幻の3D体験機“バーチャルボーイ”が海外で再評価される理由【モーカルナビPlus・輸出編】
1. はじめに
任天堂が1995年に発売した「バーチャルボーイ（Virtual Boy）」は、当時としては画期的な3D立体視を取り入れた携帯型ゲーム機でした。しかし、ヘッドセット型に近い独特の形状や赤一色のディスプレイ、目や首への負担などから大きな話題を呼ぶ一方で、商業的には失敗に終わり、短期間で生産中止に追い込まれました。
ところが、近年のレトロゲームブームにより、バーチャルボーイが海外コレクターの間で再評価されつつあります。日本国内では“失敗作”というイメージも強い一方で、海外オークションやフリマサイトでは想像以上の価格で取引される例も増えてきています。本記事では、そんなバーチャルボーイの歴史や魅力、海外需要の背景、そして実際に転売を検討する際のポイントなどを詳しく解説します。
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2. バーチャルボーイとは
2-1. リリースと短命に終わった経緯
バーチャルボーイは1995年に任天堂が発売したゲーム機で、2つのモノクロ（赤色）ディスプレイを内蔵し、頭を装着して立体視を体感できる“疑似VR”デバイスとして登場しました。開発当初は“VR（バーチャルリアリティ）のパイオニア”として大いに期待されましたが、
視認性の問題（赤色だけのディスプレイ）
長時間プレイによる目への負担
高価格帯（ソフトラインナップの乏しさに見合わない本体価格）
などの要因でユーザーからは敬遠されがちでした。結果として販売台数は振るわず、発売から1年ほどで事実上生産終了となった“短命ハード”の代表格です。
2-2. 3D立体視の仕組み
バーチャルボーイは左右の目に別々の映像を送ることで立体的に見せるしくみを採用しており、当時としては非常に革新的な技術でした。
左右別々のディスプレイ：各目に異なる映像を映し出す
赤色LEDの使用：コストや技術的都合から赤一色の画面に
フレームスコープ構造：頭を固定して覗き込むスタイル
これらは今でこそVRゴーグルの原型とも言えますが、当時のユーザーには扱いづらさや目の疲労を敬遠される要因にもなりました。
2-3. ゲームソフトと周辺機器
バーチャルボーイ向けにリリースされたソフトは20本程度（日本発売作品）と少なく、任天堂自社ブランドのソフトであっても限られたラインナップでした。周辺機器としてはコントローラや専用のACアダプタ、電池パックなどが存在し、一部海外向けのバージョンもあります。これらの付属品が揃った状態のバーチャルボーイはコレクターズアイテムとして高い評価を受ける傾向にあります。
3. なぜ海外で再評価されているのか
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