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物魂(ものだま)編。

みなさま、にじゅうにどめまして。

僕は山口県熊毛郡田布施町大波野という田舎で、木と漆のギャラリーをOPENしている、間 心千代(はざま ここちよ)と申します。


昨日は、ものづくりとnoteさんに夢中になりすぎて午前様。

朝には目が覚めましたが、体はまだまだおねむモード・・・。

こりゃあいかん!と、眠気覚ましにウオーキングへ。

今朝の僕ん家の周りはなかなか寒い・・・鼻水たらしながら1時間ほど歩く。

帰ってきて、顔でも洗うか・・・と、給湯器の蛇口をひねると、あーら不思議・・・なんも出まへん。

はい、寒い日恒例の凍結です。

僕はもともと雪国育ちだったので、寒さには割と強い方だと自負していたんですけど、山口県で住んでみて冬の寒さにビックリ!

気温はそんなに低くはないんですけど(それでもマイナス6℃の日があった!)いいお天気で乾燥した寒さが右斜め45度の角度から体の中に突き刺さってくる!

上のマイナス6℃の日なんて凍結したまま2日経過・・・凍えるほどの水の冷たさで顔を洗ったっけなぁ・・・。

僕の育った雪国では、建物の一階よりも上まで雪があったので、意外と寒くない・・・暗いですが。

瀬戸内って温暖な気候だと思っていたのになぁ・・・。


もうひとつビックリしたのは、夏の暑さ・・・雪国から越してきたんだからさぞかし山口県は暑いでしょうねー・・・なんて思われるかもしれませんが、実際は全く逆で!?夏の夜はエアコンも扇風機もいらず、網戸だけでしのげたんです!!(もう15年も前の話で、今はちょっと無理ですが・・・)


・・・朝9時を過ぎてお日さまが暖かさを運んでくると復旧したので、ひとまず安心。


さ~て、漆を塗ったスプーンたちでも砥ごうかなぁ・・・と手にしたスプーンの触感が、なんか芳しくない・・・ってゆーか、まだ完全に乾いていない。

え~い・・・寒さめー・・・と、ののしってみてもどーにもなりまへん・・・。

スプーンたちにはもう少しお休みいただいて、別のものづくりへ・・・。

ケヤキ~。

寒い日には、コンコンほりほりで体が暖かくなる木彫りがもってこいです。

今回も、昨日に引き続いて壁面用のレリーフを作ります。

・・・厚さ2センチ、縦25センチ×横13センチぐらいの木っ端を使います。

さらさらと・・・。

はい、鉛筆で大まかまな下書きをば・・・。

大体の位置をつかんだら、どんどこどんどこ彫り始めます。

な~んだ?

あれ?・・・どこかで見たような・・・。

さじぞうさま。

・・・そう、さじぞうさまのレリーフ版も作ろうと思って・・・。

だったら割と簡単そうだね~・・・とお思いになるかもしれませんが、なかなかそうはいきまへん。

レリーフって、木の厚みがほとんど無いので、立体的に彫り出すのはまるで別ジャンルのような感じです。


・・・ここが一番出っ張ってて、ここが一番低くて・・・なんて考えながら、ノミと木づちでコンコン。

それでも、天からのアイデアとイメージをいだだきながらのものづくりはやっぱりスピードが早いです!

今日はここまで~。

昼過ぎから彫り始めて、夜の訪れるころにはここまで進みましたー。

明日には彫り上がると思うんだけど、立体バージョンと比較するのが楽しみですねー。


若いころは目も元気で、夜でもそれなりに彫れたんですけど、50を過ぎるとそうもいかない。

ほんのり老眼入ってくるし、ルーペも使うようになるから、できるだけ宵っ張りな作業はしないようにしてるんだけど、昨日作った作品みたいにゴールが見えてくるとついつい残業しちゃう・・・。

残業のたまもの。

今回のさじぞうさまは、まだまだゴールが見えないので、今日はここまで~。

また明日。


はい、ものづくり終了・・・とはならずに、今度はスプーンたち。

さすがに半日も置いておけば乾きましたー。

で、砥ぎを始めます。


漆の塗面を砥ぐのには、耐水ペーパーや砥石を使うのですが、そんなものが無かった時代には何を使っていたかというと、なんと炭を使っていたんです!(もちろん、今でも使います)

椿の木を使った炭なのですが、僕が修行していた30年前ごろには炭焼き職人さんがほとんどいない・・・という話でした。

今はどうなんだろう・・・?


砥ぐことで、塗面を整えて、次の塗りへの準備をするのですが、漆を塗って、砥いでの繰り返しの工程に、塗膜と作者のモノへの想いが厚くなっていくのを感じます。


昨日は言霊(ことだま・・・発した言葉の意味の通りに結果が表れるという、言葉に宿る大きな力)というタイトルで記事を書きましたが、僕のものづくりでは作品タイトルには言霊を、作品自体には物魂(ものだま)を使っているんだと思います。


物魂・・・作ったモノへの願い通りに結果が現れるという、モノに宿る大きな力・・・。


効率や生産性、利益の追求の今世では、もしかしたら古臭い考え方なのかもしれないですが、モノ+想いの力の絶大なる力を、ものづくりの端くれである僕は信じ続けています。


水前寺清子さんの三歩進んで二歩下がるという歌の歌詞・・・心を込めながら、塗って砥いで・・・僕の物魂の世界をたった一言で表現しているなんて、なんてすばらしいことなのでしょうか!!!


今までも、今日も、明日も・・・言霊と物魂をモノに刻みながら生きてゆく。


そんな僕でありたいと願う。


あたたかくなぁれ 幸せになぁれ


き・うるし ぎゃらりー ここちよ
山口県熊毛郡田布施町大波野748番地4
0820-25-1870
営業時間 11:00~17:00
定休日 火・水曜日

お待ちしております。

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