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高円宮杯Uー18サッカーリーグ2023~奈良県(NFA)リーグを振り返った!~


2023年12月23日(土)の県2部リーグ昇格プレーオフが終了して、2023年度の奈良県(NFA)リーグの全日程が終了したので、今季の県リーグの印象を振り返っていきたいと思います。


◼️県1部リーグ

最終戦績は下記の通りです。
奈良育英高校が得点力にものを言わせて優勝しましが、リーグ戦を終始独走していた印象だったので、結果的に準優勝の山辺高校とは勝点3差やったのは意外なくらいでした。

県1部リーグ最終戦績

この奈良育英高校と山辺高校の2校は、奈良県代表として来季2024年度プリンスリーグ関西2部への昇格プレーオフに参加しましたが、下記の通り両校とも惜しくも初戦敗退で来季も県1部リーグに残留する事になりました。

プリンス関西2部昇格プレーオフ結果


ご参考に昇格プレーオフのハイライトをnoteに書いたので添付しておきます。
今年もまた関西の厚い壁に跳ね返された奈良県代表2チームでした。


そして、昇格プレーオフの結果を反映した県1部リーグの最終順位は8位の香芝高校までが残留し、法隆寺国際高校と奈良学園高校の2校が来季県2部リーグへの降格が決まりました。


今季は県1部リーグは17試合しか観戦できてないですが、チーム別には香芝高校と奈良学園高校を除いては万遍なく観戦できたかと思います。
でも香芝高校に至ってはインターハイ予選と選手権予選の奈良育英高校との試合を両校とも観戦したので、ほとんど観てない訳でもありませんが…


【奈良育英高校】

リーグ全体を見ると奈良育英が私立校で選手数も多いという事もあり、ポテンシャルの高い選手が集まっていると思いました。
そのため、リーグ戦は観る試合ごとにスタートメンバーを変えてくるカメレオンみたいなチームで、場合によっては前後半でポジションをローテーション来る事もよくありました。
そういう意味ではリーグ戦という勝負のかかる公式戦でも、選手同士の競争と最適なポジションを模索している様でした。

リーグ戦では一番多い5試合を観たのですが、インハイ予選前までは10番をFWに起用するケースを試していた様に見えて、あんまり上手くいかずハーフタイムでIHに下げると後半から得点を重ねる試合でした。
それもあってかインハイは10番をIHで出場させていましたが、8月末から再開したリーグ戦後期から10番をLSHに固定してポジションを確立した様に思いました。
良くも悪くも10番のチームで彼が機能しない若しくは出場しないと、五條戦や法隆寺国際戦の様に終盤までリード許す苦戦を強いられましたが、最後は負け試合を同点まで持ち込む底力を感じて、その勝負強さが選手権予選のくじ運の悪いの中でも見事に勝ち上がり3連覇を果たせたと思います。
1シーズンでいろんなパターンの組み合わせで公式戦を戦った事により、劣勢の中でもゲームを立て直す力を身に付けたと言っても過言ではないです。

ただ観戦していない生駒戦、山辺戦でゲーム内容は知らないけど共に完封負けを喫しており、よっぽど機能しなかったんだろうな…と思いました。
奈良育英はロングボールとセカンドボール回収から相手DF陣を押し下げて得点するケースが多く、相手が最初からローブロックを組んできたらどうなるのかな?という疑問はあったので、もしかしたら先制されてそういう展開に持ち込まれたのかも…と想像しています。

昇格プレーオフの滝川第二戦でもポストしたけど、奈良育英が幅と深さを目一杯広く使って相手DF陣をスライドさせれる様に課題を克服できれば、来季は更に攻撃の幅が広がり奈良県王者としての君臨は続くだろうと思います。

【山辺高校】

今季の山辺は不運というか何というか、インハイ予選も選手権予選もベストメンバーで戦えず一発勝負では結果を出せなかったものの、シーズン通して戦えるリーグ戦では準優勝という結果をしっかり出したあたりは、さすがサッカーアカデミーだなと思いました。
選手のポテンシャルが高く、県内の高体連では中盤のスペースを一番使えるチームで、左右両サイドに展開して幅を広げながらコーナー目掛けて深さも取るサッカーは、奈良育英より魅力的なサッカーだと思っています。

ただリーグ戦は春先の序盤しか観てなかったけどベストメンバーを固定して戦う様なチームだと見受けられて、アクシデント等で主力メンバーが抜けるとガタガタと調子を落とすのかな…とも思っています。
インターハイ予選は主力負傷によりその余波を受けたし、選手権予選では団体生活の弱点とも言えるインフルエンザにより一網打尽に合い、シーズン通せるリーグ戦で奈良育英の様にいろんな選手やシステムを試せていたら、そのピンチもサブメンバーでも乗り切れていたのかも…と思いました。

山辺も昇格プレーオフに敗れ来季の県リーグ残留が決まったので、来季はリーグ戦通じて選手の経験値を上げて、奈良育英のライバル校になれる様にチーム全体の底上げを目指してほしいと思います。

【一条高校】

リーグ戦は最少失点チームとして何とか3位に食い込んだものの、攻撃面では奈良育英、山辺と比べてかなり見劣りしていた様に思いました。
両WGに脚がある選手がいないため、中盤を経由してタメを作ってから加速して相手DF裏へ飛び出してゴール前に折り返したいところが、どうしても中盤のポジショニングが悪いため空洞化しやすく、前線にボールを入れても相手にセカンドボールを回収されてしまうなど、前線とDF陣が分断される悪い癖がシーズン通して改善出来なかった事が苦戦の要因だったと思います。

これは中盤でボール持てるポテンシャルの高い選手が不在なのか、それとも単に怖がってボールを受けられないのか、一条の県内王者復活には中盤スペースにおけるポジショニングの改善は、避けて通れないポイントとして来季以降の課題となりそうです。
そのためリーグ戦後期で観戦した下位の奈良学園戦では中盤を使えていたのに対して、守備強度が上がる相手との対戦になると途端に技術不足を露呈してしまう羽目にあったと思われます。

【畝傍高校】

今季は新年早々の新人大会優勝で大いに期待できたシーズンで、リーグ戦序盤で魅せた選手のプレークオリティも高くて上位争いの可能性は十分垣間見せました。
しかしながら、進学校の宿命かインターハイ予選敗退のあと3年生が引退して新チームになってからは、選手層の薄さを露呈して明らかにチーム力を落としてしまい、上位争いからは早々と脱落して失速してしまいした。

畝傍の選手はサッカー理解度も高いので、どちらかという課題は実質2年間という短い現役選手としての活動期間の短さなんじゃないのか?…と思えてきます。
チームとして勿体ないと言えば本当に勿体なくて、畝傍でサッカーして全国大会を目指すと決めた以上は、計画的に学業とトレーニングを両立させる覚悟を持って3年間現役を全うしてほしいと思います。

これは実際に畝傍高校に通いながら11月末までDiablossa高田FCユースで現役選手を続け、国立大学に現役合格した選手を目の前で見せられらた者として、入学と同時にサッカーに対する覚悟を持って学業に取り組めば、決して達成できない事ではないんだと思っています。

【生駒高校】

今季の生駒もリーグ戦序盤とインハイまではしっかり堅守で戦っていたのですが、FWへのポストプレー主体の攻撃パターンに対策を取られたのか得点力不足で勝ち切れない試合が多かったです。
しかし、インターハイ予選以降になるとリーグ戦では山辺戦を観戦したのですが、ハイプレスを仕掛けるも山辺に引っ張り出される形となり、背中を取られては守備が崩壊するパターンで失点を繰り返しました。
それ以降のリーグ戦の試合は観戦して無いものの毎試合失点していて、選手権予選もほとんど2年生だったし、生駒もインターハイ予選以降に3年生が引退して新チーム化していたのを知りました。
リーグ戦はシーズン通して開催される公式戦なので、途中3年生が引退するチームが結果を残すのは残念ながら厳しですね。

【五條高校】

選手のポテンシャル的にはボールの持ち方やドリブルを観ていると良い素材持ってるな…と思うのですが、どうしてもチームとしては一人一人バラバラに感じるプレーとなっていると思います。
個々で勝てればまだゲームになるのですが、組織vs個人になってしまうと剥がされ失点を重ねてしまいます。
昨季も今季も同じような個人頼みの行き当たりばったりの戦い方では、昨今実力均衡してきた県1部リーグの中でコンスタントに結果を出すのは難しいレベルになっています。
インターハイ予選は準優勝だったと言われるかもしれませんが、これは短期決戦な上で70分ゲームという試合時間も短いレギュレーションにも助けられた所はあると思いますし、インターハイ予選も選手権予選も得点力不足で苦しみました。

【天理高校】

天理高校に到っては県1部リーグに残留できるサッカーでは無いと観戦した試合では感じていたのですが、3年生が引退せずリーグ戦最終節まで残って現役を続けたのか詳しくは知らないのですが、後期になると粘り強く勝点を積み重ね自力で残留を勝ち取った印象です。
そう思うと3年生にはインターハイ予選で引退するのではなく、リーグ戦最終節まで現役選手として責任を全うする事で選手として、得られる事が多いのだな…と感じさせてくれたチームでした。
来季はチーム事情でリーグ戦に参戦するのかどうかは不明ですが、もし参戦するのなら応援したい好感を持てるチームだと思います。

【香芝高校】

香芝高校をリーグ戦で観戦したのは五條戦との1試合のみで、どちらかというとインターハイ予選と選手権予選の、共に奈良育英戦での印象に引っ張られてしまっているかもしれませんが、五條と同じく選手のタレント力で戦っていた印象がとても強いです。
だからなのか香芝も昨季も今季も県1部リーグの残留争いに巻き込まれており、これまでの様な選手個人のポテンシャルだけでは勝てない時代になってきたんだと思います。

【法隆寺国際高校】

法隆寺国際は意外にリーグ戦での観戦数が多くて奈良育英と同じ5試合も観戦しました。
ゲームスタイル的にクラブチームの様なサッカーをするな…という印象が強くて、五條や香芝と比べてちゃんとサッカーしているな…というチームでした。
例えば中盤からサイドへの展開から前進とか、スペースあればCBもドリブルで運んでサイドコーナーへ走るWGへのロングフィードとか、普通に上手いなって思いました。
ただ前線にスコアラーが不在で得点力不足は否めないところはありましたし、メンタルにムラがあるのか失点が続くと歯止めがきかないところはあったかもしれません。
それが来季は県2部リーグへの降格に繋がったのだと思います。

【奈良学園高校】

観戦数は少なく簡単になってしまいますが、リーグ戦序盤は県1部リーグに旋風を巻き起こして勝点を積み上げて上位争いを繰り広げていました。
しかし、インターハイ予選が終わって3年生が引退してからは全敗という結果に終わり、新チームで県1部リーグを乗り切れるぐらいのチーム力は無かったのかなという印象です。

■県2部リーグ

最終戦績は以下の通りです。
今季昇格してきた奈良クラブユースが圧巻の18戦全勝とリーグ全体を圧倒して、県2部とは言え2位の奈良育英高校2ndと勝点15差は、例え県1部のチームでも出来る芸当では無いと思いました。

県2部リーグ最終戦績

奈良育英高校Topチームがプリンスリーグ関西2部へ昇格できず県1部に残留したため、2位の奈良育英高校2ndは県2部に残留となりました。
それに伴い県3部Aブロック優勝した奈良育英高校3rdも、県2部へ昇格できず県3部に残留となったため、降格圏だった8位の高田商業高校が県2部に残留となりました。

県2部リーグの試合観戦がDiablossa高田FCユース中心に観ているため偏ってしまいました。
その次に奈良クラブユースのスペインスタイルのサッカーが、正に『これぞ!THE フットボール』だったので興味深くて、県1部クラスの橿原高校と郡山高校との試合を中心に追いかけました。

【奈良クラブユース】

奈良クラブユースのサッカーに魅了されたのは、下記に添付する3年近く読んでいる小嶋さんの『スペインサッカー研究所』を毎日読んで学んでいるんだけど、そこにあるサッカーの原理原則を忠実に体現しているチームで驚いたからです。
全国高校サッカー選手権に出場している強豪校ですら、奈良クラブユースの様な底から綺麗にビルドアップするチームなかなかありません。

県内の高校はどこも縦に急ぎ過ぎの慌ただしいサッカーなので奈良クラブユースと対戦する高校は、ピッチを大きく使われボールを展開されてバラバラに壊されるという感じになります。
だからと言って繋ぐだけでなく対戦相手の戦い方に合わせての戦術パターンを叩き込まれていると思うので、ほとんど攻撃パターンを持たない県内高体連では県1部の強豪校と言えども、対戦すれば厳しい状況に追い込まれるだろうなと容易に想像できます。
ここまで県内リーグ戦30連勝中らしくて県1部に昇格した来季が、いよいよ奈良クラブユースが県内で注目されるシーズンになると今から楽しみにしています。

因みにDiablossa高田FCユースの全盛期の時に感じたのですが、県内高体連の強豪校はクラブチームなんかに絶対に勝たせないと言わんばかりに各校包囲網で挑んでくるので、その分プレッシャーはかけられると思いますが、恐らくナラディーアが試合会場になる事も多いだろうからホーム優位で戦えると心配していません。


【橿原高校】

昨季まで県1部だった橿原高校はインハイ予選ベスト4、選手権予選ベスト8と高体連の中では強豪に位置するチームなのですが、奈良クラブユースとの対戦で何もさせて貰えず攻守に圧倒されて完敗していたので、チーム全体の評価として個人的にはそんな高くありませんでした。
来季は県1部に昇格復帰しますので、もう一度基準をフラットにして観戦してチーム力を再確認したいと思います。

【郡山高校】

リーグ戦前期までの郡山高校はボールを動かせる魅力的なサッカーを展開しており、恐らく3年生の主力選手のポテンシャルに依存したサッカーだったんだと思います。
奈良クラブユース戦の前期と後期の両方とも試合を観戦しましたが、新チーム以降は攻撃面の怖さは無くなってしまい、その影響か惜しくも得失点1差で橿原高校に及ばず県2部残留となってしましました。
郡山高校だけじゃないけど進学校はシーズン通しての戦力が整わないので評価難しいですよね。

【高田商業高校】

Diablossa高田FCユースとの2試合しか観てないのですが、その時は選手権準決勝で観たようなドリブルとかをする印象が全くなくて、最近になって知ったDiablossa高田FCと一緒に取り組む『オール高田プロジェクト』の効果が出だしていたのかな…と思いました。
来季以降の高田商業高校には注目していきたいと思います。


【Diablossa高田FCユース】

最後は推しチームで追いかけ続けてきた高田ユースですが、今季はメンバー11人に満たない厳しいシーズンとなり、そのため毎試合助っ人に下部組織のU15メンバーを借りての公式戦参加となりました。
U15メンバーにとって90分ゲームは厳しいため、上手くゲームを進めても終盤のスタミナ切れで失点し勝てない試合も続き最下位で降格となり、遂に来季は創設した2008年以来の県3部リーグに所属する事になりました。

来季は高田商業高校と共に活動する『オール高田プロジェクト』での取り組み効果を期待して、心機一転とばかり今後も応援していきたいと思います。

■県3部リーグ

最終戦績は以下の通りです。
Aブロックは奈良育英高校3rdが優勝して2位が大和広陵高校で、Bブロックは奈良クラブユース2ndが優勝して2位が奈良高校となりました。

県3部リーグAブロック最終戦績

そして各ブロックの2位チームによる県2部昇格プレーオフは、奈良高校が大和広陵高校に対して前半3点ビハインドからの大逆転PK勝ちで3位となり、来季の県2部リーグへの昇格を果たしました。

Aブロックの最終順位は下記の通りです。

奈良クラブユース2ndは県3部でも無双状態で優勝しました。

県3部リーグBブロック最終戦績

Bブロックの最終順位は下記の通りです。


■来季NFAリーグの展望

2024年度は遂に奈良クラブユースが県1部リーグに昇格してきた初年度として、奈良育英を始め県内強豪校が出揃う9校に対してどんな闘いを魅せるのか興味が高いシーズンになりますね!
因みにチームの並び順が上記の通りであれば奈良クラブユースの対戦順は下記の通りになります。

【参考】奈良クラブユース対戦順
第1節:山辺高校
第2節:奈良育英高校
第3節:香芝高校
第4節:生駒高校
第5節:一条高校
第6節:橿原高校
第7節:天理高校
第8節:五條高校
第9節:畝傍高校

いきなり開幕戦は山辺高校、第2節に奈良育英高校との対戦となり、今季リーグ戦の準優勝校、優勝校に挑む事になります。
本当に待ち遠しく楽しみでもあります!

その他にも一条高校に生駒高校の復権はあるのか?
強化指定校となった五條高校は戦術を駆使する事ができるるか?
畝傍高校は3年生がシーズンを通して戦えるのか?
山辺高校は3年連続プリンス昇格プレーオフに進出できるのか?
奈良育英高校の県1部リーグ連覇はあるのか?

などなど見所はたくさんあります。


県2部リーグは2ndチームが5チームあり2ndバトルの闘いも見所になると思います。

それ以外の法隆寺国際高校、奈良学園高校、郡山高校は県1部リーグへの昇格を期待できるチームですし、『オール高田プロジェクト』の高田商業高校にはDiablossa高田FCユースの分まで頑張ってほしいと思います。

以上、今年も何かと騒がせたポストもありましたが、いろいろと大変お世話になりました。
来年もよろしくお願いします!

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