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_241118/ひんやり

家を出ると冬の匂いに冬の風。気持ちいい。この匂いを感じると、子供のときに連れて行ってもらったスキー場を思い出す。ゲレンデに隣接するホテルから外に出た瞬間にブワッと包まれた冬の匂い。

今日の曇りは悪くない曇りだ。旅行に行きたい。知らない土地の曇りを浴びて、ちょっと寂しい気持ちになってみたい。こんな天気のときはスピッツの「みなと」を聴くと決めている。

自分なりにテキパキと働いていたらあっという間にお昼の時間。ベンチ飯をしようと思って外に出たけど流石に寒くてだめだった。外でご飯を食べられる期間はあまりにも短いよね。

財布の中に隠し持っている「お食事券」の存在を思い出す。会社の近くのタイ料理屋さんのスタンプカードが貯まって、一回お食事無料券として使えるのだ。これを使うべき日は今日だと思った。お店を見渡して同じ会社の人がいないことを確認すると少しホッとする。張り切って、いつもは頼まない1500円のハンバーグランチを注文した。気持ちが少し浮上した。

午後。全ての頼みの綱になってしまっている上司が体調を崩したことでいくつかの混乱が起きた。ハラハラドキドキが限界突破しそうになったけど何とか保った。明日も何かと大変そうで緊張している。

退勤して外に出ると朝と同じ空気の匂いがした。今朝も感動してたくせに、帰りもしっかり心動かされている。私は冬が好きなのかもしれない。去年までの自分が冬のことをどう思っていたかは不思議と思い出せない。みんなはどう思ってるんだろう、この冬の匂いについて。本当は色んな人に聞いてみたい。


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