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クレパス画 『開運!まさひろ伝説』

2010年代半ばに天王寺動物園の、まさひろ君というニワトリが関西で人気者になっていた。私が天王寺美術館にいった時、まさひろ君は(動物園にとっての)普通の展示されている動物とは違う扱いのため(もともと肉食獣向けの生き餌だった)、そこらへんを歩いていた。働いている最中の従業員の後をつけてたりしていた。雄の成鶏には珍しく、人なつっこく、穏やかそうだった。頭の良さそうな佇まいだった。まさひろ君目当てと思われるお客さんがたくさんいた。後日、ニュースで見たのだが、関西の恐竜展の広報大使に選ばれ、就任式もお行儀よくこなしているように(端からは)見えた。人気者になるだけの特別な何かを持っているのは間違いない。ネットで検索すれば他にもいろいろでてくる。インターネットは便利だ。

なぜ、まさひろ君は人気者なのか?
・奇跡のニワトリと言われているから。
・幸福のニワトリと言われているから。
・まさひろ君を見ると運気があがると言われているから。
そうゆうことに世間一般ではなっている。

クレパス画 『開運!まさひろ伝説』

私は少し違うと思う。
確かにそんなことを言われるだけの運はある。生き餌だったのになぜか生き残ったり、鳥インフルエンザが流行るなか生き残ったりしたからだ。(鶏は家畜の扱いなので、鳥インフルエンザが流行ると一斉に処分される可能性があることを補足しておく。) 
しかし、本当に開運目的で天王寺動物園に、まさひろ君を見に来た人が何人いるんだろうか?殆んどいないのではないか? 
ギャンブルで勝負する前に、まさひろ君を見にくる勝負師の存在を想像することができない。

まさひろ君の強運エピソードは、まさひろ君が有名になるキッカケにはなった。それは間違いないと思う。
しかし、まさひろ君が人気者になった理由は
①まさひろ君に人気者になれるだけの愛嬌があるから。
②ありふれた動物で、(しかも)家畜の対象とされるニワトリのまさひろ君が人気者になっていく様子を痛快に感じた人たちがいるから。
この2つだと思っている。

みんな心のどこかに影と疑問があるんじゃないか?
「なぜ愛玩動物と家畜がいるんだ?何が違うんだ?」とか
「あいつの何が特別なんだ?」とか
「あいつと私、何が違うんだ?」とか

みんな、ありふれた動物で家畜のまさひろ君が人気者になっていくのが嬉しかったんじゃないかな?
だとしたら、まさひろ君が鶏の寿命で死んじゃった時、悲しかったんじゃないかな?
夢が見れなくなっちゃったんじゃないかな?
つまらない現実しか見れなくなっちゃったんじゃないかな?

大丈夫です。安心してください。
他の動物とチキン(ニワトリ?臆病者?)何が違うんだ?という怒り・疑問・哀しみをブチ込んだ物語付きの画集を作っています。もう何年も作っています。

だから私の作品で夢の続きを見れます。
ご期待ください。

魅せてやるよ。

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