【美少女着ぐるみ】もっと建設的な話をしよう

 建設的と言っても、世の中のイメージは最悪だし、そこで個々人が「自分は大丈夫」みたいなアピールしても仕方ない。
 そう言う個別の努力は長期的には意味があるかも知れないが、その長期って十年とか二十年じゃないだろうか?

 もう少しきちんと物事を考えて行動すべきではないだろうか?


差し当たりできること

①いらない議論をしない

 議論して結論が出る議論なら兎も角、君たち自分の溜飲下げる議論ばかりで、「じゃぁ、どうなる事がベストで、ベストに至る筋道としてその雑な議論はアリだと思ってるの?」と言う問いかけに答えられない人が多い。

 フェミニストが許せないと言うならご勝手にだが、君個人で戦ってくれ。我々を巻き込むな。
 そもそも論、「フェミニストの言っている事だから無視して良いのだ」と言うのは、「オタクが/変態が言っている事だから無視して良いのだ」と同じ自己中心的な価値観だ。
 相手がやっているから自分もやっていいと言う低い道徳観の人とは関わりたくない。

 何か指摘されたときに、冷静に対応して、こちらの問題なのか、あちらの問題なのかを区分けして議論できないなら、君がフェミニストを論破する事は出来ない。
 相手に罵詈雑言投げつけるのが気持ちいいというだけなら、今すぐスマホなりパソコンなりをたたき壊してネットに繋ぐのをやめてくれ。

②不確定な情報を書き込むな

 特に匿名掲示板なんかでもそうだが、真面目に対処しようとする人に冷や水を浴びせるような事や、個人的な好き嫌いであれこれ決めつける事は、有益な結論に至る事には絶対にならない。
 ただただ、ゴシップを好み、人を罵倒して、そして悪意を再生産して喜んでいるだけだ。
 そんなことは人間の質を下げる以上の事は出来ない。
 そう言う人間が適当な情報、それこそデマが含んでいたりする情報を流し込んでいたから、今まで美少女着ぐるみ界隈で統一的な見解とか正しいグリの方法が展開できなかったのだ。
 個人的な好き嫌いと、正しいかどうかの区別がつく大人になろう。

③内省する

 人間誰しも完全無欠ではない。
 必ず失敗しているし、完全に胸が張れる事ばかりではない。
 人にバレてないから大丈夫とか、周囲を騙し果せたから大丈夫とか、そう言う次元の低い感覚で綺麗事を語るな。
 ぶっちゃけ、ご立派な事を語っている人が、ウラで酷い事をしていると言うのは幾つか事例を知っている。
 とりわけ誰がどうという議論はすべきではないが、それ故にきちんと自分の事は自分の事として反省して、根拠もなく偉そうな事を言わないようにする。
 フェミニストだの当事者だの、若者や新規参入者の所為にする人が散見されるが、それで溜飲を下げているようでは、人間的な深みなど手に入るはずないのだ。

④センシティブな画像は隠す

 個人的な性生活に口を出すなと言うのは正論だが、世の中には弱り目に付け込んで人を叩くのが大好きな人間がいる。
 そんな人間に関わっても何一ついい事はない。
 特に版権キャラの場合、より問題になる事もあるし、それを権利者に凸る人も出てくる可能性がある。
 せめてセンシティブな画像などは消すか隠すかしてくれ。

⑤グリーティングは当面自粛する

 当面は騒動絡みで面白いと思っていじりにくる行儀の悪い人間が必ずやってくる。
 そしてそういう人間は自分の都合のいいように写真や動画を編集して面白可笑しく取り上げる。
 絶対に関わっちゃいけないし、ベストなのはそうならないように表で着ぐるみを着ないことだ。

 クローズドイベントか宅オフ、ホテルオフ、スタジオ撮影に限定した方が良さそうではある。

⑥SNSはほどほどに

 別に疚しいことがないんだから鍵とか閉鎖とか必要ないだろうと言うのは確かだが、先に言ったように行儀の悪い人間が突っかかってくるリスクは常にある。
 相手にしないでいられるなら別に通常運転でも良いかもしれないが、ストレスが溜まっても誰も補償してくれないからそこは覚悟してくれ。

 そう言う可能性がストレスになるなら、Xでの運用を取り敢えず横に置いて、他のSNSの利用をお勧めしたい。
 着ぐるみ関係者しかいないDiscordサーバなどは割と理想的だ。

⑦欺瞞的なことはやめよう

 嘘は目ざとい人にすぐ看破される。
 着ぐるみが着たいだけならばそれで結構だが、格好を付けるために「子供の笑顔のために」とか、適当な言い訳を自分のために作るのは愚かだ。

 コスプレなんて極論自己満足の世界だ。自己満足で良いし、その満足のためには人の目に触れても恥ずかしくない行動とクォリティを達成しようというものだ。
 一般的に、他人に対して格好を付けるのを一番最初に持ってくる人間は信用されない。
 確かに自分は立派な事をしていると思い込めたら気分も良いだろう。だが、そんな嘘は人から白々しく見えてしまう。

 着ぐるみを着るのが好きと言うならそれでもいいし、可愛い格好が楽しいと言うならそれでもいい。
 だが、そこに「子供に近づける」とか、「今まで見向きもしないような人が手を振ってくれて優越感がある」とか「持ってない人間にマウントが取れる」みたいなものを持っているのだとしたら、それは界隈にも世間にも迷惑なのですぐに着ぐるみを着るのをやめてくれ。

長期的議論

①あるべき文化、風土の醸成

 差し当たり、他責的であったり議論を挿げ替えて特定の人物の責任に帰するような文化、風土をどうにかする。
 発言に責任を持ち、デマや憶測を拡散させたりしない。
 起こったことに対して罰を与えるような発想ではなく、如何にして発生したかを詳らかにして、如何にして再発を防止するのかと言う事を、理性的に議論できるようにしなければならない。

 理性的に合理的に考えられた結論にはきちんと従い、例外が出てきたら都度議論して更新する。

②版権キャラに対するルールを業界内で決める

 「法的に必要性がない」と言う事と、野放図にしていていいと言う事は違う。
 特にコスプレと違って公式かどうかがはっきりと分からないものが、権利者の意思とは別のところで動いていると言うのは、はっきり言って権利者にとって脅威である。

 特にお面付けてると喋らない人間が多く、現状アテンドも頼りないともなれば、誤解をその場で取り除くと言うことはできまい。
 そうであるなら、何らかのルールを決めて、それに従って運用をするしかないのではないか?

 公式に凸るなんてやぶ蛇をヤメロと言う向きもあるが、我々がそれをしなかったら敵対者が凸って、もっと悪い結果になるのかも知れないぞ?
 それであるならば、きちんと議論してルールを設定して、それで権利者にお伺いを立てるべきだろう。

 明確に非公式と分かる名札を付けるとか、きちんと認証を取るとか、なんなら特定の講習を受ける義務を課すとか……窮屈であるには違いないが、しかし窮屈になる方向で動いていたのは我々なのだから、自分自身で自分に枷を課さないと今後どういう方向に進むか分からない。

 はっきり言って、工房で着ぐるみを作って貰うとき、その代金が趣味で作ったものの頒布と言える次元を超えている。
 明確に商売としてやっているのだから、きちんと権利者に仁義を通すべきだろう。

 その結果作れなくなったらどうなんだと言われそうだが、権利者に尋ねてダメといわれるようなモノは、権利者がNOを言う前からNOなのだ。
 NOと言われないからYESと解釈するとか言う幼稚な発想であるべきではない。

③グリーティングのルールを決めて共有する

 今やめいめいが「私はきちんとしてますよ」と言うアピールのために、「正しいグリーティングの方法」みたいなモノを書いているが、何故それが横展開できなかったのか?

 講習会もやろうと言う話は散々出てきたが、盛り上がったことはない。

 ショーチームから講師を雇うでも何でもいいが、きちんとした方法で定められたルールを制定して、それをきちんと界隈人に伝える必要がある。
 少なくとも、権利者相手に「界隈人はきちんとルールを守っていますよ」とアピール出来る程度には守って貰う必要がある。

 これは先の販売にも関わることなのだから、きちんと工房なり着る人間なり、或いはアテンドなりが負担すべきことだ。
 重要なのは、権利者及び、一般人に対して「きちんとしています」と言うのをはっきり示す事の出来る根拠が必要だと言う事だ。

 会社の安全講習とか、「あんなの見ても意味がない」みたいな事を言う人がいるが、「講習をした結果理解している」と言う建前が必要なのだ。
 そして、その建前を社会に向かって構えるのであれば、それに対する違反は個人の問題になる。

 個人が「自分はしっかりしてますよ」と言って、結果問題が起きたときに「界隈がダメだから」となるのは本当に最悪な結果で、そしてそれが今回起きたわけである。
 であるなら、「界隈としてしっかりやってますよ」と「問題には個別に対処します」という方向へ舵を切った方が絶対的にいい。

 勿論、強制は出来ないだろう。
 でも、講習が参加の条件になるイベントを増やしていけば、少しでもマシな方向へと舵を切れるだろう。

 それは今すぐどうにかなる事ではないが、五年十年すればずっとずっとマシな形になるだろう。

④代表なりスポークスマンなりを立てる

 この業界、誰かが目立つ事をやると叩かれることがある。
 それこそグリーティングだのアテンドなりの講習をやろうとか、もっと言えば「美少女着ぐるみを指す具体的な単語を作ろう」みたいなものも、叩かれるなり無視されるなりする。

 しかし先に言ったように工房なり講習会なりの代表は必要なので、それに値する人を立てる必要がある。
 「誰しも認める」とまで行かなくていいかが、「邪魔してやれ」と言う気持ちにならない程度の人にお願いすべきだ。

 そもそも、古参勢は散々威張ってきて、散々お気持ちを表明しているのに、「俺が一肌脱ぐか」と言う話をあまり聞かない。数少ない例外の人も、昔から着ぐるみをやっていた人ではない。
 この状況はいくらか恥ずべき事として意識すべきだと思うぞ。

⑤界隈の外とコミュニケーションを取ろう

 特定できない範囲で言うが、あるコスプレで遊ぼう的なイベントがあり、美少女着ぐるみも禁止されていなかったので、オフ会と絡めて徒党を組んでイベント参加していたそうだ。
 それは周年で開催されていたイベントなのだが、ある所で美少女着ぐるみの参加が禁止された。
 聞く話によると、美少女着ぐるみは美少女着ぐるみで固まって、他の参加者や主催とコミュニケーションを取らなかったのが遠因らしい。

 勿論それは噂話だが、しかし界隈のあれこれを見ていると割と真実味のあるお話しである。
 着ぐるみは着ぐるみと固まって楽しんでいるイメージだ。
 他の人と一緒に何かをやろうと言う雰囲気ではない。

 「お面をしていたら何も出来ないので突っ立っているしかできない」と言う言い訳は尤もだが、それならアテンドがその分いろいろ心を砕いてもよかったのではないか?

 今回の一件、他の界隈から「着ぐるみをしてるひとは本当にいい人ばかりで、一部の人間のためにこんなことになるなんて」と言う話を聞いたことがない。
 味方がいないのだ。

 コミュニケーションとは自分は敵ではないと言う事のアピールであり、共通の価値観を持つ事は、味方への第一歩である。
 それを今まで怠ってきたのではないだろうか?
 今からでも遅くないから、着ぐるみの業界に閉じこもるのをやめよう。

今後の展開としてありそうな事

①迷惑系、暴露系Youtuberなどが界隈に接触する可能性がある

 迂闊な人が迂闊なことを言って針小棒大に喧伝する人が出てくるだろう。
 気をつけよう。

②不穏な界隈からの接触

 「反フェミニストならなんでもいい」と言う方向に舵を切る界隈人、或いは界隈人を仲間にしようとする人々が現れるだろう。
 そんなものに関わっても何一つ建設的な結論に至らない。
 気をつけよう。

③正しく支持しよう

 誰かが問題の矢面に立って、尻拭いをしてくれるとき、その人が個人的に気に入らないというだけ、或いは自分より目立つのが気に入らないと言うだけの理由で、人格否定やデマを流すバカが出てくる。
 正しいリーダーシップは、いいフォロワーシップに支えられる。
 正しい議論、穏便な言葉遣い。合理的でフェアな見解。そう言うものが示されるならば、有形無形の援助をすべきだろう。

まとめ

 美少女着ぐるみ界隈にはこだわりの強い人、協調性のない人が本当に多いけど、そこで大人になって議論して欲しい。

 「こんなこと他の界隈じゃやってないぞ」と言われるだろうが、他の界隈は今回と同様の問題を起こしていない。
 そもそも意識されないレベルで出来ている事を誰も指摘していないと言う面はある。

 いずれにせよ、「自分が自分に対してこう思っている」と言う事と、「世間が自分たちをどう見ている」と言う事を分けて考えるべきである。
 自分に対して言い訳が立っていればいいと言うのは、精神安定には便利かも知れないが、遠からず問題を引き寄せる。

 今回は"あの人"がやり玉に上がったが、それがいつ自分に降りかかるか分からないし、別段"あの人"だけに特異的な問題ではない。
 グリーティングで子供に近付いていったり、ハグしたり、無断で写真を撮ったりと言う現場は他にもある筈だ。
 偶然その現場に居合わせる可能性を考えると、君たちは「運が良かった」だけで、今後も同じ状況が続けば、そのお鉢が回ってくる可能性があるのだ。

 いい加減世の中に対してコミュニケーションを取ろう。
 現在のイメージは、お面をして女装をしてしゃべりもしない不審者なので、それを払拭するように他の部分でも活動しよう。
 人のコミュ障を笑っている場合じゃないぞ。


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