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また一つ、歳をとる

2004年4月、僕は20歳になった。

小学校、中学校、高校、そして大学と一歩ずつステップを踏んできたつもりだった僕だが、最近不安なことがある。

自分は成長できているのかということだ。

小学生で乳歯が抜けて、大人の歯に生え変わり、
中学生で30cm伸びるほどグングン身長が伸びたり、
高校生では筋力が増え体格が大きくなったり、

齢が一つずつ増えるにつれて、成長したところが外見ですぐ見つけられた。
いわば、成長とともに人生を歩んできたと言っても過言ではない。

だけども、大学生になってからというもの、
成長したところが思い浮かばない。

今大学2年生ということもあり、
来年から本格的に就活をしていかなければならない。

なのに、足踏みをしている感覚に陥るのだ。

だから次の誕生日を迎えるのが怖いと思っている自分がいる。

そんな中、先日金曜ロードショーで「トイストーリー3」がやっていた。

バイト終わりで、暇を持て余していた僕はそれを見始めた。

トイストーリー3は小学生の頃に見た映画で、ウッディ、バズたちおもちゃが動いているそんな様の面白さと、アンディの家まで保育園から帰れるのかの大冒険を描いた映画だと思っていた。

見る前そんなことを思っていた僕をあざ笑うかのように、
見終わった瞬間、涙が出るほど感動した。

これはハチャメチャコメディーでもなんでもない。

子供だったアンディが成長して大学に行くための、
おもちゃとの別れを描いた映画なのだと悟った。

自分が子供の時は、ウッディに感情移入していたが、
今20歳になってから見ると、アンディに自分を重ねてしまった。

、、、これほど、年齢によって見方が変わるのかと思った。
あの頃は「楽しかった!」で見終わっていた映画に、
今死ぬほど感動しているのだ。

この感動は
たくさんの経験したり、
知識を得たり、
困難を乗り越えたからこそ、
味わえるものなのだと感じた。

身長が伸びているか確認するために使うメジャーのように、
この「トイストーリー3」というものは、
僕にとっての内面的な成長を測るメジャーなのかもしれない。

内面の成長は目に見えないから認識しずらい。
だけれども、日々少しずつちょっとでも成長しているのだ。
時間と引き換えに、僕たちは経験と知恵をもらっている。

その経験と知恵があるからこそ、
感動したり、笑ったりできる。

次の誕生日を迎えるのが怖く、歳をとることにネガティブなイメージしかなかったが、この「トイストーリー3」が変えてくれた。
歳をとることでしか得られない感情を探したいと思うほど、歳をとることが楽しみになった。

その瞬間や感情に出会えるように、日々一生懸命生きようと誓った。


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