2021年の6月に『愛した人を殺しますか?――はい/いいえ』の初版を出し、文学フリマ東京37に合わせて、10月に再販を印刷しました。
これにあたって、初版時と大きく変わった本文内容をここにまとめておきたいと思います!
初版を購入した方が気になるかなと思ったので、「私が大事だと思った点」のみ記しておきます。実際には、もっと細かいセリフの修正や描写の増加などがあります。
私が忘れている箇所もあるかもですが、大目にみてください。
わりと長いので、★部分だけ読むのもおすすめです。
一巻 海賊の冒険
第五章 拷問の話
拷問描写を全体的にもっと凄惨にしました(^^) 特に言及しておきたい箇所のみピックアップします。
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ラムズは「嗜虐者じゃない=虐めるの好きではない」わ……と思ってなおしました。かっこいいしこの漢字だけで見るとグロさが増す気がして使ってたんですけどね……。
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全体的に直しました。
ラムズさんこのときギラギラ……してない気がしました。セリフもなんか違ったので…。
第六章 無人島
この章はなんだかめっちゃ修正が多かったです。かなりラムズのセリフを直しましたし、描写もわかりづらい部分が多かったので綺麗にしました。私的に重要そうな部分をピックアップ…
なんのために「!」ついてん????
意味もないのにつけるな……。ラムズさんがこれごときで叫ぶわけないだろ…。叫ばなくても声届くし…。過去の私を殴りたい。
あとはこれジウに向かって言ってるんだけど、ジウは基本肉弾戦というか殴る蹴るの闘い方をしてるんだから、「ジウに言う=触っても平気なの自明」では?と思った。
なるべくラムズのセリフは無駄を削ぎ落とそうな!!!りとさん!!!
めちゃくちゃ解説するじゃんラムズ様。
しないだろ。
しねえだろ!!!!!!
ということで、会話の流れを修正しました。翻訳間違えていてごめんなさい…。
しかもラムズ様は端的にわかりやすく説明できる頭のいい子なので、セリフは多分こんな感じになってたはずです。
だから軽率に「!」をつけるな。
ラムズ様絶対平然とした声で軽く「上」って言うじゃん。
絶対そのほうが正しいじゃん!!!!!!
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>初版
なんでラムズさん、最初に「面倒だな」って言ったくせに最後「簡単だったろ?」って言ってんの????? 謎!!!! 矛盾!! バカ!!!!!
そもそもまったく面倒じゃなかったじゃん。
ということで話に合うようにセリフを変えました。
第七章 無人島
最近の観測結果でですね、ラムズは体力ないというか、「人間で説明するなら体力ないって感じ」だったので、描写を変えました。息が切れることはないなと。そもそも息吸ってないもん。
ただこう、普通にして過ごしづらくなるみたいのがあるから、ラムズの使族の生態に合わせて変更しました。
初版の220ページも、ラムズが体力ない描写過剰だったので修正してます。
忘れはしないかな、ラムズ様は。
あと「しまったという顔」はたぶんしないわ。ここまで露骨に表情出さないと思う。もちろんわざとやる可能性はあるけど、それなら意味がないといけない。ここでわざとそんな顔をする意味はないので間違い。
第八章 無人島から逃亡 ★
大きく変わったところというか、追加した部分があるので載せます。
とりあえずこれを見てくれ。
ラムズさん、のらりくらり誤魔化しててすき!!!!!!
てか誤魔化せてない!!!!!ww
メアリやラムズの使族のこと疑われてるのに「そうだ」って肯定するのはおかしいなと思いました。で、誤魔化したんですけど誤魔化せてないので……
追加 ★
追加長!!!!!!
うん。さらっとひとり犠牲になりました。
脅威は排除するでしょさすがに…
まぁ初版のほうのまま(=人間殺さない)でも、「ラムズがわざと泳がせてる」っていうのはあるから絶対に間違いとは言い難いんだけど、ここまで露骨に人間がメアリたちを疑ってるならありえるかなぁと。
いらない人間船員だしさらっとやってそう。好き。
会話も好き。えへへ。
二巻 転移者
二巻は伝えたいと思う修正箇所はそんなに多くないです。
第十二章 船首像
ラムズ様こんなに驚かないかなって…。
まぁこの「目を瞬いた」が、メアリにとっての「かつてないほど驚いた顔」と思った顔の可能性はあるが、誤解を招くので変えました。
第十四章 メーデイア 追加 ★
めっちゃ増やしました。もう500ページ超えたの確実だし、多少増えても変わんないかなって() あはは……。
なんというか、あまりにも怜苑が何もしてなさすぎて、怜苑の性格のことを考えるとこれくらいならしてもおかしくなかったよな、と観測しなおしました。もう少し彼は頭を使える子なはずなんですよ…。
初版の362ページ付近にいれた感じですね。
ちょっと語りたいので語る。
ここまで言われてラムズさん怒らないのか問題なんですけど。
途中で怜苑(れおん)が言ってるとおり、ラムズの宝石を直接害したわけじゃないのでまだ怒る判定には入らないんだよね。自分の思い通りにならないという意味で要注意人物ではあるんだけど、泳がせておこうかなって思ってる。
ラムズが今回連れてきたのも「運命」のせいだからね、それこそ「殺せない」のかもね。
それ↑をわかってる怜苑、「何者!? そこまで察せてるのすごくない?!」って感じだけど、ラムズも言ってるとおり。「そこまで読めてるなら好きにやれ」でして。
考えなしに無鉄砲に発言したんじゃなくて、今までのラムズの行動から推測してちゃんと頭使ってやってるし、地雷は踏まないようにしてるし、って意味で、「ある意味信用を得た」のかなと。
ラムズは「こいつ思ってたより考えてんな」って感じだと思う。
警戒心は上がったけど、怜苑に対する利用価値ってほどじゃないけど、評価は少し上がった気がするね。
最初は、「偽善者でもないけど、主人公ぶってる青臭いガキ」的な評価だったけど、「意外と物事をわかっているというか、見る目があるのかもしれない」って評価に変わったんだろうな。
>そこまで考えててすごい、怜苑って何者?
なんで怜苑が、ここまでいろいろ考えて発言できたかは今ここでは語れないけど、怜苑らしさをひとつ出せた気がして私は嬉しいですね…。観測能力が上がった!!
以上、私がどうしても伝えておきたい修正箇所でした。
忘れているところがあれば追記します。