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2024高校サッカー選手権奈良大会展望~生駒ブロック~

 いよいよ令和6年度も選手権奈良大会が開幕します!
 そこで今大会も4シードのブロック毎に個人的に考えた大会展望を綴っていきます。
 まずはインターハイでは奈良県代表になった生駒高校のブロックからスタートです!

4シード⇒生駒ブロック

◼️観戦済み高校紹介

 生駒ブロックは9月以降のリーグ戦で一番観戦した高校が多かったブロックです。
 それぐらいインターハイ王者の生駒高校を倒す高校が現れるのか?というのを確かめたい気持ちもありました。

【生駒高校】

 昨季から3大会連続で決勝進出している生駒なので、今大会も組み合わせ的に決勝進出はするだろうと考えている方も多いと思いますけど、9月以降のリーグ戦の戦績は下記の通り2勝3敗2分とあまり芳しいとは言えません。

(県1部リーグ第10~16節)
●0ー1畝傍高校
○4ー2山辺高校
●0ー6奈良クラブユース
○3ー0天理高校
●1ー5奈良育英高校
△0ー0五條高校
△0ー0一条高校

 県1部リーグ上位3チームに対して全敗の1得点12失点だし直近2試合も五條と一条に対して無得点というのも気になります。

 生駒の試合を観たのは山辺戦、奈良クラブ戦、奈良育英戦でしたが良い面と悪い面がハッキリしていました。

 山辺戦のあとにポストした通り生駒の攻撃面の強みは、ロングボールを使った大きなサイド展開からのクロスボールで、ゴール前を高さで競り勝ち得点していくパターンだと思います。

 だからこれが通用する相手だと得点を重ねることが出来るのですが、中盤でボール受けて前を向くビルドアップは苦手の様なので対戦相手の守備が堅くなってくると、ロングボール一辺倒ではなかなか得点出来ずに苦しんでいる様に思います。

 守備面はもともとフィジカルが強いので自陣ゴール前の守備もボールを放り込んで来る攻撃にはめっぽう強いですが、奈良クラブや奈良育英の様にボールと人が縦横無尽に動いてくると、個々のプレッシングで守備をしていくチームのため、プレスミスが散見され背中のスペースを使われては侵入され後手後手と追従できずに失点を重ねました。

 そのため生駒は絶対王者ではなく付け入る隙が十分あると理解した上、各々対戦校が対策を取って試合に挑めばBest4進出の可能性は十分あるブロックだと考えます。
 
 そのため生駒はトーナメントを勝ち上がってインターハイに続いて2季連続優勝する為にも『背に腹は代えられず』インターハイ時の様にガチガチな手堅いサッカーをしてくるんじゃないか?と予想しています。

【山辺高校】

 生駒ブロックの対抗馬はやっぱり山辺になると思いますが、組合せ的に順当な勝ち上がりなら生駒の初戦が山辺になるという…山辺サイドとしては願ってもないチャンスかもしれません。

 山辺の試合も9月以降は天理戦、生駒戦、香芝戦の3試合を観戦しましたが出入りの激しい試合をするので、もしかして気分屋なの?と思えるぐらい…めちゃめちゃ良い攻撃するかと思えば、めちゃめちゃ緩い守備で失点するという印象が強いです。

(県1部リーグ第10~16節)
○4ー3天理高校
●2ー4生駒高校
●1ー4一条高校
○3ー2橿原高校
○4ー1香芝高校
○4ー3五條高校
●1ー4奈良クラブユース

 上記の結果からも分かる通り7試合で19得点21失点と毎試合得点と失点を繰り返す出入りの激しいゲームをしています。

 観戦した天理戦では1-4-4-2なんだけど中盤はダイアモンド型で両SBをガンガン上げてくるので分厚い攻撃を仕掛けてきます。

 当然中盤も経由してビルドアップするサッカーができるので2列目からの飛び出しでDF裏を抜けては前半だけで4得点して調子乗ったら手がつけられなくなる印象が強いです。

 でも生駒戦の様に失点した直後に集中力が切れてプレスバックもサボり連続失点する稚拙なところもあり安定したゲーム運びが出来ない面もあります。

 こういう守備で上手くいってない時の山辺は中盤にパスが通らず前進できない時間帯となり、そういう時は中盤メンバーを一新して流れを変えれる選手層を持ち合わせているところは逆に強みでもあります。

 何はともあれ好不調の波は激しいけど好調な時に当たれば生駒を倒す力は十分あるので対抗馬として1番手だと考えるので、もし3回戦で生駒vs山辺のカードになればどっちが勝ってもおかしくない展開になると思います。

 因みに下記の通り今季の直接対決では新人大会とリーグ戦で対戦しており、戦績は1勝1敗1分と全く互角なので決着を付けるには持ってこいの対戦となります。

(今季直接対決)
新人大会⇒△生駒2ー2山辺△
リーグ戦⇒●生駒3ー4山辺○
リーグ戦⇒○生駒4ー2山辺●

【高田商業高校】

 生駒ブロックの対抗2番手としてはやっぱり高田商業ですかね!
 昨年創設されたオール高田プロジェクトは順調に結果が出始めており前回大会のBest4は記憶に新しいと思いますし、その後の新人大会もBest4でインターハイはBest8と連続して上位進出を果たしております。

(県2部リーグ第11~16節)
○11ー0奈良高校
●1ー7法隆寺国際高校
○3ー1生駒高校2nd
○2ー1郡山高校
○4ー3奈良学園高校
●1ー4奈良クラブユース2nd

 高田商業の観戦は大敗した法隆寺国際高校戦だけだったので印象的にはそんなに良くないのですが、リーグ戦の戦績を見ていると奈良に大勝して郡山と奈良学園には接戦を制しているところを鑑みると実力値としては高いと考えられます。

 法隆寺国際のインサイドがめちゃめちゃ強くて、本来なら高田商業もボール循環しながら中盤を経由してビルドアップさせて行くスタイルなんですが、この日は中盤の陣取り合戦で負けてしまったので大敗を喫してしまったところはあります。

 もしインサイドに固執せず両サイドを使ってピッチ広く使えば法隆寺国際戦も少し展開が変わっていたかもしれません。

 でもこの試合以降は3連勝しているのでピッチを広く使う部分は修正し立て直している可能性は高いと考えられますし、あともしかしたら法隆寺国際戦の後半から1-4-2-3-1にシステム変更していたので、そのシステムが上手くいっているのかも?とも想像しています。

 とにかく高田商業も郡山との直接対決もリーグ戦では勝っているので、Best8まで勝ち上がって準々決勝で生駒と山辺の勝者を待ち構える可能性は高いです。

【郡山高校】

 昨季のインターハイまでは強さを見せていた郡山ですが、その主力選手が入れ替わった以降は戦績的には低迷しているので、今大会も厳しいと思いながらも一度は試合を観ておこうと奈良育英2ndとのリーグ戦を観戦しました。

 少し気になったのは奈良育英2nd相手からなのか他の試合もそうなのか分かりませんが1-5-4-1の5バックを採用していました。

 この5バックも奈良育英2ndには正直通用してなかったですがインターハイの畝傍戦もこのシステムだったので選手権も5バックでくると予想しています。

(県2部リーグ第11~16節)
●0ー3山辺高校2nd
●1ー4奈良育英高校2nd
○2ー1奈良高校
●1ー2高田商業高校
●2ー5生駒高校2nd
●0ー3法隆寺国際高校

 奈良育英高校2nd戦以降も失点を繰り返しているので5バックが浸透したとは思えないですが、郡山は個々のポテンシャルが低くないので、トーナメント大会の様な一発勝負では得てして5バックにて最少失点で乗りきりPK戦で勝ち上がる高校もあるから選手権で化ける可能性はなきにしもあらずです。

【奈良高校】

 奈良の試合はリーグ戦の奈良学園戦を観戦してボールを動かす意識は高いチームだと思いましたが、ボールを循環しているだけであまり効果的な動かし方でないのと両SHに突破力がなく前半はチャンス作れなかったと思います。

 守備は4バックなんだけどSBが結構高いポジション取るのでボランチ1枚が両CBの間に落ちて3枚にすると安定しだしました。

 ポストにある通りハーフタイムに4人交代させると奈良学園のDF裏のコーナースポットを狙って一気に攻勢に出たので戦術さえ浸透すれば面白いのにな…と思いました。

(県2部リーグ第11~16節)
●0ー11高田商業高校
●0ー3生駒高校2nd
●1ー2郡山高校
●2ー3奈良学園高校
●1ー5奈良クラブユース2nd
○3ー2一条高校2nd

【帝塚山高校】

 これまでは大会前の事前チェックは県1部勢と県2部勢に止めていたのですが、今回は精力的に県3部の高校も観ておこうと思い何校かを観戦した一つが帝塚山でした。

 少し縁もあって帝塚山ってどんなゲームするんだろう?と思って観戦したのが奈良クラブユース3rd戦と五條高校2nd戦でした。

 帝塚山の印象は不思議なチームでプレスミスで背中を取られて失点を重ねるので、こりゃここからボコられるかも…と思ったら急に得点して追い上げるからメンタル的にタフなんだな…と思いました。

(県3部Aブロック第11~16節)
△3ー3奈良北高校
○3ー0奈良女子大附中等教育学校
●1ー5奈良クラブユース3rd
●0ー1香芝高校2nd
△3ー3奈良学園登美ヶ丘高校
●2ー4五條高校2nd

 9月以降のリーグ戦でも1勝と結果が出てないんだけど、これはプレスミスして失点してるんだろうな…と想像ができます。
 
 ただ後で気づいたんですが帝塚山は奈良北と奈良学園登美ヶ丘とも引き分けてるんですよ!
 この2校が直接対戦した試合も観戦していたんですが思っていた以上に両校の強度が高かったので、この2校との帝塚山の結果が気になって確認してみたら両校とも3対3で引き分けていたんです。

 何か守備をちょっと修正したら面白いんじゃないかな…と思いながら興味が出たので今大会は追いかけて見ようかなと思いました。

◼️生駒ブロック展望

 当該ブロックに合同チームが2チーム出場していて特に合同1には西和清陵や奈良南に日本教育学院が組んでいるので1回戦の奈良との試合は接戦になるかと考えています。

 でもどっちが勝ち上がって来ても2回戦は山辺との対戦になるので、さすがに当該対戦カードだと山辺が勝ち3回戦で生駒vs山辺がBest8をかけて闘う事になると思います。

 この3回戦屈指の好カードとなる試合で生駒が勝つのか?山辺が勝つのか?が当該ブロックの最大の焦点になると思いますが、ここで考えなければならないのは生駒が初戦で山辺が2戦目というところがカギだと思いまして、生駒はゴール前に放り込んで来る攻撃には強いけど、山辺の様にポジショナルプレーでビルドアップしてくる攻撃には弱いので、状況的に生駒は初戦で緊張する序盤で山辺が畳み掛けて得点出来れば、左ブロックは山辺が生駒に勝って準々決勝進出を決めると考えます。

 対して右のブロックは1回戦に登場する合同2チームは高円芸術と県商業なので、ここはさすがに郡山のポテンシャルで勝ち上がると思います。

 2回戦で勝ち上がった郡山と帝塚山との対戦になりますが1回戦と2回戦の間には中1日しかなくスタミナ的には帝塚山がめちゃめちゃ優位なんですよね…だからこの試合は郡山のポテンシャルが勝つのか?帝塚山の粘り強いメンタルが勝つのか?となりますが、希望的観測で守備を修正してきた帝塚山にスタミナ面でも優位に立って貰い勝ってほしいと考えている自分がいます。

 この2回戦で勝った高校と3回戦では高田商業の対戦となりますが当該対戦カードになると高田商業の方が一枚上手なので、高田商業のポジショナルサッカーなら郡山であれ帝塚山であれ守備を崩して得点を重ねる可能性が高く準々決勝に進出すると考えます。

 そういう訳で生駒ブロックの準々決勝は4シードの生駒が早々と敗退して山辺vs高田商業になると予想しており、この対戦カードになると両校ともポジショナルサッカーしてくれるのでめちゃめちゃ面白いゲームになると思います。

 でも山辺は試合によって攻守に渡り好不調の波が大きすぎるので、攻守の安定度から考えれば当該ブロックを代表して準決勝に進出するのは高田商業と考えるのが妥当だと思うため、個人的な生駒ブロックの大会展望としては高田商業が準決勝に勝ち上がると予想しました!

 ほとんどの人が生駒の準決勝進出が間違いない!と予想するところを生駒ブロック8校中6校を観戦しているからこそ、組合せからの相性も考慮して考えられる大胆な大会展望と勝ち上がり予想はいかがでしたでしょうか!

 今回も5,000字を超える長文になりましたが最後まで読んで頂いてありがとうございました!

 出来ればシェア等ご協力のほど何卒よろしくお願い致します!



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