新人大会決勝進出するのはどっちだ!〜公立校ライバル対決 畝傍高校vs生駒高校〜
奈良県高校サッカー新人大会も佳境を迎え準決勝まで順当に勝ち上がった畝傍高校と生駒高校の優勝候補同士の対戦カードが決定しました!
■これまでの振り返り
生駒高校は過去県大会では一昨年の選手権決勝から数えて4大会連続で決勝進出しており昨年インターハイ予選では奈良育英高校に勝ち2度目の優勝を果たし県代表になりました!
対して畝傍高校は毎回大会前の下馬評は良いものの過去5大会連続して準々決勝で敗退(奈良育英3敗・生駒1PK負・橿原1PK負)を喫していましたが今大会では壁を破って一昨年の新人大会で優勝した時以来6大会ぶりに準決勝進出を果たしました!
実績だけを見ると好対照で生駒高校は結果を残している印象が強いのに大会前の下馬評はいつも畝傍高校の方が高いという状況が続いているので今大会は直接対決が実現して比較しやすくなったと思います
それではマッチプレビューに入っていきましょう!
■予想ラインナップ
準々決勝の五條高校戦がとても良かったので良い流れを変えない為にも恐らく同じスターティングラインナップで来るのが堅いと予想されます
準々決勝の奈良高校戦はラインナップを変えて苦戦した様なので5大会連続決勝進出に向けて天王山とも言える重要な畝傍高校戦では快勝した香芝高校戦のラインナップに戻すと予想しました
■マッチプレビュー
この準決勝両校の思惑としては畝傍高校サイドは序盤で先制してゲームの主導権を握る事であり生駒高校サイドは出来るだけ失点リスクを回避してスコアレスの時間帯を長く続けて終盤のパワープレーで得点したいという構図を予想しています!
そのため畝傍高校は生駒高校のDFラインに時間を与える事で直ぐにロングボールを蹴って来られるとプレスバック等でスタミナを奪われ終盤に面倒くさくなるので五條高校戦の様に前半立ち上がりからハイプレスを仕掛け生駒高校に陣地挽回させず押し込み続ける事で主導権を握ろうとしてくると予想しています
それに対して生駒高校は押し込まれると序盤から畝傍高校の分厚い攻撃を受ける事になり攻撃スピードに馴れる前に先制点を許すとゲーム的にかなり追い込まれてしまうので何としてでもロングボールを前線に当てて出足早くセカンドボールを回収してロングカウンターでゴールを狙ってくるだろう考えています
逆に言えば生駒高校としては序盤の畝傍高校の攻撃スピードに馴れるまで無失点で乗り切れるとゲームの流れを生駒サイドに引き寄せる事ができボールを保持する時間帯を作れる事が出来ればボランチ10番を起点に裏へのスルーパスや22番への左サイド展開が出始めると攻撃の幅もかなり広がってきます
それをさせたくない畝傍高校からすれば生駒高校の10番がポジション取りが良くライン間で浮いているので対策として簡単にパスを通されない様にシステム的に中盤が3対2で数的優位となる畝傍高校はアンカー10番とIH5番or7番のどちらかとのダブルマークで生駒10番へのパスコースを制限していけば自ずと生駒高校の攻撃パターン数を削る事ができます
生駒高校は10番へのパスコースを制限されパスを通せなくなると22番頼りの左サイド若しくはゴール前で9番ターゲットのロングボールという単調な攻撃一辺倒になるため畝傍高校としては守備対応が楽になり生駒高校の攻撃は閉塞してくると思います
畝傍高校もハイプレスを1試合継続するのは厳しいので生駒高校が馴れてきたら前半途中からゲームを落ち着かせるため底でのボール循環も織り交ぜてメンバーのスタミナ回復に努めながら攻撃のスイッチを入れて行く時間帯も必要になってきます
生駒高校がそれをさせまいとプレッシングを仕掛けてきても連動していない単発プレスなら畝傍高校は五條高校戦の様に剥がしながらビルドアップ若しくは右サイドへのロングフィードで11番を走らせ生駒高校の守備対応を打開してくると考えられます
両校の直接対決ならこのような攻防が続くと予想していますが再現性ある攻撃を仕掛けられるのは畝傍高校の方が正直上手だと考えています
そのため個人能力を使う前後の守備には強い生駒高校も前後左右にボールを動かされると守備ブロックをスライドさせている内にボールサイドに集中してしまいファーサイドを見失いガチになるので組織的な守備の弱さを露呈する可能性があります
よって畝傍高校は生駒高校ゴール前に押し込んだ時に幅と深さを織り交ぜる攻撃が出せる様だと得点に繋がるシーンも増えてくると予想されます
逆に畝傍高校がボール保持して押し込む時間帯が続くと生駒高校のカウンターチャンスも増える可能性も出てくるので畝傍高校としては両CBの守備対応は重要です
そもそもカウンターチャンスを与えないためにも慌てて攻めるというより畝傍高校は出来るだけボールを落ち着かせる時間帯を作り時計の針を回しながら加速するタイミングを見計らって攻撃のスイッチを入れるのが良いと考えています
更に終盤を迎えると生駒高校は形振り構わずパワープレーで得点を奪いにくると考えられるので…もしロングボールを蹴って来る様なら畝傍高校は事故(ハンドPK•ファール)だけは起こさない様に心掛けリトリートしてローブロックを組んで落ち着いて跳ね返しておきたいところです
下馬評通り個人的にも畝傍高校が優位な対戦だと思いますが生駒高校は4大会連続決勝進出という自信が勝負強さにも繋がっているし畝傍高校は選手交代するとチームレベルも落ち出すので80分で決着をつけないと状況は厳しくなると思います
よって延長戦やPK戦に持ち込まれると生駒高校が経験値から俄然優位に立つと思われます…と言って畝傍高校がもしスターティングラインナップから主力メンバー数人を外して切り札としてベンチに置く様だとキックオフ前から生駒高校が精神的にも優位に立つとも考えており試合前から勝負の駆け引きが重要になってきます
トーナメント大会はいつものルーティンを変える事なく精神的に落ち着けるという状況を作って臨むのが大事な要素なので畝傍高校としては五條高校戦のスターティングラインナップと戦術プランは変更しない方が良いと個人的には思います
■あとがき
奈良県の指導者さん数人に聞いても現時点の奈良県高校サッカー界で選手のポテンシャルが高いのは奈良育英高校と畝傍高校が頭一つ抜けているという評価だったので個人的にもその意見に同意しておりました
ゆえに生駒高校の4大会連続決勝進出には本当に良く頑張っている状況という評価もされていました
リーグ戦はチーム力が如実に表れますがトーナメント大会はチーム力の他に一発勝負が故のくじ運や事故失点または気負わず平常心が保てるメンタル面などいろんな要素も加わる中で結果を出している生駒高校も凄いなと改めて感じております
さて昨年インターハイ予選ではスコアレスのまま延長PK試合となり生駒高校が勝ち上がり初優勝を果たしましたが明日の準決勝の結末は如何に…今から楽しみでなりません!
■ご参考
今回もスペインサッカー研究所で学んだ事をたくさん使いながらプレビューを書いています。
当該noteには奈良県の高校サッカーに不足している事がたくさん詰まっているのでマジで強くなりたいチーム関係者や選手関係者は何が足りないか改めてもう一度立ち止まって考えた方が良いと思います!
今回も最後まで読んで頂いてありがとうございます&出来ればSNS等でシェアいただけると嬉しいです!