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U16奈良県ユースサッカー2024選手権~準々決勝観戦記~


 いよいよ決勝ラウンドに入り9月1日(日)に予選ラウンドを突破した8チームによる準々決勝が開催されました!

予選ラウンド戦績表
決勝ラウンドトーナメント表

 準々決勝の結果は上記の通りで4試合を観戦したのですが雨が降ったり止んだりでメモが取り辛かったので簡単な観戦記しか書けませんがnoteに残しておきます!

◼️準々決勝観戦記

① 五條高校 vs 一条高校

 第1試合は1年生大会ではポテンシャルを発揮して毎年強さを見せる五條高校と、近年タイトルから遠ざかって復活をかける一条高校との対戦でした。
 試合前のアンケートでは予選ラウンド1位突破の五條高校が優位という結果になりました。

 まず両チームのスタメンは下記の通りでした!

五條高校スタメン(1-4-4-2)
一条高校スタメン(1-4-4-2)

 両チームともお馴染みのオーソドックスな1-4-4-2システムで攻守に渡りバランスの取れた安定感重視の戦略なんだと思います。
 ハーフタイムに前半の印象をポストしたのがこれです!

 このポストを解説すると五條がDFラインでボール保持している時、一条はミドルブロックを組んで五條がミドルサードに侵入して来てからプレッシングに行くという感じでした。
 そのため、五條がDFラインでボール持つと時間があるのでドリブルしながら縦パスを出せる選手を探していましたが、受け手のポジショニングが悪いのか効果的な縦パスは入っていませんでした。
 上手くいかない要因はボールを捏ねながら探しているため一条ブロックをスライドさせれず、これはDFラインでボール循環して一条ブロックをスライドさせた上で、受け手側が選手間やライン間に顔を出しやすい状況を作る必要があったかと思います。
 結局はビルドアップ出来ずに前線選手のタレント力に頼ろうとし過ぎる単調な攻撃では決勝ラウンドで得点していくのは難しいと感じました。

 逆に一条は五條にハイプレスを掛けられてDFラインに時間がないため余裕なく、ロングボールを両サイドコーナー付近へ蹴るも精度が低いためSHが上手く裏を取れなかったり、手前の五條ブロック内に落ちてセカンドボールを回収されて一条も五條と同じく効果的な攻撃には至りませんでした。
 一条は他にも大きなサイドチェンジも使って幅を取ろうという試みも見られましたが、こちらも五條にセンターラインを遮断されていて縦パスも上手く通せませんでした。
 もうこれはポストにも書いたのですが後半から一条は五條DFラインへハイプレスを仕掛けてアグレッシブにゲームを動かせた方が良いかな?って考えました。

 すると後半になると一条もハイプレスを仕掛ける様になり五條も前半の様なDFラインでの時間を作れるなり慌てたボール循環も増え出しました。
 こうなると一条は五條から前線でボール奪ってのショートカウンターが見られる様になり得点の匂いが少しずつ見えてきました。
 その代わり五條の前線はタレント力があるため一条が前掛かりになってくると、五條はロングボールでひっくり返してカウンターチャンスが作れる様になり、いよいよゲームが動きそうな気配がしてきました。

 しかし五條はカウンターチャンスを得ても真っ直ぐ縦に加速させず、サイドからセンターへカットインする様なドリブルを挟んでしまうため、一条の帰陣が間に合ってしまい決定的なシーンを作れないのが垣間見られました。
 そしてこのポストを作っているうちにゴールシーンの経緯を見逃して、一条が五條ゴールを抉じ開けボール押し込む瞬間だけ見てしまい、どうやって入ったのか見逃したのは残念でした…

 結局この1点を守りきった一条が五條を敗り準決勝進出を果たしました。
 五條によく有りがちなのですが選手のタレント力に頼った攻撃だと、対戦相手に組織的な守備を取られると抑え込まれる事が多々あるので、再現性ある連動した攻撃をチームとして落とし込むことが課題だと思います。
 一条はハーフタイムで前半と違うプランに後半から変更したのが功を奏して、このあたりはさすが伝統校だけあってサッカー偏差値は高いなと思いました。

② 奈良クラブユース vs 畝傍高校

 第2試合は昨年の大会で圧倒的な強さを見せつけて優勝した奈良クラブユースと、近年一気に県内トップレベルの強豪校にまで踊り出た畝傍高校と実力派同士の対戦となりました。
 両チームとも個人的に大好きなポジショナルなサッカーを展開してくる最近推しているチーム同士の勿体ない対戦となりました。
 しかし、事前アンケートでは圧倒的に奈良クラブが優位という下馬評で、畝傍がどこまで奈良クラブに対抗できるかが見所となるゲームでした。

 まずは両チームのスタメンとシステムからチェックしていきます。

奈良クラブユーススタメン(1-4-1-2-3)
畝傍高校スタメン(1-4-4-2)

 奈良クラブは1-4-1-2-3の従来システムで普段通りの闘い方でこの日の準々決勝を臨んできましたが、逆に畝傍はいつもの1-4-1-2-3ではなくシステム変更して1-4-4-2と攻守のバランス重視で奈良クラブを迎え撃ちました。
 しかし、キックオフすると前半から奈良クラブが畝傍を圧倒する展開が待っていました。
 奈良クラブはFW49番の献身的なプレッシングから始まり両WGの連動性のあるハイプレスで畝傍からボール奪取して攻撃に転じられるし、畝傍がロングボールで陣地回復を狙うもあっさりボール回収して、DFラインのボール循環にIH36番の高さの調節も加わり、2列目からのインナーラップにスルーパスを使ったり、ボールサイドからファーサイドの展開でフリーの選手を作るなど、いろんな再現性ある決定機のシーン創出を繰り返し圧倒的な攻撃パターンを魅せていました。
 そしてアンカー30番が攻守の要となりチームを牽引していました。
 これはクラブメソッドで全員のサッカー理解度が高く、どんなシチュエーションでも選択するプレーの答えを持っており、それを表現できる各選手はU16で既に完成形に近いチームとしてゲームを支配していました。

 これが前半途中で早々と奈良クラブが3得点したあとに気持ちが漏れたポストで言葉にならない感じが理解頂けると思います。
 畝傍もハイプレスを仕掛けてましたが単発で連動性がなくあっさり奈良クラブDF陣に剥がされてしまい、例え上手くボールを奪えても奈良クラブのプレスバックに負け即時奪回されていました。
 畝傍としては上手い選手を集めていると思うのですが今大会に向けて作った即席チームでは、組織的な闘い方は難しく正直後半に向けての立て直しは厳しいと思いました。

 上記のハーフタイムに投稿したポストでは前半で勝負あった感が満載でした。

 後半に入ると勝負度返しで畝傍は従来の奈良クラブと同じ1-4-1-2-3にシステム変更して真っ向勝負を挑んで来たように見えました。

 しかし奈良クラブは容赦なくカウンターで後半立ち上がりあっさり追加点を奪う強さを見せて、ここからはメンバーを大幅に交代させていきゲームを流しクロージングしていく形となりました。

 スコア以上に圧倒的な強さを魅せた奈良クラブユースが準決勝進出を果たして第1試合で勝った一条高校との対戦となりました。

③ Diablossa高田vs高田商業高校

 この試合はオール高田プロジェクトとして大和高田市の地域あげてのプロジェクトで近年共に強化活動しているチーム手の内を知ったもの同士の対戦でした。
 事前アンケートでは予選ラウンドを唯一の全勝突破のDiablossa高田FCの方が下馬評は高かったです。

 そして両チームのスタメンは以下の通りです。

Diablossa高田FCスタメン(1-4-4-2)
高田商業高校スタメン(1-4-4-2)

 Diablossa高田FCは息子がお世話になっていたチームでもあり個人的にも頑張ってほしいクラブであります。
 当時は1年生大会でもBest4常連チームでしたが近年はメンバーも揃わず、あまり良いシーズンを送っているとは言えませんでしたが、今大会は予選ラウンドを全勝という事もあり否が応でも応援しない訳にはいきません。

 しかしキックオフと同時に雨が強まり全くメモが取れない状態になってしまい、前半戦は両チームの布陣をスマホに残すのに精一杯でほとんどコメント残せていません。
 元々Diablossa高田は足下のテクニックを生かした局地戦を好むゲームスタイルなので、どうしてもサッカーの戦術としては個人vs個人になりがちで組織的な闘い方にはなっていませんでした。

 その思いは奈良クラブユースの試合を観たあとだっただけに上記の様なポストになってしまいました。
 Diablossa高田は高田商業に幅を使われて広げられてしまうと、やはり守備網が緩んでしまい決定的なピンチを迎えるものの、足下のテクニックでは優位に立ち高田商業ゴール前でワンツーを使っての抜け出し等で決定機を作り、前半にPKで先制してゲーム事態は主導権を握って後半も追加点をあげ快勝の雰囲気さえありました。

 しかし終盤にプレスバックの遅れで高田商業にカウンターから得点を許すと一気に崩れ始めるところは課題だと思います。

 終わってみれば辛勝となり準決勝で対戦する奈良育英戦を考えると今と同じ局地戦ばかりでなく、勝てないまでも何か次に繋がるステップを踏んだ闘い方は見せてほしいなと思います。

④ 奈良育英高校 vs 生駒高校

 近年の両校トップチームは県大会の決勝カードが定着しつつあり常にライバル対決となっています。
 そういう意味では今大会の様な1年生大会での直接対決は2年後のインハイ・選手権を見据える前哨戦とも言える対戦で楽しみにしていました。
 それでも事前アンケートでは奈良育英が生駒を圧倒しており、今年の1年生は奈良育英の方がポテンシャル高いのかなとも考えました。

 まずは両チームのスタメンはこの通りです。

奈良育英高校スタメン(1-4-4-2)
生駒高校スタメン(1-4-4-2)

 この両校も普段通りの1-4-4-2のシステムを組んで来ました。
 余談ですが奈良県は県内強豪校と言われるチームもほとんど1-4-4-2のBOX型で県内で定着しており、当該システムが攻守のバランスが一番取れているし中学時代から当該システムで育ってきた選手もほとんどだと思うので、高校でも当該システムを使う方がすんなりチームとしては使い勝手が良いのかもしれませんね!

 この対戦カードは均衡したゲームを予想していましたが、ゲームは一転して奈良育英が圧倒する展開で、前半ウォーターブレイクまでに奈良育英がCKから早々と2点を奪い主導権を握る展開となりました。

 上記ポストにある通り前半戦の奈良育英はハイプレスを仕掛けてボール保持しようとする生駒DF陣を窒息させ、ドリブルで潜り抜けようとするMF陣からも中盤でボール奪取すると、一気に外⇒外もしくは中央⇒中央と縦に速い攻撃を展開して生駒をゴール前に押し込み圧倒しました。

 こういう展開の時こそ生駒高校にはインハイ決勝で見せたロングボールの徹底が必要かと感じて上記の様なポストをしました。
 後半から活路を見出だすのならロングボールの活用しかないと考えました。

 しかし生駒はプラン変更なく前半戦と同じ様な闘い方で後半ウォーターブレイクまでに奈良育英に追加点を許し万事休す…好ゲームを期待していたが予想に反して奈良育英の大勝となりました。

◼️準決勝試合展望

① 一条高校 vs 奈良クラブユース

 準々決勝を観た限り奈良クラブが圧倒的に優位としか言えないのですが、どうしても一条が活路を見出だす為に奈良クラブのハイプレス対策が必要だと思います。
 五條のハイプレスにも前半苦しんだ一条なので、奈良クラブの連動性あるハイプレスは更に厳しく簡単にはロングボールも蹴らせてくれないと思います。
 ここを攻略するにはリスクがあるけど自陣ゴールラインまで奈良クラブのハイプレスを引っ張り込む必要があると思います。
 そうする事で奈良クラブDFラインと前線ラインを間延びさせる事が出来るので、一条としてはプレッシングしてくる選手の背中にあるライン間スペースをボランチが抑える事が可能になります。
 このポジショニングをボランチが取れれば縦のショートパスで受けて前を向けるはずで、そこからロングボールで奈良クラブDFラインを一気に押し下げる事が出来ると思います。
 これが出来れば奈良クラブ陣内でのセットプレーを得るチャンスも出てくるので得点する可能性も出てきます。
 もう今の段階ではこれぐらいの対策しか取れないぐらい一条と奈良クラブでは実力差があり如何に失点せず60分間の針を回すかに掛かっていると思います。
 奈良クラブ側とすれば普段通りのサッカーで一条DF陣を窒息させて一条ゴール前を崩せれば序盤から得点する事が出来きて終始ゲームの主導権を握って押しきるでしょう。

② Diablossa高田vs奈良育英高校

 この試合も準々決勝を観たゲーム内容では奈良育英が圧倒的に優位だと思うのでDiablossa高田が現時点でやれる事を考えていきたいです。
 奈良育英は縦に速いサッカーでプレスバックが遅れると致命的なので、Diablossa高田は局地戦に持ち込んでボール失った時には即時奪回できるかに掛かっており、もし出来なかったら奈良育英に縦へ速攻されプレスバックが間に合わず、あとはGK頼みとなり何とかこれだけは避けたいところです。
 奈良育英は生駒戦の闘い方を継続するだけで優位にゲームを進めれると思いますが、もしDiablossa高田の個人技でハイプレスを剥がされる様でしたら逆にボールを持たせてミドルブロックを組むのも手だと思います。
 本来なら局地戦に強いDiablossa高田には寄せて広げるビルドアップも試みてほしいところで、奈良育英の外⇒外もしくは中央⇒中央の速攻パターンの攻撃には効果的だと思います。
 何はともあれ前半で奈良育英が勝負決めてしまう可能性も高いゲームですが、Diablossa高田には奈良育英のプレッシングに捕まらず如何に剥がして勝機を見出だすのか楽しみです。

 簡単ではありますが準々決勝の観戦記と準決勝の展望を最後まで読んで頂きありがとうございました。
 今回のnoteも読んで良かったらシェア拡散よろしくお願いします!

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