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元オセロ中島知子の「洗脳されたと信じる側が洗脳されてる問題」を正しく理解したい
最近、元オセロの中島知子が、大分のローカルテレビ局を中心に復活しているらしく注目を集めているようです。
そして、フェイクニュース・ウォッチャーとしては、どうしても気になる「洗脳騒動」について、中島さんがYahoo!ニュースに語っていました。
この洗脳報道を見ていた当時から、ボクはフェイクニュースだろうと思っていましたが、やはり裁判でも洗脳の証拠は見つけられなかったとのことです。
弘中弁護士は裁判を次のように振り返る。
「被告であるメディア側の主張は法廷で何一つ立証されなかった。そもそも洗脳とは何か。洗脳というのは頭に何か違うことをインプットしたということですが、どうやって何をインプットしたのか。何のために彼女を洗脳するのか、こんなにも長期間にわたる洗脳がどうしたら可能なのか。だれひとり裁判で答えられなかったのです」
こんなインチキな報道のために、中島さんや、その友人の方の人生が、いかに大変な状態に陥ったのかも記事に書かれています。
フェイクニュースの被害を知るためにも、ぜひ、本編のニュースも全部読んでみてください。
"洗脳報道"のほとんどがフェイクニュース
先程引用した弘中弁護士の言葉にあるように、”洗脳された”とは、具体的にどういうことが起きて、どんな結果になったのかの定義が不明瞭です。
曖昧な言葉が一人歩きしている時は、ニュースの作り手が何らかの悪意を持って、その言葉をあえて使っている可能性が高いです。
例えば、同じことを表現するにせよ、”洗脳”という言葉を使用すると、その破壊力は絶大です。2つの文章を比べてみます。
A:体育会系の会社に入社して、半年後には会社の色にすっかり染まってしまった。
B:体育会系の会社に入社して、半年後には完全に洗脳されてしまいました。
どうでしょうか?
元来、同じようなことを書きたいはずですが、Aの表現の方が中立な表現に感じませんか?
そして、Bのバージョンの方が、より悪質な会社が、何か超絶ブラックなこととか、犯罪まがいの恐ろしいことでもさせようという雰囲気が感じます。
ちょっとした単語の使い方で、物事のニュアンスは、ここまで大きく変化するのです。
そして、情報を受け取る側の人々は、そのニュアンスの微妙な違いが正確なのかを検証する術が、ほとんどありません。
だから、極端にキツい表現を使っている報道のほとんどが、フェイクニュースであると思っていて間違い無いです。
洗脳という言葉は読者を洗脳する言葉
さらに、声を大にして言いたいことがあります!
それは本当に洗脳されている人は、「元オセロの中島知子さんが洗脳された」とい聞いて、その曖昧なことを事実として受け入れた側の人々であるということです。
もちろん、カルトなどが行う深刻な洗脳としか表現できない問題もあるのでしょう。
しかし、あまりにも気安く使われる、極めて強い”洗脳”言葉は、おそらく、読者をミスリードする方向に洗脳するための役割しかないのです。