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【特殊メイク小説】鬼姫の里②

 鬼の特殊メイクをした女性達が運営する田舎のリゾート施設のお話し。

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 資金調達や様々な許可は、私の仕事だ。
 地元議員に顔が利くとか、銀行との折衝が得意だとか、金集めの方法を色々知っているとか――ベンチャーを立ち上げてからこっち、様々なところで学び、繋がっていった人や物事が、今になって活きてくるとは思わなかった。

 正直、そんなものはこの村に引き越してから、全く無用の長物だと思っていた。

 あれほどまでに華やかな人生を歩んだ人間が、突然ドロップアウトした。完全に駄目になってしまったと言われたのは知っている。

 私が三十路を境にそのような決断をしたのは、三十には死ぬという漠然とした想像があったからだ――三十にもなったら生きていられないだろう。
 これはむしろ願望であったかも知れない。

 学生時代から何から、確かにあらゆることは上手く行った。
 それでも心の何処かで満たされない何かがあったのだ。
 それが何なのかははっきりしていなかった。

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