【TS小説】生きる為だし②
奇病の治療薬の副作用で少女に変身してしまう父は……
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「ハヤト、聞いてるか? お前はいい加減彼女とかいないのか?」
「そんな暇とかないよ」
俺が視線を逸らしながら反論する。
「時間なんてどうにでもなるだろう。
お前は男前の方なんだから、もっと自信を持て」
美人な女の子にこんなことを言われたら勘違いするだろう!
俺は「親父がいるのにそんなこと出来るかよ」と答えた。
「俺の……私のことは気にしなくたっていい。お前は警察学校に入るんだし、警察学校に入ったら女は作れないぞ?」
「分かってるよ。でも、今からだったら遅いだろう?」
「今のうちに手を付けておかなくてどうする?」
「いいよ、そういうの」
話の内容は完全に中年親父との会話なのに、目の前には女の子しかいない。
頭がバグりそうだった。
「じゃぁ、お前はどんな女の子が気になるんだよ?」
目の前に居るとは流石に言えない。
「せ……世話焼きなタイプで黒毛のロングの……」
完全に親父の特徴だった――親父の女の子の姿になった特徴だった。
「そうかぁ、最近の女の子は強気な子が多いからなぁ」
それはサンプルが偏っているからだろうと思いつつ、「まぁそういうことだよ」と言うことにした。
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