「運動」はなぜ老若男女に必要なのか?
「健康のために運動しましょう」
と、ここ最近は頻繁に言われるようになりました。
なぜ運動が健康と深く関わるのでしょうか?
そもそも運動とは、
「速く走れる」「高く飛べる」「逆立ちができる」
あるいは
「ボールを遠くまで蹴れる」「速い球を投げれる」
といった「特別な能力」「スポーツ」に特化したイメージをしがちです。
けれども、実際はこのような能力だけでなく
「立つ、歩く、座る」
といった「日常生活に必要な動き」も運動に含まれます。
近年は「ロコモティブシンドローム(=運動器症候群)」、
通称「ロコモ」のリスクが話題に上がります。
(メタボと混合する人がいますが、メタボは「内臓脂肪症候群」です)
ロコモとは「日常生活の自立度が低下し、介護リスクが高まること」を意味するので、
・手すりがないと階段の上り下りができない
・なにもないところでバランスを崩して転倒してしまう
といった方は、ロコモを疑われます。
ロコモは介護につながり、介護は医療費を圧迫するので、
国としてもロコモを回避するために運動を積極的に行いましょう、と掲げています。
そして、現在はロコモのリスクが子供達にも広がっています。
「すぐ転ぶ」「しゃがむことができない」「腕をまっすぐ上げることができない」
など運動器に問題がある子が急増しています。
これらの何が問題かと言うと、
「覇気がない」「落ち着きがない」「根気がない」「姿勢よく座れない」「寝付きが悪い」
など、「運動器の問題」が「発育」にも影響を与えることです。
2013年の文科省調査(小学5年生対象)によると、
一週間の運動時間が「420分」、つまり一日60分は運動している子は30年前より増加している一方で、
一週間の運動時間が「0分」と答えた生徒は約50%いる、という事実です。
体力や運動量が二極化している、と言えます。
長々と書きましたが、結論としては、
・運動能力とは「運動・スポーツに関係する動き(走る、跳ぶ、蹴る)」だけでなく、「日常生活に必要な動き(歩く、立つ、座る)」も含まれる
・運動量が少なく日常生活に含まれる動きが低下すると、「ロコモ」のリスクや「発育」に問題が出る
・運動は「苦手だからしない」ではなく、「日常生活を送るために必要なもの」「からだの成長や健康のために欠かせないもの」と言える
これらがわかると、
「健康のために運動は必要だ」
「健康だけでなく、子供達の発育や高齢者の自立した生活にも運動は必要だ」
と理解できます。
2020年は外出制限などで室内で過ごす時間が多いと思いますが、
運動量は低下しないようにできることから始めていきたいですね。
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