2024年1stシーズン奈良県高校サッカーTOP10戦評~NFAリーグ1部~
4月6日(土)に開幕したU18年代の奈良県サッカー協会主催リーグ(NFAリーグ)が、6月末で一旦1stステージ(第9節)を日程消化して真夏の中断期間に入りました。
あっという間の3ヶ月間…この期間途中にインターハイ予選のため中断期間もありました。
まずは1stステージの結果は下記の通りです!
こうして見ると今まで県内強豪と言われていた一条、山辺、五條、香芝、橿原と言った高校の黒星が目立ちますね…
県2部リーグ上位3チームが県1部の2ndチームという事で、事実上2024年シーズン県内トップ10は県1部の10チームと言っても過言ではないと考え今回のnoteに書きました。
①奈良クラブユース
何と言っても今季は予想を上回るほど昇格してきた奈良クラブユースの圧倒的な強さを見せ付けた印象が強いと感じました!
得点差以上に県内トップの高体連チームとのレベル差を感じ見事に9戦全勝ターンとなりました。
対戦した高体連チームも奈良クラブユースに対して、ボールをなかなか奪えない…奪っても即時奪回される…守備を固めても崩される…といった事を感じたと思います。
日程が消化されるにつき現地での対戦チームの親御さん達が、口を揃えて全然レベルが違う…という声を聞くことが多くなりました。
高体連チームとの一番の違いは縦へのスピード勝負だけに頼らないといったところでしょうか…
緩急というかボール循環から対戦相手の守備ブロックの綻びを見付けたら、縦パスを刺して一気に攻撃のスイッチを入れて、加速してくるところが大きく違います。
ガンガン攻めて大量得点を狙う感じではなく、ボール保持したら再現性のある攻撃をするため、ビルドアップからシュートまでを1つ1つ確かめるかの様に、丁寧に攻撃して確実に加点していこうとう高い意識を感じがしました!
勝つだけで満足する事なく県外強豪にも対抗できる様に、上を目指してゲーム内容にも拘ったチームだと思います。
②畝傍高校
今季は県内の高体連では奈良クラブユースに続くポジショナルサッカーを確立していたのは畝傍高校だと思いました。
インターハイ予選では準々決勝で優勝した生駒高校にゲーム内容では圧倒しましたが、延長戦の末PK負けにより全国大会出場はなりませんでした。
聞くところによると主力メンバーの3年生数名が引退せず残って選手権予選を目指すと知り、今からでも選手権予選が楽しみになってきました。
リーグ戦中断明けの奈良育英高校戦と奈良クラブユース戦を観ましたが、まだまだインターハイ時のクオリティには届いていないものの選手権予選ではプレーのクオリティも上げて来るのではないでしょうか!
③奈良育英高校
近年の県大会はことごとく制覇して奈良県王者に君臨してきた奈良育英高校が、手堅い保守的なサッカーをする事によりリーグ戦では奈良クラブユース、畝傍高校の後塵を拝する事になり、インターハイ決勝では生駒高校に敗れて、選手権予選までに立て直しが必要なポジションに立たされました。
ただインターハイ決勝で敗れた事がキッカケになったのか、インターハイの中断期間から再開後リーグ戦3試合では、それまでの手堅いサッカーを捨てボールを積極的に動かして、縦横無尽に攻めるスタイルを見せる様になりました。
こういうサッカーを体現できる様になれば王者復活も近いのではないかと思います。
2ndシーズンの奈良クラブユース戦を楽しみにしたいと思います。
④生駒高校
今年のインターハイ奈良大会を制覇した生駒高校です。
リーグ戦も序盤3連敗こそあったものの直近5戦は無敗で4位まで浮上してきています。
ただし上位3チームとの実力差を正直感じており、逆に5位以下の6チームとの格差も開いてきているので、生駒高校は4位という県内トップ10の中で浮いた中間的存在の様に思います。
そう思うのはゲームスタイル的に奈良クラブユース、畝傍高校、奈良育英高校より攻撃力が劣っているなということが否めないからです。
アタッカー陣の単騎仕掛けが多く見受けられて、対戦相手チームに組織的に守られると攻撃の再現性は正直乏しいからです。
インターハイ初戦ではプレミアリーグEASTの青森山田高校と、プリンスリーグ北海道の旭川実業高校の勝者と対戦できるという…こんな滅多にないチャンスを生かせる機会が出てきました。
全国トップクラスの実力校との対戦で今後奈良県の代表常連校として全国大会で通用するため、生駒高校には攻撃面で何を取り入れないといけないのか…を気付いて選手権予選に繋げてほしいです。
⑤橿原高校
今季昇格組の橿原はリーグ戦を4勝5敗と頑張って上位にくらいついてはいますが、上位4チームには完敗しており4位と5位の差は大きく攻守の面で劣後していると思います。
県大会Best8と県1部リーグ残留が目標というのなら、このままの状態で行き当たりばったり的なゲームスタイルでも十分だと思います。
もし上位4チームに一泡吹かせたいのなら、リトリートしての守備ブロックの構築と、カウンターアタックで走るルートを把握して秋以降の公式戦に準備したいところです。
⑥香芝高校
かつては選手権大会では県代表に登り詰めた香芝高校ですが、近年リーグ戦では残留争いが続き、県大会は上位進出(今季インハイはBest8でしたが…)がめっきり減った印象です。
県大会だと試合前の全員円陣で多くの部員がいるのを見かけるので、他チームと比べると選手層的には羨ましい限りだと思います。
ただ良いビルドアップを見せる時もあり、ポテンシャルはあると思うのですが、再現性がないという事は偶発的に上手くいってるだけで、サッカー理解度が不足しているのかもしれません。
逆にサッカー理解度が上がると化ける可能性があるチームだと思っており、選手達に戦術を落とし込めると面白くなると思います。
⑦山辺高校
スタイル的にはサッカーアカデミーのチームということもあり、ポジショナルなサッカーで攻撃パターンはいくつも持っているんですが、どうもプレスバックが遅れるというか…ボール失った時に即時奪回が出来ずショートカウンターで失点するパターンが多いのかな…という印象が強いです。
そのため、リーグ戦でも23失点と他チームより比較的多く、トーナメントの県大会でも上位進出が難しい状態になってきました。
まずは守備からテコ入れして立て直して行けば、この閉塞感は一気に道は開ける気がしています。
選手権予選までには守備力を強化して、チーム全体のコンディション上げて生きたいところです。
⑧一条高校
毎年リーグ戦は上位争いする一条高校も、今季は開幕から3連敗とスタートから躓き前期リーグを降格圏の8位と低迷しました。
従来ポジショナルサッカーを繰り広げる一条なんですが、観戦した試合では中盤を上手く活用できなくて苦しんでいました。
ただ第9節の橿原高校戦では中盤を使ってビルドアップ出来る様になっていたので、後期リーグでは巻き返して浮上してくる可能性はあると感じました。
そして選手権予選では上位進出を期待したいところです。
⑨天理高校
今季はリーグ戦では一条高校戦の1試合しか観戦できてないのですが、その時の印象だと典型的な『高校サッカー』だと思いました。
自陣に引いて守備ブロックを組んで、ボール奪えばロングボールを使ってのカウンター勝負で、得点を狙っている様な印象が強かったです。
しかし、県1部リーグの強度だとそれだけではなかなか得点も出来ず…前期9試合で4得点とリーグ最少得点なっています。
それでも先制した山辺高校戦と五條高校戦では、確実にクリーンシートで勝ち切り2勝している点は、守備力で県2部のチームを上回っていると判断して、県内トップ10には入れても良いと思います。
⑩五條高校
五條高校も4年前にはインターハイと選手権で全国大会に出場した栄光を持っていますが、ここ数年リーグ戦では結果を残せずギリギリ県1部リーグに残留している状態が続き、今季も前期9試合を1勝7敗1分の最下位と低迷しました。
インターハイ予選前までは個人戦に執着した様な狭いスペースで、密集戦を繰り広げていたのでこの結果は仕方ないと思います。
しかし、インターハイ予選ではピッチを広く使える様になりBest4に進出していたので、後期リーグでの巻き返しは十分期待出来ると思います。
総括
県内トップ10は奈良クラブユースがプリンスレベルで飛び抜けておりダントツで、第2集団を畝傍高校と奈良育英高校が競っている状態だと考えます。
第3集団は生駒高校オンリーで上位3チームに追いすがる事が出来るのか?というところです。
第4集団は後期リーグで順位が入れ替わる可能性があり、橿原高校、香芝高校、山辺高校、一条高校、五條高校が横一線で、天理高校が第4集団の中に続いていけるかどうかの立ち位置になると思います。
【県内トップ10イメージ】
奈良クラブユース
⬇️
畝傍高校・奈良育英高校
⬇️
生駒高校
⬇️
橿原・香芝・山辺・一条・五條
⬇️
天理高校
以上、県内トップ10を戦評させて頂きました。最後まで読んで頂きありがとうございます。