フェアトレードによる生活収入の重要性の高まり
(見出し写真引用:Beatrice Boakye, cocoa farmer in Ghana, preparing lunch her home/Photo: Kate Fishpool)
コロナウイルスの拡大は、私たち自身がいかに「互いと繋がっているか」ということを再確認する機会になっています。
そして 「安定した収入」、「手を洗うためのきれいな水」、「安全な家」を持っていない人々のリスクが高まっているというのが世界の現状です。
そういった人々にとって、この終わりの見えない戦いをどう乗り切るかが大きな課題です。現在世界中の、非常に多くの人々が直面している問題です。
しかし家族を養い、子どもたちを学校に通わせるのに十分なお金を稼ぐというこれらの課題は、既に小規模農家にとっては以前から大きな課題として直面しているものでもあります。だからこそ、長期的な景気後退への懸念が高まるにつれて、生活収入の重要性はこれまで以上に高まります。
まともな生活水準に十分な収入として定義される生活収入(living income)は、
【食料、水、住宅、教育、医療、輸送、衣類などの基本的な家庭のニーズに加えて、貯蓄や予期しない出来事に備えたプラスα】のお金までが含まれます。
日々の生活を思い出してみて下さい。
私たちは朝に飲むコーヒーや運動後に食べるバナナ、休憩時間に飲みたくなる紅茶やおやつで食べるチョコレートに至るまで、日々の食べ物や飲み物の多くを小規模農家に依存していることに気が付くことができるのではないでしょうか。
私たちと密接に関わる小規模農家の「生活収入」(living income)という重要な課題に対して、フェアトレードでは、短期的、長期的未来の両方で、収益に関して大きな不確実性に直面している農家と労働者を支援することに取り組んでいます。
私達と小規模農家の人々が生活している地域は遠く、一見すると彼らの抱える課題は他人事に見えるかもしれません。
しかし食べ物を通して、実は私達と密接な関係があります。私たちの日々の買い物が私たちの直接のコミュニティのみならず、何千キロも離れたグローバルコミュニティにも影響を与えているということを理解できると思います。
つまり自分事としてこれらの課題を捉え、行動に移していくことができれば、日々の買い物を通して、大きく世界を変えることだって可能なのです。
不確実な時代の中だからこそ、責任感を持った買い物をする中で、可能な限りフェアトレード製品を生活の中に取り入れる人々が増えてくれたら嬉しい限りです。
フェアトレードの最新の活動事例や成果などについては、フェアトレードの生活収入進捗レポートに記載があります。
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