見出し画像

Light ×books cairn exhibition

写真を見るというのは、撮った人が物事をどう見てるかを見る行為だと思う。

撮った人はこんな風に世界を見ているんだ。

何を思いながら撮ったのだろうか。
なぜこの箇所を取り上げたのだろうか。

dAb COFFEE STOREで行われているbooks cairnとLightのコラボレーティブエキシビジョン。

額装されている1枚の写真。
その真下には100枚の写真で構成されている本が置かれている。

写真の展示としては随分ぶっきらぼうだと感じるけど、その束になった本の(と呼んでいいか迷う)強さは、手に取った時にわかる。

手のひらサイズの束にされた写真は重さがある。
そのサイズ感と重さはナマモノ感が半端なく、その100枚は写真家の視点や感情を物質として持ってしまうようだった。


流れゆく景色
切り取られた街
妻や家族
私が知らない街の風景


いつも見ているはずのLightメンバーの写真。
壁に飾られている時と、この本になった時では受ける印象が違う。

ガラスの花瓶を持ってるみたいだな。
落としちゃいけないなとヒヤヒヤ感じたり、

いつもよりも眼差しがあたたかく感じたり、

違うというより、いつもより深いのかもしれない。

本という枠組みを超えたブックデザインと、それぞれの写真家の深い面を見れた気がして刺激的な展示だった。
写真ってヤツはよー。


別日に2回目を見た。
いろんな人の手を経て100枚の順番が入れ替わっていた。

それはそれで、この本のナマモノ感を際立たせて良いなぁ。生き物みたいだ。


LIGHT
新潟を拠点に活動する写真家3名、カンダアキラ、Takaaki Mizusawa、Tangoと2名のデザイナーで構成され、2016年より半年に1度、フリーペーパー「Light」の発行と展示を行なっている。

books cairn
フォトグラファーの小林茂太、グラフィックデザイナーの宮添浩司によるポップアップブックストア。cairnというモチーフから『痕跡・積層』をキーワードに、写真とブックデザインという領域で制作活動を行う。
『本』を、作者の思考の『痕跡』が『積層』したものと捉え、独自の出版物の制作、販売を行い、様々な場所でPOPUP(=出店)をすることで、その『痕跡』を残していくプロジェクト。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?