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【着ぐるみ小説】川伏市動物園恐竜舎②

 ティラノサウルスの着ぐるみを着て展示されるお仕事の話。

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 私が例の出張を経てもなおも着る意思があるのを知って、サヤカさんは喜んでいた。
 普段ビシっとしてる割に、こういうところは何と言うか可愛い系になるのは、非常にあざとく見えてしまう。

 とは言え、彼女は私を大事にしてくれる。
 着ぐるみが完成するまでの間にも、出勤実績を作るために恐竜の映画や映像作品を散々見たり、トレーニングの時間と称して、演技に関して少し見てもらったりもした。

 それでも時間が余れば、研修と言って動物を見て回って、他の動物がどうしているのかを見る機会を貰ったりしている。

 尤も、メディアやSNSで話題になるような動物園ではない。
 ゾウとライオンとカバとシロクマ……そんな感じの"ありがち"な動物園だ。
 檻が狭いだのなんだのと活動家からの攻撃を受けて、動物の種類を減らしつつ、動物の暮らす環境をよくしようと努力しているのが伺えた。

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