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輸出? 輸入? どっちも楽しむ“個人貿易”のすすめ――AI時代の新しいビジネス観~二元論を乗り越えよう! 継続的な関係づくりが生む真のチャンス~

はじめに:輸出か輸入か――あなたはもう気づいている?

平均より頭がいいあなたなら、もうとっくに勘づいているかもしれない。「昨日は『輸出が稼げる』と言い、今日は『輸入がおすすめ』と言うなんて、何が言いたいの?」と。しかし、実はそこにこそ貿易の本質が隠れている。
日本では昔から「円安だから輸出が有利」「いや、今は円高だから輸入がアツい」といったキャッチフレーズが繰り返されてきた。けれど、いざ実務的に貿易をやっている当事者からすれば、輸出か輸入かなどあまり関係ない、あるいは「両方やればいいじゃない」と思っているものだ。

そもそも、会社の規模が大きくても小さくても、真剣にモノを動かしているプレイヤーにとっては「これって輸出取引? 輸入取引?」なんて区別は、きわめて二次的な問題にすぎない。もっと重要なのは、「どこと長期的に付き合っていけるか」「どうやって信頼を築くか」「安定した品質と数量を届けられるか」という点だと僕は信じている。

本記事では、そんな僕の考え方や経験談、そして昨今話題の生成AIと絡めたちょっとした実験について、たっぷりと語ってみたい。すでに140文字単位の短い連続投稿(Xで投稿したもの)を読んできた人も、新たな発見があるかもしれない。ぜひ最後まで楽しんでいってほしい。


第一章:誰も本気で「輸出」「輸入」と区分していない

■ 実務では全部まとめて「貿易」

ある程度規模の大きい商社に勤めている人や、あるいは個人で海外とのやり取りをしている人なら、心当たりがあるだろう。実務では、輸出と輸入を厳格に分けて考えるよりも、「この取引は売り先が海外なのか国内なのか」といった感覚のほうが近い。もちろん、税関手続きや関税の支払いなど、技術的には分ける必要がある部分はある。しかし、大枠としては「海外の取引先とのビジネス=貿易」だ。

たとえばeBayの場合、海外に商品を出品して海外顧客が買ってくれれば形式上「輸出」だし、海外から商品を買って国内に持ち込めば「輸入」にあたる。実質的には、どちらも“海外とやり取りする”行為という点で同じ。だから、実務家の間では「貿易」の一言で統合的に捉えている方が自然なのだ。

■ 世の中に蔓延る二元論へのアンチテーゼ

ネットやコンサル、YouTubeの副業情報などでは「これからは円安だから輸出しか勝たん!」「今は円高だから輸入ビジネスをやるべき!」といった二元論が頻繁に叫ばれる。確かに為替レートによる影響はゼロではないが、それは取引をする瞬間ごとのレートでの話に過ぎない。輸出入いずれも、長期的に見れば品目や取引先、さらに国際物流の動向によって変わってくるから、為替だけで「稼げるか稼げないか」を決めるのはあまりにも短絡的だと感じてしまう。

僕がこういう話をすると、「円安時に輸出をしないのはバカ」「円高時に輸入をやらないのはもったいない」と言われることもあるが、実際のところ、取引相手との関係性を無視して為替だけを見てもどうしようもないのだ。いくら円安で輸出が有利そうに見えても、販売チャネルがままならない状態では稼げない。輸入の場合も同じで、いくら円高でも仕入れ先の信頼を得られなければ不良品やクレームが続出するだけだ。

第二章:貿易とは関係性を築く行為

■ 文化交流でもある貿易

輸出・輸入というのは、いわば「壁を越えていく営み」だと思う。言語の壁、文化の壁、時差の壁、あるいはインフラ整備や各国の法制度の壁など、さまざまな“違い”を乗り越えていく行為でもある。僕は、商品という“触媒”を使うことで、それらの壁をちょっとずつ乗り越え、人間同士がコミュニケーションを深めていくところに面白さがあると思っている。

たとえば僕自身、大学を中退してバイトを転々とした後、運良く大阪にある一族経営の貿易会社(絵に描いたようなJTC)に拾ってもらい、貿易の基礎を叩き込まれた。そこで学んだのは、「商品を通して海外とつながる」ことの素晴らしさだった。タイからシルバーアクセをメインに仕入れていた頃、担当者から「日本人ってこういう装飾や模様が好きなんですよね? 実は特別仕上げの品があるんですよ」と声をかけられたときは、一種の文化交流をしている気がしてワクワクしたものだ。
それまで知らなかった独特のデザインや職人技を教えてもらいながら、こちらの好みを伝えていくやり取りは、単なる商談を超えた楽しさがあった。お互いの文化や美意識を認め合う瞬間こそ、貿易の醍醐味だと思う。

逆に、海外に日本の商品を送る「輸出」も同じように面白い。海外の人から「日本のお菓子はパッケージが可愛い!」という理由だけで大量にリクエストされたことがある。まさに「物が伝えてくれる会話のきっかけ」が貿易にはあると思う。

■ 「他ならぬお前だから売ってやるよ」という絆

一度輸出入を経験すると、「顧客との信頼関係」がいかに大切かを痛感する。ある台湾のお客さんとは、長年付き合ってきたからこそ、「ここでしか手に入らないレア商品があるんだけど、お前なら売ってやる。欲しいか?」と特別に声をかけてもらったことがある。普通ならまず表に出ない未公開の在庫だった。そんなとき、「他でもないお前だから」と信用してくれる関係を築けていたことが何より嬉しい。まあ、リップサービスだったのかもしれないが。

こうした例は世界中どこでも起こりうる。「最近連絡ないけど元気?」「あの製品は評判どう?」といった気軽なやり取りが続くのが貿易の醍醐味だ。それを単純に「円安だから輸出」「円高だから輸入」という短期的な視点だけで区切ることに、僕はどうしても納得がいかない。もちろん短期トレード的な考え方も否定はしないが、長期的な視野も必要だろう。

第三章:コンサル屋の「ワンイシュー戦略」と二元論

■ なぜ二元論がはびこるのか

続いて、二元論の元凶とも言える「コンサル屋」の話をしよう。別にコンサルを一括りにして否定したいわけではない。ただ、XでもYouTubeでも「輸出か輸入か」の二択を強調し、「あなたが儲からないのは輸出を選んだからですよ」とか「輸入こそが絶対正解!」のようにワンイシューで煽るスタイルが目立つのだ。そもそも、僕はコンサル屋が大嫌いだ。

なぜ彼らはワンイシュー(単一争点)の手法を使いたがるのか? 理由は単純で、そちらのほうが「情弱」(情報弱者)を誘導しやすいからである。複雑な事情や経緯を説明せずに、「円安だから儲かる」と言い切ったほうがキャッチーで簡単だし、片方を“悪者”にすれば、自分が提唱するやり方だけが正解であるように見せかけられるからだ。

■ 円高になると手のひら返し

さらに滑稽なのは、円高に振れた瞬間、今度は逆のことを言い始めるパターン。「え、そうでしたっけ? うふふ」とばかりに「今度は輸入がアツいんです! 絶対こっちが儲かります!」と。そうやって都合のいい言い分で儲け話を説くから、セミナーや高額教材を売りやすくなる。

この手の二元論に踊らされてしまうと、目先の為替だけで「勝ち組」「負け組」を決めてしまい、本当に大切なスキル――たとえば現地とのコミュニケーションや在庫管理、長期的な物流プランなど――を学ばずに終わってしまう。それは非常にもったいない話だと感じる。実際に貿易の現場を知っている人は、「輸出も輸入も、どちらにもメリットとデメリットがある」と理解しているはずだ。

第四章:AIで書いた文章を見抜けるか?

■ AI文章の「臭み」は本当に抜けたのか

さて、ここまで読んで「実はこの文章、AIが書いたんじゃないの?」と疑っている人はいるだろう。というのも、僕は今回、自分で書いた部分と生成AIに書かせた部分とをあえて混在させているからだ。過去には、AIが書いた文章には不自然な文法や話の飛躍があったり、使い回しのフレーズが目立ったりして、どことなく“AI臭さ”が漂っていた時期があった。

ところが、最近の生成AIは非常に賢くなっている。文脈を理解して整合性のある文章を出力するだけでなく、特定の話し口調やスタイルに合わせて作文をすることも難なくこなす。人によっては「いや、AIには絶対書けない部分がある!」と主張するが、それが本当にどの程度通用するのか。今はもう、“AIっぽい文”を匂いで見抜くのはかなり難しくなってきているんじゃないかと思う。

■ 「AIで書いた文はわかるんだよね」と言う人へのカウンター

SNSやブログのコメント欄で「AIで書いた文章はすぐにわかる」「細かな文脈のねじれでバレるんだよね」などとしたり顔で語る人がいる。そんな人たちに言いたいのは「果たして本当にそうだろうか?」ということだ。AIは日進月歩で進化しているし、一部はまるで人間が書いたのではないかと思うほど自然な文章を量産している。

さらに、文章を書く側がAIに少しでも手を加えたり、個人の体験談や専門知識を混ぜ込んだりすると、ますますAI臭さは消える。もし僕が「全部自力で書きました」と言い張ったら、違和感なく信じる人だって多いんじゃないだろうか。もちろん僕は今回「自分の文章」と「AI生成文章」を混ぜていることを公言しているからこそ「どう見抜く?」と問いかけているが、この問いは、これからの時代、どんどんリアルになってくるはずだ。

第五章:僕が「個人貿易倶楽部」を名乗る理由

■ 2012年から続く思い

僕は2012年から「個人貿易倶楽部」を主宰している。別に老舗感を出してマウントを取るつもりもない。そもそも、生成AI時代に過去の栄光など残滓物であり、何の役にも立たないことはここまで読み進めてくれているあなたならわかるだろう。名前からもわかる通り、「会社としての大規模貿易」ではなく「個人が主体的に海外と取引をする」ことを応援するコミュニティだ。なぜ最初からこう名付けたのか? それは、輸出か輸入かという二元論に巻き込まれてほしくないという気持ちが最初から強かったから。

実際、僕自身が会社員時代には輸出を副業にしていたし、独立してからは輸入を中心にやっていた時期もある。どちらも魅力があるし、逆にどちらもリスクがある。それならいっそのこと「貿易」と丸ごとくくって、実践者同士が自由にトライして成果をシェアする場がほしいと思った。それが「個人貿易倶楽部」というわけだ。

■ 不毛な二元論に付き合わせたくない

僕の周囲にも、円安になるたびに「輸出で絶対稼げる!」と喜ぶ人がいたり、円高になるたびに「輸入で儲けよう!」と走り出す人がいたりする。もちろん、それはそれで短期的には悪くない。しかし、「為替の上下だけでビジネスモデルを固めるのはもったいない」というのが僕の考えだ。円が安かろうが高かろうが、“好きな商品”を見つけて、相手と信頼関係を作り、長くリピートしてもらう”ことが最強の安定策ではないかと思う。

だからこそ、「輸出だけ」「輸入だけ」という考え方は不毛だと感じるし、少なくとも初心者には「どっちかに決め打ちする必要はないよ」と伝えたい。最初に輸出が気軽で始めやすいなら輸出でもいいし、国内需要が飽和している商品を海外に持っていくのが面白いと思うならそちらを選べばいい。一方で、世界各国にある「まだ日本にあまり紹介されていない良品」を輸入するのもロマンがあるだろう。全部、自分がやりたい形でやればいいのだ。

第六章:実践者こそ自由に稼ぐ――実例から学ぶ

■ 「アンティークでは稼げない」と言われた過去

少し僕の体験談を入れよう。駆け出しの頃、マイセンの陶磁器を扱うのが好きで、ヨーロッパのアンティークに強い興味を持っていた。メルカリにツールを持ち込んでいた中国輸入コンサル組が「eBay輸入でアンティークなんて稼げないですよね」と平気で言ってきたことがある。確かに、手間もかかるしリサーチも大変だ。効率よく短期的にバンバン回したい人には、あまり向かないかもしれない。

ところが実際にやってみると、アンティークでも国内外でコアなファンがいて、彼らは多少高くても買ってくれる。加えて、メルカリに無暗にツールを持ち込んで出品したりしていた人たちは、結局メルカリ側から追い出されてしまった。「規約違反の疑いアリ」と判断されたのだろう。皮肉なことに、コンサル屋が推奨していたやり方のほうが長続きしなかったわけだ。

■ 本当に稼ぐ人は「他人をけなさない」

さらに僕が感じるのは、本当に稼いでいる人ほど、他人の手法をけなしたりはしないことだ。どんな方法であれ「それ、面白そうだね。俺も試してみようかな」と積極的に取り入れる姿勢がある。「輸出は絶対に無理」「輸入なんてオワコン」と断定せず、状況に応じて柔軟に考える。これはビジネスに限らず、生き残る人の共通点ではないかと思う。

今はまさに副業の百花繚乱時代。生成AIの爆発的進化も相まって、複数の手法を同時並行で試すハードルが一気に下がった。eBay、Amazon、Shopify、海外オークション、何でもやってみる価値はある。もちろん時間や労力はかかるが、それすら楽しめる人には最高の時代と言えるだろう。

第七章:まとめ――輸出も輸入も、もっと自由に楽しもう

ここまで読んでくれて、本当にありがとう。実はこの文章、最初に言った通り、自分で書いたパートとAIに書かせたパートを意図的に混ぜ合わせている。一昔前ならAI臭さが目立ったかもしれないが、最近はどこまで自然に読めたか、あなた自身が判断してほしい。もしかしたら「違和感ゼロとはいかないけど、どこがAIパートかは分からない」と感じたかもしれない。

最後に強調しておきたいのは、「貿易は、本来もっと自由で楽しいものだ」ということ。

  • 円安だろうが円高だろうが、輸出も輸入も両方試してみればいい

  • 長期的な信頼関係を築いてこそ、リピート注文や特別な在庫情報が舞い込んでくる。

  • AIを活用すれば、リサーチや翻訳などの作業が爆速化し、よりクリエイティブなステップに時間をかけられる。

これほど良い時代はなかなかないと、僕は心から思う。「個人貿易倶楽部」を主宰してきた身として、多くの人が一歩踏み出し、海外との取引や交流を楽しんでくれることを願ってやまない。どちらかだけに偏るのは、正直言ってもったいない。興味があるなら、下記の他の記事にも情報をいろいろ載せているから、ぜひ読んでみてほしい。

あなたが「輸入だけ」「輸出だけ」という固定観念に縛られず、自由に貿易と向き合い、AIの進化とともにビジネスも加速していく――そんな未来を期待している。


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