイドからゲームプランを考えていくと生駒は準々決勝と準決勝の試合を観たところ、2点リードするまではロングボール主体で両サイド奥深く蹴り込んでいたので、奈良育英戦でも序盤からボールサイドを中心に両SBの3番、7番と両SHの4番、14番の上下の運動量を生かしたゲームプランを立ててくると考えます。

ポストプレーからのサイドアタック
~スペインサッカー研究所より引用~

 その際のロングボールはFW2番が幅を調節してポストプレーで受ける形にしてセカンドボールをボランチが拾ってSHやSBへのサイドアタックという攻撃パターンもあると思います。

 生駒GK1番はシュートストップに長けてクロスボール等のハイボールにも強くDFラインのSB、CBの4人も1対1の対人守備に強いので、ロングボールを主体に奈良育英を自陣から遠ざけて押し下げるプランで奈良育英の攻撃に関わる人数を削る事が出来れば、生駒は堅固なDF陣の個人能力で失点リスクをかなり回避できると思います。

 更に奈良育英は準決勝の一条戦でもロングボール対応に前半苦しめられていたので生駒としてはロングボールを使わないゲームプランはないと思います。

 ただし奈良育英のGK1番は守備範囲が広くハイラインにした際のDF裏へのロングボール処理の反応が素早いので、生駒サイドとしてはGKにカバーされない様にロングボールは奈良育英GKが届かないコーナーサイドへきっちり蹴り込む必要があります。

 あとはどうやって生駒が得点するかですが、一番可能性があるのは押し込んで得たCKやFKのセットプレーでターゲットになるであろう2番、5番、7番、10番のヘディングシュートでゴールを抉じ開けたいところです。

 もちろんコーナーサイドまで押し込んでからクロスボールをファーサイドへ上げて仕留めるパターンもありますが、奈良育英のDF陣も守備が堅いしGKも守備範囲が広いので、よっぽど奈良育英の守備を崩すかカウンターで抜け出せない限り流れからゴール奪うのは至難の技かと思われます。

 現状の生駒が奈良育英に対して勝ちパターンに持って行くためには、どうしてもインターハイ決勝の様に見た目は面白くないけど、ロングボール主体の現実的なゲームプランを組むしか無いのは致し方ないところだと思います。

【奈良育英高校のゲームプラン】

生駒をサイドへ誘導するハイプレス
~スペインサッカー研究所より引用~

 対して奈良育英サイドは生駒がロングボールを多用してくる前提でゲームプランを考えてくると、生駒DFラインから精度の低いロングボールを蹴らす様に、ハイプレスでサイドに誘導するというのがまず一つ考えられます。

生駒ゴール前でのハイプレス①
~スペインサッカー研究所より引用~
生駒ゴール前でのハイプレス②
~スペインサッカー研究所より引用~

 もし生駒のDFラインが底でボール持った際は奈良育英のハイプレスに対して生駒はパスワークで剥がせる技術はないと思うので、プレッシングをかける事で生駒をゴール前で閉塞させてボールを回収できる可能性は高いと考えます。

ハイプレスからのショートカウンター
~スペインサッカー研究所より引用~

 生駒ゴール前でボールを奪えればショートカウンターで生駒CBの裏を取って奈良育英9番、11番の決定力でゴールを狙えます。

コーナーサイドで奪ってクロスボール
~スペインサッカー研究所より引用~
サイド深くで奪ってクロスボール
~スペインサッカー研究所より引用~

 ハイプレスから両サイド深くでボールを奪うか回収出来たのならニアサイド&ファーサイドへ速いクロスボールを入れる事で、さすがの堅固な生駒DFラインも前後左右に速いパスで振られる守備対応は強くなくて、リーグ戦で奈良育英が得点を重ねた時の様に生駒DF陣はボールウォッチャーとなりファーサイドの見落としもあるので得点の可能性は上がると思います。

ライン間スペースを繋いでスルーパス
~スペインサッカー研究所より引用~

 あと生駒がロングボール主体のプランだとラインが間延びしているので、奈良育英のWボランチ18番と6番が出場なら生駒ライン間の空きスペースをパスを繋いで縦に速く前進する事はそんなに難しくないかと思います。

ボランチがサイドへ展開しフィニッシュ
~スペインサッカー研究所より引用~

 奈良育英6番は中盤におけるポジショニングが良くサイドへパスを出す中盤の繋ぎ役としてチームへの貢献度は高いです。

【ゲーム展開まとめ】
 この様に両校のゲームプランは全く狙いが違ってくると考えられるので、どちらが序盤から主導権を握るのかでゲーム展開が変わってくると思います。

 個人的には奈良県を代表して全国大会に出場するのなら初戦突破の可能性がある奈良育英に県代表となってほしいので、インターハイ決勝の様に序盤から蹴り合いに付き合って生駒ペースに巻き込まれる展開は避けて、9月のリーグ戦で奈良クラブユースに勝った時の様に立ち上がりからハイプレスをかけてほしいです。

 そういう意味ではキックオフして序盤のゲーム展開に注目してほしいと思います。

◼️ご参考

 この1ヶ月に渡り今大会の高校サッカー選手権奈良大会関連でアップしたnoteには『スペインサッカー研究所』で学んだ事をたくさん引用させていただきました。

 素人のサッカー観戦ヲタクでもサッカーの奥深さを理解する事で見えてくる事がたくさんありますし、今後も新しい事をどんどん吸収して個人的にもレベルを上げたいと考えています。 

 奈良県サッカーに関わる指導者、選手、保護者の皆さんも視野を広げてサッカーに携わると成長できると思います!

 今回も3,100字を超える文章になりましたが最後まで読んで頂いてありがとうございました!
 出来ればシェア等で拡散のほど何卒よろしくお願いいたします!

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