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伝説の漫画『ホットロード』と私の小話

『ホットロード』(紡木たく著)を覚えている人いますよね? 1986年から1987年まで『別冊マーガレット』で連載され爆発的な人気を博した漫画です。

コミック全4巻で発行部数700万部を超えたようです。しかもさすがに伝説だけあって今頃? っていう2014年に映画化もされています。

簡単に説明すると暴走族の話なんです。全国に支部を持つ勢力のある暴走族「NIGHTS ナイツ」のトップに気に入られていた少年「春山」と、父親を幼い頃に亡くし母の恋人をどうしても受け入れられずに非行の道へと走る少女「かずき」の恋の物語です。

若くて壊れやすい、彼らの不器用だけど互いを思い合う気持ちに胸打たれたものです。紡木たくさんの人物を描く線はとても細くて、痛々しいまでの繊細な若者の心を見事に描き出しています。あの頃は不良全盛期だったので読者の心をがっちり捉えたのでしょう。

あれほどファンが多かった漫画の映画化がどうしてそんなに遅かったのかというと、著者がなかなかGOを出してくれなかったからっぽいです。

推薦された女優が「かずき」のイメージに合わないとかそういう話です。確かに「かずき」ほどの儚げな空気感のある女優さんを見つけるのって難しいんだろうと思います。ときどきちょっと透けるくらいのもろさが必要です。

やっと納得のいく女優さんが見つかったのが能年玲奈(のうねん れな)さんです。なるほど、かなり近いイメージです。「春山」は三代目J SOUL BROTHERSの登坂広臣(とさか ひろおみ)さん。こちらのイメージはどうでしょうか。この方はかっこいいと思いますが、「春山」かと言われればノーコメントにしておきます。

私が『ホットロード』で忘れられない名シーンを1つだけさらっといきます。

「春山」が少年院に入っていたときにガラの悪い不良たちに「お前の足を引きずる音がうるせぇんだよ」みたいな感じの文句を言われるんです。彼はバイク事故で死にかけて足を引きずってしまっていました。でも彼ほど喧嘩っぱやい人が愛する「かずき」のためにグッと堪えるんです。ジーンときました。

これにまつわるとても印象的な思い出もあります。

高校時代に私はちょっとサイズの大きい靴を履いていたんですが、歩くたびに地面で擦るような耳障りな音がするんです。かかとがカポカポしてたんです。そのときに茶髪の派手な友人が私に向かって「椿の靴の音がうるさい。イライラする」と言い放ちました。まっすぐに睨まれたんです。

そんなイライラをストレートにぶつけるって若いですね。若い。血気盛んです。「え、でもそんなん言われても」ってブツブツ言いましたけど、心では「おぉ、これはあのシーンじゃないか!」なんて「春山」を思い出していました。

小話をさらにもう1つ。私はこの頃、マーガレットの愛読者だったんですが、キャッチコピーみたいな何かマーガレットを表現するリズムのよい言葉の募集がありまして応募したことを覚えています。入選しました。

「マ、マ、マーガレット、歌って楽しいマーガレット」

なんて抜群のリズム感。なのか? 今となってはよく分かりませんが当時は練りに練ってこれを投稿しました。でも最優秀賞はもらえなくて残念でした。だから最優秀賞の作品の文章もしっかり記憶に刻まれています。

「マーガレットは読むお花畑です」

脱帽! これを見たときは「さすが最優秀賞!」とすごく感動しました。見事だと思います。

色とりどりのマーガレットが一面に広がるお花畑をふわふわしたワンピースを着たかわいい女の子が雑誌マーガレットを持ちながら、幸せそうに歩き読みしている姿が目に浮かびました。文字なのに映像美みたいなものを私は感じました。とても洗練されています。私のとはだいぶレベル違うなって思いました。

今日のトップ画像はマーガレットのお花です。たぶん。マーガレットってよく知られているお花だと思うんですが、画像に「マーガレット」って書いてないと花をよく知らない私は自信ないです。名前が花の名前のくせにね。でもネットって便利ですね。知らないことは何でも調べられる。

マーガレットのお花の色はいろいろあるみたいです。白やピンク、紅色。画像を見てみたら近所のコーナンにいっぱい並んでたなぁって思い出しました。

それから花びらのかたちが一枚ずつはっきりとしているため、恋占いに使うのにぴったりのお花だそうです。「スキ」「キライ」「スキ」「キライ」「スキ?」ってね。若い頃はやったよね。またやろうかな。

あ、みなさんは誰を思い浮かべましたか? いますか? 好きな人。

1870文字

#エッセイ #ホットロード #紡木たく #春山 #かずき #マーガレット #スキ #恋占い


お気持ち嬉しいです。ありがとうございます✨