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ミニ四駆を科学する#03軽量化効果を検証

今回は前回の重量に引き続き、実際に軽量化するとどの程度効果が得られるか実走テストで検証してみようと思います。

◇重量影響の検証方法
#01で紹介しているノーマルのエアロアバンテと自作テストコース(テクニカル&オーバル)を使い、ラップタイムを計って比較します。

まずは重量以外の要素の影響を最小限にするため、シャーシとボディの隙間にコインを乗せることで重量を意図的に増して寄与度を調べます
こうすることで空力、ボディ剛性といった他のファクタからの影響を極力受けないようにできると考えました。重量配分はやむ無しですね。

一度バラして組み直したせいか?(グリス不足?)、あるいは使った電池が違うせいか?(充電はしっかり行っています)、ノーマル状態でのタイムが前回より遅い・・・差分確認が目的なので今回は特に気にしない事にします。
ウェイトとなるコインはボディの下に仕込むので空気の流れやボディ剛性にはほぼ寄与しません。

ウェイトとなるコインはボディの下に仕込むので空気の流れやボディ剛性にはほぼ寄与しない

◇重量UPによる実走テスト結果
想定通りの結果が得られました。重量増に伴いどちらのコースでもタイムが遅くなっています。概ねラップタイムと相関があるようです。
平均速度が低くS字コーナーなどで加速が頻繁に使われるテクニカルコースの方が重量影響が大きい結果となりました。オーバルでも効果は現れます。

ノーマルマシンにおける重量20g(17%)影響は5~7%のタイム影響でした。
この傾向から仮に30g軽量し規則最低重量90gにした際のタイムは、テクニカル5.0秒程度、オーバル2.3秒程度になりそうです。

重量を重くすると、ラップライムも遅くなる。グラフの実線は実測値、点線は線形近似。

◇実際に軽量化して確認
寄与度が予測できたところで実際に軽量化して効果を確認します。
軽量化は簡易的にボディパーツを外す形で再現し、ノーマル含む3種類を走らせラップタイムを計測比較します。
①ノーマル 120g
②ボディなし(ボディとボディ固定ロックのみ外す) 107g
③ボディ系全なし(ボディ,電池カバー,ディフューザー,リア補強外し) 98g

思っているよりも簡単に軽量化できました。最低重量(90g)まであと8g!?

『ボディ系全外し』は電池とモーターが落ちないように輪ゴムとセロテープで追加固定します

◇軽量化テスト結果
非常に面白い結果が出ました!!
②のボディ外しでは想定通りタイムは改善し、概ね重量増方向と同じ傾向オーバルは少し伸び悩みか?もしかしたら何か他の要因で速度の限界に近付いているかもしれない。この速度で空力?なのだろうか・・・??

98gの軽量化が台無し、まったく改善されず。何か要因があるハズ。

そして肝心の最軽量『③の全なしスペック』では22g 18%も軽量したにもかかわらず、どちらのコースもノーマル重量と同じタイムでした。明らかに傾向から外れていて腑に落ちません。
考えられるのは、床下カバー類やリア補強がないことによる
 ・車体剛性の低下
 ・床下風流れ悪化による空気抵抗増加
 ・電池、モーター固定があまく、電極の接触不良&ギアの噛合い不良発生

の何れか…
感覚的にノーマルの速度域で剛性不足が急に効くとは少し考えにくい。
②のボディ外しの結果を踏まえても空力悪化が支配的とも考えにくい。

そこでアレコレ考えている時、走らせる前に空中でマシンを保持した際、モーターの回転が鈍いような音の違和感がある事に気付きました。
つまりパワーユニットの拘束力不足が最も疑わしい
そう思い、不本意ですがセロテープでガチガチにモータと電池を固定し再度トライ!

だが結果は変わらず・・・
よくよくマシンを再確認すると。
セロテープではモーターを完全固定できていない事が判明 (x_x)!ショック

と言う事で、背に腹は代えられないので若干重量増(+2gでした)ですが、モーターカバーを兼ねるディフューザーのみ追加しリトライ!!
そしてようやく出ました新記録テクニカルで5.1秒!想定以上ですね。
一方、オーバルはやはり伸び悩み。軽量化ではクリアできない何か他の課題がある事が新たに判明!

テクニカルコースにおいては軽量化は非常に有効な改造と言える。軽さは武器!!

まとめ
軽量化はタイム向上に寄与する。しかも重量とタイムはほぼ比例関係
オーバルコース(もしくはある速度以上出ると?)では限界以上軽量化してもタイムは向上しない領域がありそう
モーター(電池も)の固定は電極の接触とギアの駆動力伝達上非常に重要。

今後はオーバルでタイムが伸びない理由を調査したいと思います。
モーターの最高回転数とギア比、空力影響、トラクション影響などの調査を検討中です。

早く高性能モーターに換装したり改造を加え速さを追求したいところですが、まずは基本をしっかり押さえようと思います
最後までお読みいただきありがとうございます!




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