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図鑑説明が怖いポケモンランキング(ゴーストタイプ編)

 ポケットモンスター、縮めてポケモンには現在、18種類ものタイプが存在する。今回取り上げるのは、その中のひとつ、ゴーストタイプのポケモンである。

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 お化け・幽霊をモチーフとしたこのタイプは、可愛らしい見た目をしていることも少なくなく(可愛らしく思える──どんな見た目のものでも自然と愛着が湧いてしまうというのは、ポケモンシリーズが為せる偉大な業なのかもしれない)、だからこそ彼らの設定・生態の恐ろしさがより一層引き立つわけでもある。そんなところもまた人気の要因なのだが。

 さて──こちらは、第8世代現在、合計54体にのぼるゴーストタイプのポケモンの内、図鑑説明が特に怖いと思ったものをランキング形式で発表していく記事となっている(ベスト15プラスα)。
 一概に恐怖と言っても、例えば通り魔に遭遇するといった、肉体的な危機に反応するようなものから、異質なものや未知なるもの、正体不明のものに対する畏れなど、様々な種類の恐怖があるが、そんな難しいことは度外視して、完全に個人の感覚としての「怖い」に基づいて作成した。

 ぶっちゃけ、ランキングにした方が多少は盛り上がるかもしれないって理由でランキング形式にしただけで、ランキングである必要性は全くないと思われる。順位付けも納得感に欠けるだろうし、自分としてもその辺は割とてきとうだったり。
 ただ、ランキングという形で取り上げたポケモンを、自分なりにぐだぐだと語ってみたかっただけである⋯⋯と、たまたまこんな記事に辿り着いてしまった方々には、そう思っていただけると幸いである。

 ポケモンのランキングであると共に図鑑説明文のランキングにもなっており、ひとつのポケモンにつき、ひとつの図鑑説明文を代表して引用している。もっとも、それ以外の説明文の内容も、もポケモンの紹介として大いに含まれてはいるが⋯⋯。

 ※作成に至り、ポケモンwiki様(https://wiki.ポケモン.com/wiki)を大いに活用させていただくことになりました。
 記事内に挿入されている画像の内、特に記載がないものは、こちらが『ソード・シールド』(の『ソード』版)から撮ったものとなります。 
 それでは。






第15位 シャンデラ

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怪しげな 炎で 燃やされた 魂は 行き場を なくし この 世を 永遠に さまよう。
(『ブラック2・ホワイト2』より)

 『ブラック・ホワイト』より登場する、いざないポケモン。ヒトモシ、ランプラーの最終進化形。

 ヒトモシやランプラーの頃から人やポケモンの魂を吸い取る生態で、その手段として、灯り・ランプに擬態しているようである。シャンデラはその名の通りシャンデリアのような見た目をしているが、何を間違ったのか、シャンデラを灯り代わりに用いた屋敷は葬式が絶えることがなかったといった逸話がある。
 進化前のランプラーが街中および病院に潜んでいるのに対し、シャンデラは古びた洋館を拠点にしているらしい。『ダイヤモンド・パール』がリメイクされれば、例の場所で出番があるかも⋯⋯?

 前述の見た目──デザイン面で高い評価を受けており、2020年に行われた人気投票企画『ポケモン・オブ・ザ・イヤー』では、世代ナンバーワンの票数を獲得している。

 引用した図鑑説明文における恐怖ポイントは、この世を永遠にさまようといったところだろう。「永遠」から想起される苦しみ、悲しみ、絶望。魂にはおそらく意識が残っていることから、普通に燃やされるよりも──ポケモン界には1000℃を超える炎を吹き出す奴等がわんさかいる──はるかに救いがない。燃やされた体は抜け殻となって残るようなので、痛みはなさそうなのがせめてもの救いか(あらゆるポケモンの中でも類稀なる高さの「とくこう」から、高威力の「れんごく」や「オーバーヒート」を放ってくるが⋯⋯)。
 ついでに、シャンデラの炎は揺れと共に対象を催眠に誘う効果を持つことから、一度標的にされると逃れるのは絶望的である。

 ⋯⋯まあ、永遠というのはやや疑わしいと個人的には思っている(幽霊の実在くらい、疑わしい)。実際には、シャンデラに燃やされた魂は、他のゴーストポケモンの餌になったり、あるいはゴーストポケモンそのものと化したりしているのではないだろうか。それはそれで恐ろしいが⋯⋯。
 行き場のない魂をあの世へ連れて行くヨノワールや、役割を終えた生命を導くとされるルナアーラ(共にゴーストタイプ)あたりが、適切に管理・処理しているのかもしれない。

 余談だが、シャンデラの代表的な使い手であるイッシュ地方四天王のシキミさんは、シャンデラがヒトモシの頃から、その炎を灯り代わりにして読書や勉強に励んでいたらしい(アプリ『ポケモンマスターズ』参照)。ある意味、凄まじい胆力。
 シキミさん自身には特にオカルトな要素はないのだが、ゴーストタイプのトレーナーは、ただ者では務まらないということなのだろう。


第14位 デスカーン

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ピカピカの 黄金の 体。 もはや 人間だった ことは 思い出すことは ないと いう。
(『ソード』より)

 『ブラック・ホワイト』より登場する、かんおけポケモン。デスマスの進化形。

 棺桶をモチーフとしたデザインは、まさしくゴーストタイプといったところ。生態としても、先述のシャンデラ族と同じく擬態しているようで、近寄ってきた墓泥棒をその身体に閉じ込めて(飲み込んで)ミイラにしてしまうと噂されている。 

 初登場となる『ブラック・ホワイト』では、先述のシキミさんや、あのラスボスの先鋒をつとめているのだが──個人的には、以下の点などにおいて、かなり強烈なインパクトを受けたポケモンである。
 ・棺桶の形にしばらく閉じこもったと思いきや、途端に目を開き、手足を放出してうねうねと動かすといった、不気味かつ癖になるモーション。
 ・触れた対象の特性を自身と同じ「ミイラ」にするといった、「ミイラ取りがミイラになる」を地で行く特性「ミイラ」(繰り出すポケモンの特性が、連鎖的に「ミイラ」となっていく)。

 恐怖ポイントは、元人間である事実そのものと、そのことを本人(本体?)が忘れていることに因んだ喪失感、だろうか。
 元々、進化前のデスマスに関しては、『ブラック・ホワイト』の時点で、古代の墓に埋葬された人の魂がポケモンとなったこと、持っているマスクは人間だった頃の顔であり、たまに見つめては泣いているといったことが述べられていた⋯⋯ゴーストタイプの中でも、一際悲しさを感じさせられるポケモンである。
 一方で、デスカーンの図鑑説明では、その生態が記されながらも、元人間といった部分には全く焦点が当たっていなかった⋯⋯ところからの、この『ソード』版の、衝撃的な新情報である。

 人間としての記憶を持ち得るデスマスが、時としてモンスターボールで人間に使役されることに、ブラックなものを感じる一方で(『ブラック・ホワイト』のストーリーのテーマが、「ポケモンの解放」だったのも相まって)、人間時代の記憶を失ったデスカーンが、かつて同族であったはずの人間を飲み込んだりして暮らしている様もアイロニカルだ。

 元人間だったのが、完全にポケモンといった別種の生命体に成り代わってしまうこと、本当の意味で、人間が人間でなくなってしまうこと。そんなところに恐怖を感じる──元人間であるだけで、余計に同情・感情移入をさせられてしまうというのもあるだろう。そんなデスカーンであるけれど、しかし彼らにしてみれば、そっちの方がよっぽど幸せなんじゃないかということもまた、述べなければならないだろう──人間時代への執着から、泣くほどの辛さから、解き放たれたということなのだから。デスカーンはデスカーンで楽しくポケモン人生を送っているのかもしれないし、だったらそれで良いんじゃないかとも思えてしまう。

 そんな感じで、元人間であることに関して、色々と考えてしまうことが多いポケモンである。
 ⋯⋯もっとも、以後を読んで頂ければ分かるように、元人間のポケモンなんて、実のところ、全然珍しくもなかったりするのだが。


第13位 ボクレー

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画像出典 
https://www.tv-tokyo.co.jp/anime/pokemon_xyz/episodes/index_3.html

子どもの声を 真似 人を 森の 奥深くへ 迷いこませる。 自分の仲間に する つもりなのだ。
(『ウルトラサン』より)

 『X・Y』より登場する、きりかぶポケモン。

 森でさまよい死んだ子供の魂(もしくは、何かしらの魂とも)が、腐った切り株に宿り誕生したポケモン。ある意味、彼らもまた元人間のポケモンであると言えるだろう。
 生息地は人の寄り付かない森。悲鳴のような不気味な声とも、人間の子供に似た声とも言われる鳴き声で人を誘い込み、そして⋯⋯?

 進化形であるオーロットもまた森に生息するポケモンで、森を荒らす人間を喰ってしまうだとか、呪い殺すだとか、死ぬまで森から出られないようにするなどといった、おっかない噂がある。逆に言えば、それだけ森を大切にしているということでもあり、森に住むポケモンたちには優しいのだそうな。善い奴だ⋯⋯。森の木を大事に育てるジュカイン辺りと仲良くやれそうである。

 ボクレーに話を戻すと、恐怖ポイントは、自分の仲間にするといったところだろう。 
 仲間と言うのはやや抽象的なニュアンスだが、素直に意味を解釈すると、人をボクレーにすると捉えられるか。

 つまり、ボクレーが人に似た声で鳴き人を森の奥深くへと誘い込む→誘い込まれた人は迷った末に死亡する→死亡した人の魂が森の切り株に宿りボクレーが生まれる→そのボクレーが人に似た声で鳴き⋯⋯
 そんな永久機関のような構図が、彼らの住む森の中で発生しているのかもしれない。

 「仲間にする」といった記述で、もうひとつ連想するのが、彼ら一族の専用技である「もりののろい」。相手にくさタイプを付与するといったユニークな変化技なのだが、しかしこれも捉え様次第では中々恐ろしい技であるように感じられる。何故なら、それは生物を植物化するってことになるだろうから。もしも間違って人間が受けてしまったら⋯⋯?


第12位 デスバーン

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強い 呪いを こめて 描かれた 古代の 絵が デスマスの 魂を 取り込み 動きだした。
(『ソード』より)

 『ソード・シールド』より登場する、おんねんポケモン。デスマスのリージョンフォーム(ガラルのすがた)の進化形。

 その地方の環境を生きていく内に、他の地方のものとは異なる姿やタイプに変化するリージョンフォーム──ガラルのデスマスの場合、古代人の魂がポケモンになった点は他の地方のデスマスと変わらないものの、自らの形見であるマスクを持っておらず、その代わりに、何かの絵が描かれた粘土板の破片を引っ付けている。

 そのデスマスが特定の条件を満たすことで、デスバーンに進化する。デスカーンのリージョンフォームというわけではなく、あくまで別種のポケモンであるようだ。
 増幅した粘土板が身体を形成している。普段はバラバラの破片のようにそれらを動かしているが、待機モーションなどでは、デスマス本体のものと思われる黒い影のような部分が全て隠され、粘土板そのもののような姿となる──絵が完成する。
 対象が黒い身体に触れるや、絵に刻まれた恐ろしい記憶を見せてくるようだ。

 恐怖ポイントは、デスマスの身に降り掛かる、得体の知れない呪い、苦しみ──そして悲惨な末路。
 ガラル地方のデスマスに引っ付いている──取り憑いている粘土板は、デスマスから怨念パワーを吸い取っている。図鑑では、粘土板を外そうとしているかのような、悲痛なモーションが見られる。 
 そして上述の、進化に必要な特定の条件とは、デスマスが49ダメージ以上を受けた状態で、ワイルドエリアの砂塵の窪地の石のアーチを潜るというもの。場所に関しては、そこが粘土板にゆかりのある地だからということなんだろうけれど、ダメージに関しては、粘土板がデスマスを完全に乗っ取るために、デスマスが抵抗力を奪われた状態であることが必要だったのだと考えられる。ある意味、トレーナーと粘土板の共犯関係にもなっているのも後味が悪い。

 ある生命体が別の生命体に乗っ取られるという点においては、虫が冬虫夏草に養分を奪われ支配されたパラス・パラセクトや、ソルガレオやルナアーラを取り込んだネクロズマなどが連想される。いずれにせよ、デスマスはとことん悲惨であるというか、つくづくろくな目に遭わない奴である。

 余談だが、粘土板に描かれている絵は、竜であると思われる──竜と言えば、ガラル地方の伝説のポケモン・ムゲンダイナがドラゴンタイプである。それだけならこじ付けですらないのだが、サニーゴ(ガラルのすがた)の公式ホームページによると、ガラル地方のサニーゴは、太古に隕石の落下により命を落としていて──ムゲンダイナは図鑑で、2万年前に落ちた隕石の中にいたといった説明がなされている。ゲームではワイルドエリアを生息地としているサニーゴ(ガラルのすがた)がかつて海だった場所をさまよっていると述べられていること、同じくワイルドエリアに生息するドラメシヤが古代の海で生活していたことなども踏まえて、デスバーンの粘土板は、ムゲンダイナと深く関係していると推測することができる。 
 因みに、ムゲンダイナはともかく、デスバーンとサニーゴ(ガラルのすがた)、ドラメシヤは、古代やワイルドエリアに関連するゴーストタイプのポケモンといった共通点がある。


第11位 フワンテ

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ふうせんと まちがえて フワンテを もっていた ちいさな こどもが きえてしまう ことが あると いう。
(『ハートゴールド・ソウルシルバー』より)

 『ダイヤモンド・パール』より登場する、ふうせんポケモン。

 道端でさまよう人やポケモンの霊が固まって生まれたポケモン。
 幼い子供をあの世へ連れて行こうとしてその手を引っ張るが、力が弱く、反対に振り回される、いいように遊ばれてしまうのが常である。重たい子供は嫌いらしい。
 魂が詰まった丸い体は、誰かを道連れにする度に膨らんでいき、破裂すると叫びのような音と共に魂が溢れ出す。

 現在においてはそこまで珍しいポケモンではなくなってしまったが、初登場となる『ダイヤモンド・パール』では、金曜日だけ、特定の場所に固定シンボルで登場するといったレアなポジションにいた。なつかしい⋯⋯。

 恐怖ポイントは、ありそうな感じのミステリー・ホラーとでも言うべきか。前述の通り、フワンテ自体はどうも可愛らしさが拭え切れていないのもあって、特別強い恐怖を煽ってくるわけではないけれど、その分身近に感じるというか、現実味のある怪事件のような趣がある。
 それと、ターゲットが子供であるというのもポイントか。ふとした日常の一コマ。親子揃っての外出中、ちょっと親が目を離した隙に⋯⋯?
 因みに、進化してフワライドになると、大人をも運んで行けるパワーを手にするようである。


第10位 ジュペッタ

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画像出典 
https://www.amazon.co.jp/ポケモン-Pokemon-ポケモンセンターオリジナル-ジュペッタOA/dp/B01LX60RF6

すてられた ぬいぐるみが ポケモンに なった。ゴミすてばを すみかにして すてた こどもを さがして あるきまわると いわれている。  
(『エメラルド』より)

 『ルビー・サファイア』より登場する、ぬいぐるみポケモン。カゲボウズの進化形。

 捨てられたぬいぐるみの綿に呪いのエネルギーが染み込んで生まれたポケモン。自分を捨てた子供に復讐することを目的としている。 
 自分の体を針で傷付けて怨念パワーを増幅させる一方で、チャックされている口を開けると、呪いのエネルギーが逃げていく。

 進化前のカゲボウズは、恨みや妬みの感情に反応し、それらを栄養源とするポケモン。誰かを恨む心が強くなるとカゲボウズが軒下にずらりと並ぶといった、ゾッとする記述がなされている。カゲボウズの存在が、人が内心に抱える負の感情を表にしてしまう側面があるみたいで、「日暮れにカゲボウズが並ぶ家とは付き合うな」などということわざが、あの世界に古くから残っているのだそうな。ことわざと言うより、自己啓発本のタイトルみたいだ⋯⋯。

 ぬいぐるみがポケモン化したというジュペッタに進化前のポケモンが存在することは、矛盾しているようにも思われるけれど、勝手に解釈するなら、ぬいぐるみの放つ強い怨念にカゲボウズが引き寄せられ、融合したといった感じだろうか。だとするならデスバーンにも似ているな⋯⋯。

 たしか、『サファイア』では、レックウザが舞い降りる塔・そらのはしらに生息していたけれど、振り返ってみれば、何故あんなところにいたのか謎である。『ルビー』の方では代わりにサマヨールがいたようだが⋯⋯。

 恐怖ポイントは、意思をもった無機物に迫られる恐怖だとか、パラノイア的な不安に駆られるところだろうか。 
 あなたは過去に、「これがあるから、あれはもう要らない」などと、無下に扱った玩具はありませんか? そうしたものが、今にもあなたに会いに、ゆっくり、ゆっくりと向かって来ているかもしれませんよ? 

 その他にも、メガシンカすると、桁違いなまでに呪いのエネルギーが増幅し、絆を結んだはずの自分のトレーナーさえも恨んでしまうだとか、逆に大切にされると満足して、元のぬいぐるみに戻ってしまうだとか、何かと悲しげなストーリー性を感じさせられる記述が豊富なポケモンである。


第9位 シロデスナ

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画像出典:ポケモンマスターズ

城の 下には 精気を 吸われ 干からびた 者たちの ホネが 大量に 埋まっている。
(『ムーン』より)

 『サン・ムーン』より登場する、すなのしろポケモン。スナバァの進化形。

 ビーチに生息するポケモン。一粒一粒に意思があり、人間の大人を操って身体を固めさせる。
 小さなポケモンの生気を好物としており、砂嵐を巻き起こし対象の身動きを封じてから、体内に取り込み生きたまま魂を吸い取る。公式ホームページでは、ピカチュウを飲み込んだイラストが確認できる。

 進化前のスナバァは、行き倒れたポケモンなどの怨念が、子供の作った砂山に取り憑き誕生したポケモン。砂遊びで作った砂山がスナバァになるかもしれないことから、帰るときには砂山を壊すことが推奨されていたりする。逆に言えば、スナバァを呼び込むには⋯⋯?
 トンネル状の口に手を入れた相手を操り、砂山の身体を大きくさせる。砂山が砂の城まで大きくなったとき、シロデスナに進化する。
 ⋯⋯そんな恐ろしい生態にもかかわらず、アローラ地方にはスナバァの口に手を入れる度胸試しがあるらしい。アローラ人、恐るべし⋯⋯。

 『サン・ムーン』では、ウラウラ島のキャプテンであるゴーストタイプ使い・アセロラのエースポケモンとして登場する。インパクトという点においては、ダダリンや某ぬしポケモンに持っていかれた感がやや否めないが⋯⋯。

 恐怖ポイントは、目に見える実害の生々しさ、だろうか。干からびた者たちのホネって⋯⋯。 
 人呼んで、ビーチの悪夢。恐らく、人々が家族連れで現れ、海水浴で賑わう夏こそが、シロデスナが最も活性化する時期なのだろう。毎年のように、遊びに来た人々や、彼らのパートナーであるポケモン達が犠牲になっているのかもしれない。 
 危険なのは海のみにあらず、砂浜にも気を付けなければならない。


第8位 ユキメノコ

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気に入った 人間や ポケモンを 冷気で 凍らせる。 巣穴に 持って帰って 飾るのだ。
(『サン』より)

 『ダイヤモンド・パール』より登場する、ゆきぐにポケモン。ユキワラシの分岐進化先のひとつ。

 雪山で遭難して亡くなった女性の魂が氷柱に乗り移り、生まれたと言われている。
 マイナス50度の冷気で獲物を凍らせる。 
 雪山に生息しているようだが、酷い吹雪の夜には人里に降りて来て、扉をノックするという。

 ユキワラシのメスに“めざめいし”をかざすことでユキメノコに進化する。もうひとつの進化先であるオニゴーリには、オスメス問わずレベルアップで進化する。ユキワラシ、オニゴーリ共にゴーストタイプではないが、オニゴーリは登頂間近で遭難した登山家の無念が岩に取り憑き生まれたといった、ゴーストタイプのような噂が存在している。ユキワラシも座敷童子がモチーフなので、幽霊に近いと言えるかもしれない。

 恐怖ポイントは、まあ⋯⋯氷漬けにされるって、やばいよね。
 オニゴーリも氷漬けにしてくるけど、あちらはあくまで捕食のための手段であって、それはそれで勿論怖いのだけど、ユキメノコの場合、保存するといった点に、一線を画した恐怖がある。身の毛がよだつような。
 保存しながらじっくり鑑賞しているかもしれないし、誰にも巣が見つからない限り、下手すると、何年、何十年とそのままなのかもしれない。
 最新作では、凍らせた魂が好物といった情報が追加された。精神を喰らって、肉体だけがそのまま残り続けるのだろうか。

 そんな恐ろしいユキメノコだが、『サン・ムーン』では、ポケモンを氷漬けにして飾るといった、彼女たちと同様の行為をしている人間が登場する。やっぱりアローラって⋯⋯。

 因みに、美男子しか狙われないとも言われれている。その美男子の中には、ポケモンも含まれるものと思われるが。


第7位 パンプジン

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髪の毛のような 腕で 獲物を 締めつける。 苦しむ 様子を 見ながら 楽しそうに 歌うのだ。
(『Y』より)

  『X・Y』より登場する、かぼちゃポケモン。バケッチャの進化形。

 新月の夜に、胴体から不気味な声を響かせて街中をさまよう。聞くと呪われるというその声は、あの世で苦しむ死者の泣き声らしい。 
 進化前のバケッチャは、成仏できずにさまよっている魂をあの世へと運ぶ生態をしているが、パンプジンは人間をあの世へ連れて行く

 バケッチャ共々、ちいさいサイズ・ふつうのサイズ・おおきいサイズ・とくだいサイズの4種類の姿に分かれている。サイズによって好む魂の種類や、獲物の攫いかたが異なる──因みに、『ソード・シールド』では、サイズごとに図鑑説明が分かれるため、4種類×2バージョンの合計8種類の説明が存在する。『サン・ムーン』以降、図鑑説明に対する力の入れようがガチになって来ているような⋯⋯(流用も激減したし)。

 かぼちゃポケモンであるが、美味しさについては言及されていない。

 恐怖ポイントは、その加虐性・残虐性、だろうか。 ゴーストタイプ数あれど、ここまで猟奇的な奴は他にいないのではないか。
 上述の説明のほかにも、新月の夜に扉をノックして、開けた人をあの世へ連れて行くといった、あまりにも強引かつ唐突過ぎるエピソードがある(ユキメノコと言い、扉をノックするの好きだな⋯⋯)。
 パンプジンがあの世へ連れ込んだ人間と、胴体から響く泣き声を上げる死者は、たぶん同一の者なんだろうなと思うと、恐怖も倍増である。死は救済ではなかったらしい。


第6位 プルリル 

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ベールの ような 手足を 巻きつけ しびれさせると 8000メートルの 深海に 連れこんで 殺すのだ。
(『ブラック2・ホワイト2』より)

 『ブラック・ホワイト』より登場する、ふゆうポケモン。

 ベールのような手足には目に見えない毒針がある。これで獲物を痺れさせ、行動不能にしてから、住処のある水深8000メートルの深海まで沈んでいく。

 可愛らしい見た目と、恐ろしい生態とのギャップはポケモン界随一。一部では水子説などが囁かれていたが、『ソード・シールド』では、海底に沈んだ古代都市の住民がポケモンとなったという言い伝えが新たに判明した。

 オスは青色で、メスはピンク色の姿をしている。

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 恐怖ポイントは、殺すのだといった直接的な記述、それからその殺しかた。
 命を奪うポケモンは数あれど、図鑑説明に「殺す」と明確に表記されたのは、恐らくプルリルが初である。

 何より恐ろしいのは、それまで海の常連だったメノクラゲに代わるが如く、こんなヤバイのが当たり前のように全海域にぷかぷか浮いてるイッシュ地方である。
 ガラル地方では、海ではないはずのワイルドエリアの水辺にも生息している。いや、元々海だったからか⋯⋯? シンボルエンカウントで、見つかると追いかけてくる。怖い。

 てか、何気に8000メートルの深海というのがぶっ飛んでいる。そんなところに住処があるのに、何故わざわざ海面まで上がって来るのだ⋯⋯(人間がいるからか?)。同じポケモンだと、ホエルオーが3000メートルまで潜れるそうだが。
(参考までに、現実の生物の例を挙げると、哺乳類で最も潜水能力が高いと言われているアカボウクジラが、水深3000メートル近く──ホエルオーと同じくらい──まで潜ることができる。
 クラゲでは、ヒドロクラゲの一種が、水深3700メートルで確認されたことがある。
 また、マリアナスネイルフィッシュというクサウオの一種が、水深8000メートル近く──プルリルと同じくらい──で採取されている。
 そして、カイコウオオソコエビというヨコエビの一種が、地球上で最も深いとされるマリアナ海溝の最深部・チャレンジャー海淵(水深10000メートル超)で確認されている)


第5位 ヨマワル

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どんなに 厚い カベも 通り抜ける。 ねらわれたら 最後 朝日が 昇るまで ずっと 追いかけられる ことに なるぞ。
(『ルビー』より。漢字版:『オメガルビー』)

 『ルビー・サファイア』より登場する、おむかえポケモン。

 夜行性のポケモンで、真夜中に闇に紛れてさまよう──『エメラルド』の図鑑では何故か、歩き回ると表記されている。特性が“ふゆう”で、足はないはずだが⋯⋯。

 言いつけを守らない子供、ママに叱られるような悪い子はヨマワルにさらわれるといった言い伝えがある。ジュペッタと言い、第3世代のゴーストタイプは子供泣かせである。
 ヨマワル自体も、子供の泣き声が大好きらしい。進化すると、感情があるのかすら怪しいような見かけや生態になるが⋯⋯。

 執念深い性格に加え、姿を透明にできる、分厚い壁を通り抜けられる、屈強な大人すら竦ませるひとつ目(眼孔はふたつだが、実は目玉はひとつ)など、やたらと追跡能力に特化している。すばやさの能力値が低い(≒低速?)のがせめてもの救いか。

 恐怖ポイントは、かなり個人的な感覚になるかもしれないが、シンプルに、子供の頃に思い描くような幽霊像を体現しているところだろうか。 
 早く寝ないとお化けがやって来る、だとか。 
 そうした童心を喚起してくるタイプ──見た目も怖いし、追いかけられる光景が容易に想像できてしまう。夢に出て来そうでもある。

 『ソード・シールド』では、ワイルドエリアの見張り塔跡地で、その恐怖を追体験できる。ゴースと共に、シンボルエンカウントで群れており、見つかると追いかけて来る。
 特に初めて出遭うときは、こちらのレベルより一回り以上高く、手持ちのポケモンが容易に倒されてしまうので、その意味でも脅威である。まあ、ジグザグマがいれば何とかなる⋯⋯のはゴースの方だったか。


第4位 ミミッキュ

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画像出典  
https://www.pokemon-card.com/card-search/details.php/card/33542/ 

風が 舞って 偶然 中身を 見てしまった トレーナーは その日の 晩に 苦しみ もがいて 死んだ。
(『ウルトラムーン』より)

 『サン・ムーン』より登場する、ばけのかわポケモン。

 大人しく寂しがり屋な性格。人間と仲良くしたいがために、ピカチュウの人気に因んで、自身の能力でピカチュウに似せたボロ布を被っている。これで怖がられないようにしたつもりが、余計に不気味になってしまっている。

 ボロ布の中身を見られることに、激しい抵抗を抱いている。見てしまった者はただでは済まない──特に、首の部分を追った相手やピカチュウに化けていることをバラした相手は絶対に許さず復讐する刺し違えても倒す反面、ひどく落ち込み、破れた布を夜なべで繕うも、中々直らずに泣いているのだとか。
 その中身は不明だが(見た者は等しく亡くなっているからか)、恐ろしい姿をしているようである。

 ポケモンの看板であるピカチュウを模した姿に、恐ろしさと可愛らしさが表裏一体で共存するキャラクター設定、更には対戦での脅威的な性能など、どこをとっても話題性を呼び込むインパクトですっかり一世を風靡した、第7世代を代表する人気ポケモン。その人気があちらの世界のミミッキュにも届いているといいのだが⋯⋯。

 恐怖ポイントは、死に至る過程にまで触れられているところ。ただ死ぬのではなく、苦しんだ末に死ぬというのが、より恐ろしく感じるところである。
 また、図鑑説明だけで、少なくとも3人もの犠牲者が出ているのも驚異的と言える。
 上述の、偶然中身をしてしまったことで苦しみもがいて死んだトレーナーの他に、故意かどうかは不明だが中身を見て恐怖のあまりショック死した学者、更には研究のために中身を見て謎の病気で命を落とした学者
 表現が異なるだけで、後者の学者に関する2例は同一の事件を指しているのかもしれないが、そのどれもが苦しみながら最期を迎えていると捉えられる。

 ただ、ミミッキュが許さないのはあくまで故意的に干渉して来た相手に対してだけで、偶然見てしまった者が命を落としてしまうことに関しては、あくまで正体の性質に起因するものであって、ミミッキュの本意ではないという可能性もある。元々は、人間と仲良くしたかったポケモンだから。
 もっとも、偶然見てしまった他人がそれを言いふらさないとは限らないわけで──そうそう簡単に信用できれば、正体を偽ったりしていないわけで、だとするとミミッキュの脅威は、その臆病さに起因しているのかもしれない。
 臆病だからこそ正体を知られたくなくて、正体を知られなくないからこそあらゆる手を尽くす。 
 臆病な者こそが最も怖く、最も手強い⋯⋯というのは、現実の人間に対しても当てはまると言えるだろうか。


第3位 ブルンゲル

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ブルンゲルの 住処に 迷いこんだ 船は 沈められて 乗組員の 命は 吸い取られて しまうのだ。
(『ブラック』より)

 『ブラック・ホワイト』より登場する、ふゆうポケモン。プルリルの進化形。

 プルリルと同じく、オスが水色で、メスがピンク色。ふっくらとしたクラゲのような身体は、その殆どが海水と同じ成分で構成されている。
 生命エネルギーを好物とする。沈没船を住処としているが、クラゲ(海月)に因んでか、満月になると群れを引き連れて海面に姿を現し、獲物の到来を待つ。 
 当然のように人間を狙っており、豪華客船やタンカーの周りに付きまとい、引きずり込む──ブルンゲルが住処とする沈没船は、彼らが沈めた船でできた城である。

 恐怖ポイントは、そのスケール感もさることながら、海に潜む脅威としての恐ろしさを体現しているところだろう。 
 海はひどく壮大で、深海は宇宙よりも遠いと言われるほど、未だ暗闇に包まれている場所である。 
 真下が見えない恐ろしさ──その見えない真下には、深く広がった世界が存在している。こちらを覗く深淵のような、未知の恐怖。
 例えば、今我々は船に乗っているけれど、もしかすると、その船が豆粒になってしまうほどの大きさの巨大生物が、真下で口を開けて待ち受けているのではないか──とか。

 そんな真下の暗闇に、ブルンゲルは引き込んで来る。前述のような巨大生物でこそないものの(それでも2.2m、135kgなので目の前に現れれば敵いそうにもないが)、そのサイズのポケモンが、自らよりも遥かに大きい大型船を容易に沈めてしまうのである。

 そんなブルンゲルだが、『ソード・シールド』では、海沿いにある9番道路の草むらにて、陸上進出を果たしている。なんだこいつ。宇宙人がナチュラルに地球にいるようなホラー感。どうやら海にさえ行かなければ安全、というわけでもないらしい⋯⋯。


第2位 ゴースト

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なめられると 命を 吸われる。 体が 震えて 止まらなくなり やがては 死に 至るという。
(『ピカチュウ』より。漢字版:『Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』)

 『赤・緑』より登場する、ガスじょうポケモン。ゴースの進化形。

 光に怯え闇夜を好む、夜行性のポケモン。月のない夜に呪いをかける相手を探している。⋯⋯新月派のゴースト、パンプジンと、満月派のブルンゲルとで、馬が合ったり合わなかったりするのだろうか。 
 進化して手が付いた。いや、胴体と離れているから付いてはないのか。その手で手招きしてくるらしい。てまねきポケモンとはサマヨールのことだが。

 暗闇から人間を狙い、ガス状の下でぺろりと命を吸い取る──舐められた者は、日に日に弱って死んでいく
 音も出さずに暗闇に紛れていたり、壁の中に潜り込んで獲物を観察していたりするため、狙われたとしても気付くことは不可能に近い。強いて言うなら、暗闇で誰もいないのに見られている気がしたらそこにゴーストがいるのだそう。

 進化前のゴースは、墓場で発生するガスに怨念が宿り生まれたと言われているポケモン。体の95%が毒ガスで、残りの5%は毒ガスで死んだ者の魂らしい。
 誰も住まない廃墟に生息しており、体のガスを利用して相手を包み、息の根を止める。その威力はインドぞうも2秒で倒れるほどである。

 どの世代から入った人にとっても馴染み深いであろうこの一族だが、第3世代から入った私は、彼らがどくタイプを複合していることに中々気付かなかった。ずっとゴースト単タイプだと⋯⋯。一応、ゴースの図鑑説明文を読むと、ゴーストタイプよりもどくタイプとしての側面が目立つけれども。

 恐怖ポイントは、ミミッキュと同じく、死に至る過程が凄惨であるのと、命の軽さを思い知らされるところだろうか。ほんのひと舐めで軽く命を持っていかれそうな、というか持っていかれる絶望感。無力感。何気にこの見た目で1.6mあるのも怖い。体重は0.1kgだが。

 初代から存在し、多くのシリーズで登場するポケモンなだけあって、図鑑説明が沢山存在しているが、そのどれもが恐ろしい。中でも一番恐ろしいと感じた『ピカチュウ』版を上で引用したが、いやはや激戦区であった。


第1位 ゲンガー

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へやの すみに できた くらがりで いのちを うばう タイミングを ひっそりと うかがっている。
(『パール』より)

 『赤・緑』より登場する、シャドーポケモン。ゴース、ゴーストの進化形。

 進化して手が胴体と一体化し、更に足も生えてきた。実体(?)を持ったのか、体重が405倍に増加した。⋯⋯その値がゴーストとピクシーの体重の丁度合計値であることや、シルエットが近しいことなどが相まって、ゴーストがピクシーに憑依しているのではないかという説が非公式で囁かれている。⋯⋯ピクシーのドッペル“ゲンガー”? 『ムーン』版の図鑑説明によると、人の成れの果てであると言われているようだが⋯⋯。

 人に呪いをかけて喜んだり、自身が獲物として狙う相手としか絆が芽生えないなど、恐ろしい性格をしている。
 シャドーポケモンの名の通り、影に深く関係するポケモンである。ターゲットの影に潜み、少しずつ体温を奪っていく──狙われた人は、寒気が止まらなくなる
 満月の夜、影が勝手に動き出し笑うのはゲンガーの仕業であるという。⋯⋯満月派に寝返ったかおのれ。

 その恐ろしい生態と、それに見合った、相手ポケモンを確実に葬ることに長けた強さ、加えてシンプルかつ愛嬌のある容姿は、まさしくゴーストタイプの象徴。初代ポケモンの中でも指折りの人気を誇っているほか、『ソード・シールド』の、主人公の部屋に貼られているポスターによれば、リザードン、カイリキーと並ぶガラル地方の3大人気ポケモンであるらしい(全部カントー地方のポケモンなどと言うなかれ。あくまでゲーム的にはカントーが初登場というだけで、カイリキー系統、ゲンガー系統は多くの地方で生息している)。あちらの世界でも、恐れられつつも親しまれているポケモンなのかもしれない。

 恐怖ポイントは、狙われたときの絶望感、プラス、どこにでも潜んでいそうなところ。
 例えばシロデスナやブルンゲルなどは、海または海辺にさえ行かなければ基本的に無縁なポケモンであるのに対し、このゲンガーは、どこにでもいそうな怖さがある。世界に影がある限り。

 図鑑説明を踏まえても、あるときは山で遭難したとき、命を奪いに暗闇から現れ、またあるときは街に現れ、街灯の影に成り済まして走ってゆく。更には民家にすら侵入し、暗がりから命を狙っている──自由自在である。
 とどめに、『サン』版では、(ゲンガーに襲われれば)逃げるすべはないので諦めろなどと書かれる始末である。諦めろって⋯⋯。 
 自分の影に潜んで来るという、その至近距離感も恐ろしいポイントのひとつか。

 おまけに、その脅威は姿を変えてもとどまるところを知らない。メガシンカすれば自分のトレーナーを含む全ての命を狙い、キョダイマックスすれば、大切な人が呼ぶ声が聞こえる口の向こう側が、あの世へと続く道となる。

 そんな、どこをとっても絶望的なゲンガーに辛うじて救いを見出すなら、せいぜい、ゲンガーの潜む部屋は温度が5℃下がるため、暑い夏にいてくれると助かるってくらいである。命は助からないだろうが⋯⋯。


番外編 ギルガルド 

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強力な 霊力で 人や ポケモンを 操り ギルガルドに 都合の 良い 国を つくらせた。
(『シールド』)

 『X・Y』より登場する、おうけんポケモン。ヒトツキ、ニダンギルの進化形。

 1本の剣であるヒトツキ、2本の剣であるニダンギルと来て、剣と盾を兼ね備えた姿に進化した。
 攻撃に特化した剣としてのブレードフォルムと、防御に特化した盾としてのシールドフォルムに姿を変えつつ戦う。

 歴代の王がパートナーとして連れていたポケモン。王の素質を持つ人間を見抜く力があり、ギルガルドに認められた者はやがて王になると言う。
 カロス地方、アローラ地方、ガラル地方と、共にかつて王朝が存在していたようなので、その3地方と関わりがあるのかもしれない。⋯⋯通常は野生のヒトツキが存在しない、アローラ地方は例外だろうか。
 しかし、別の図鑑の記述では、国を支配していた王が、ギルガルドに生気を吸われ国も滅びたとあり、ギルガルドに認められた王は、ギルガルドにとっては傀儡に過ぎないのかもしれない。

 以前、ポケモンシリーズの新作として、『ソード・シールド』のタイトルが発表されたとき、当然のようにギルガルドもTwitterのトレンドに上がった。ガラル地方を綟ってガルド地方などと言われたりも。 
 満を持して(?)、ギルガルドはガラル地方に登場。ストーリーで特にスポットが当てられたわけではないものの、そのタイトル──剣と盾を体現するポケモンの所有者として、これ以上なく相応しい人物が先鋒として繰り出してくる。逆に相応しくない人物の手持ちには⋯⋯?

 恐怖ポイントとしては、自分の意思で動いていたと思っていたら、全て意のままに操られていた、みたいな絶望感だろうか。まあ、これだけ規模が大きければ、恐怖を通り越してシュールなのだが。
 そもそも、ギルガルドに都合の良い国というフレーズがジワジワ来る。どんな国だよ。例えば、剣と盾の英雄の伝承があるガラル地方では崇められたりして、ギルガルドにとって都合の良い国になるのか? あるいは、圧政でギルガルドが苦手なほのおタイプやあくタイプのポケモンの所有を禁止にさせるとか? 
 ⋯⋯ぱっと考えて、一番それっぽいなと思った仮説は、ギルガルドの進化前のヒトツキが、古代の剣と、それによって殺された人間の魂が融合して生まれたポケモンであることから、戦争を起こし、そこで剣がよく使われることで、その分だけヒトツキが生まれて、ギルガルド一族が繁栄する⋯⋯といった感じのものである。すなわち、ギルガルドに都合の良い国とは、同族であるヒトツキが生まれやすい、戦争が多発する国のことで、 ギルガルドは仲間を増やすために国の上層部などを操り戦争を誘発させていた⋯⋯と考えると、中々に怖い。
 因みに、ヒトツキはヒトツキで、剣の柄を握った人の腕に布を巻き付けて、倒れるまで命を吸い続けるといった恐ろしい性質を持つ。今更だが、ランクインさせるべきだったな⋯⋯。

 いずれにせよ、ネタとして選出した番外編である。


 ⋯⋯と、いうわけで、『図鑑説明が怖いポケモンランキング(ゴーストタイプ編)』でした。 
 タイトルを設定した当初は、「ゴーストタイプ以外編」も同様に作る予定だったけれど、多分、作られることはないと思われる⋯⋯。怠惰なので⋯⋯。⋯⋯あれ、急に寒気が⋯⋯










⋯⋯ タチサレ!

⋯⋯ ココカラ タチサレ⋯⋯

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(https://wikiwiki.jp/boudai/ポケモン一覧/ゆうれい)
 
(fin)


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