【志望理由書】日本大学理工学部海洋建築工学科<総合型選抜>大学入学希望理由書の書き方
日本大学理工学部海洋建築工学科を総合型選抜で受験する方の参考となるよう、志望理由書(大学入学希望理由書)の書き方のアドバイスをしていきたいと思います。
今回の情報は主に令和5年度入試について書いています。
日本大学理工学部海洋建築工学科について
基本情報
入学定員:120人(2023年度)
偏差値:50.0~52.5
参考サイト:大学ホーム、スタディサプリ進路、みんなの学校情報口コミ
総合型選抜について
入試倍率
2022(令4)1.2
2021(令3)1.0
※倍率は受験者数÷合格者数です。
出願資格
大学入学資格を有し、第一希望である者
海洋建築工学科エントリーし,志望学科での勉学に強い意欲を持ち,本学部の教育と研究環境を活用して目標を実現する学力の3要素を有する者
入試日程※2023年度入試
■エントリー期間:7/1~9/12
■出願情報登録期間:8/1~9/12
■出願期間:9/1~9/12
■試験日:10/23
■合格発表:11/1
■手続き期間:11/1~11/16
提出書類
出願確認票(Webで作成したものを印刷)
エントリーシート(エントリー期間中にWebで提出したものを印刷)
調査書(出願資格証明の書類)
大学入学希望理由書(HPよりプリントアウトして作成)
活動報告書(HPよりプリントアウトして作成)
学修計画書(HPよりプリントアウトして作成)
(A)事前課題報告書(※出願後10月上旬に課題が郵送される。)
(A)事前課題につての説明資料(試験当日持参)
(B)「小論文試験と面接」の選択の意思を確認するための書類
(B)小論文試験を受けるための資格証明を英語資格にした場合、その英語資格の証明書
こちらの大学の受験方法は2通りあり、「プレゼンテーションと口頭試問を含む面接」の試験を受ける人は(A)をを提出してください。大学の出す条件(評定や資格など)を満たすものは「小論文試験と面接」の試験に受験することができ、(B)をつけたものを提出してください。ただし英語資格の証明書は下に示す大学の出す条件のうち、d の英語資格の条件を使う人のみが提出します。それ以外の条件を使う人には不要です。
小論文試験を受けるための条件は以下になります。
条件については情報が変わっている可能性がありますので、必ず大学の出している募集要項を確認ください。
試験
説明資料を用いた課題のプレゼンテーションと口頭試問を含む面接
または
小論文
面接
試験はどちらかを選んで受験になります。ただし、小論文試験を含む試験を受けるためには大学の出す条件を満たす必要があります。情報が変わっている可能性がありますので、必ず大学の出している募集要項を確認ください。
評価項目
試験(面接・プレゼンテーション・口頭試問・小論文)
大学入学希望理由書
活動報告書
学修計画書
調査書
事前課題報告書(小論文試験を選択した者は評価対象外)
志望理由書について
日本大学理工学部海洋建築工学科の志望理由書は、大学入学希望理由書という名称となっています。
大学ホームページよりダウンロードした指定の用紙を使用
黒ボールペンで手書き
時数指定なし
出願要件「志望学科での勉学に強い意欲を持ち,本学部の教育と研究環境を活用して目標を実現する学力の3要素を有する者」を満たしていると判断し,それを主張する内容
という指示があります。
近年よく「学力の3要素」という文言を見かけます。これは、「知識・技能」、「思考⼒・判断⼒・表現⼒」、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」になっています。志望理由書を書く場合、この「学力の3要素」について頭を悩ませる方もいるかと思いますが、この記事で紹介する書き方で書いていただければ大丈夫ですので、ご安心ください。
志望理由書のアドバイス
志望理由書の書き方につきましては、以下の無料のnote記事をお読みいただくと理解が早いと思います。
https://note.com/fair_willet76/n/ne6e2e4f7c587
上記の記事の流れに沿って「①将来の夢」~「⑤自分の長所」をまとめ、志望理由書についてアドバイスしていきます。
大学ホームページ・パンフレットの読み込み
日本大学理工学部海洋建築工学科のホームページやパンフレットを読み込み、身に付けることができそうな力や経験を挙げていきます。
パンフレットの学科のページの最初に書かれている部分です。
さらに、学部のホームページには以下のような文言があります。
また、学科のホームぺージの学科の特徴のページには以下の内容が書かれています。
パンフレット・学部HP・学科HPを読んだところ、最も特徴的なことは学科の学びそのものです。普通の学科は様々な大学に存在しており、志望理由書を書くためにはその違いを見分けなければなりません。
例えば”建築学科”であれば多くの大学にありますので、志望理由書に「建築学が学びたいので貴学を志望する」と単純には書けないわけです。その大学の建築学科独特の取り組みを見つけ、「貴学の○○や△△により自分の目標を実現できると感じたので志望する」というように書かなければならないわけです。
ですが、こちらの学科”海洋建築工学科”は他の大学にない、日本大学唯一の学科になりますので、
「海洋建築を学びたい」=「日大理工海洋建築工学科に行きたい」
といえるわけです。つまり志望理由書に「海洋建築を学びたいから貴学を志望する」と書いても良いわけです。
さらに学部のホームページにある「高い倫理観を持って人と地球に貢献する建築技術者を育成」という点を合わせれば将来像がイメージできます。
その将来像としては、「海洋資源を活かして地球環境に貢献できるような建築技術者」というところで良いと思います。
3つのポリシーを読む
上に示したアドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーの3つを読み、そこから「海洋資源を活かして地球環境に貢献できるような建築技術者」というあいまいな将来像を明確なものにするための必要な情報を取り出します。
アドミッションポリシー
アドミッションポリシーは学部のものと学科のものの2つがあり、そこから読み取れる内容としては、海洋工学と建築学、コミュニケーション能力の習得に強い意欲をもち、海洋空間の環境保全と諸問題の解決を通して、社会に貢献しようとする人物となるかと思います。
理工学部
海洋建築工学科
カリキュラムポリシー
カリキュラムポリシーは学部のもののみしか確認できませんでした。ここには工学の知識だけでなく、倫理観や論理的思考力、批判的思考力、リーダーシップなど幅広い力を身に付けようというような内容が書かれています。ですので、直接志望理由書に使えそうな内容はありませんでした。
ディプロマポリシー
ディプロマポリシーは学部のもののみしか確認できませんでした。これも、カリキュラムポリシーと同様に工学の知識だけでなく幅広い力を身に付けてほしいという内容となっています。
①将来の夢
「海洋資源を活かして地球環境に貢献できるような建築技術者」というぼんやりとしたイメージとアドミッションポリシーなどから読み取った内容を合わせ、明確な将来像を作ります。
アドミッションポリシーで、「海洋工学と建築学、コミュニケーション能力の習得に強い意欲をもち、海洋空間の環境保全と諸問題の解決を通して、社会に貢献しようとする人物」、カリキュラムポリシーとディプロマポリシーから「倫理観や論理的思考力、批判的思考力、リーダーシップなど幅広い力を身に付けた人物」という人物像を読み取ることができます。
それらをふまえ生まれる将来像として
「環境を守りつつ、日本が持つ豊富な海洋資源を活用して人々の生活を豊かにすることができる建築士」
というものが挙げられるのではないでしょうか。
②大学を選んだ理由
海洋建築工学科のホームページの「海洋建築工学科の特色」や「パンフレット」から内容を見ていきましょう。
3つの専門科目
海洋建築工学科の学びは3つの専門科目群に分かれています。その3つの中から自分の将来にあわせて科目を選択し、将来につなげることができます。
〇計画系科目群
建築物を設計するために、都市やウォーターフロントなどに関わる空間計画手法とデザイン技術の知識を身につけ、人間に快適な陸域・海域に立地する建築物の計画・デザインができるようになります。
簡単にいうと建築物の空間計画やデザイン力を身に付けることができます。つまり建築士として必須の能力となります。
〇構造系科目群
建築材料の性質・特性に関する基礎知識および構造力学・構造解析の知識を身につけ、ウォーターフロントの 超高層ビルや海上プラットフォームの構造設計・施工ができるようになります。
簡単にいうと建築物の材料知識や強い建築構造の作り方を知ることができます。
〇環境系科目群
地球物理学や海洋環境学の基礎から応用までの知識を活かした海洋環境の維持・管理・保全ができるようになります。
簡単にいうと環境を持続的に利用する能力を身に付けることができます。最近流行りのSDGsですね。この科目群は「①将来の夢」の海洋資源の活用のためには必須の学びになります。
学年による学び
次に学年ごとの学びの流れを見てみましょう
〇1年次
1年次では海洋建築を学ぶにあたっての基礎知識を学ぶことができます。建築と海とのかかわりについてはグループワークやオリエンテーションがあり効果的に学ぶことができるようです。さらに建築製図などを学ぶベーシックデザイン演習では少人数制のグループ学習で、ポスター作成や発表会などを行うことから、コミュニケーション力や人に伝える力もつけることができます。
〇2年次
2年次になると1年次の基礎を元に上記の計画系・構造系・環境系の3つの専門分野に応じた選択課目も増えてくるため、ここで海洋建築工学についての専門知識を系統的に深めることができます。さらにデザイン演習も1年次のベーシックデザインより具体性が上がり設計能力を高めることができます。ここで専門知識を広く学ぶことで3年次の研究室選択へつなげていきます。
〇3年次
他の大学には無いこの学科の大きな特徴として、3年生の前期から研究室に配属される点が挙げられます。研究室配属されるのは13年次の後期からというところも増えていますが通常は4年次からです。ですが、こちらの学科は3年になるとすぐ研究室配属されます。海洋建築はかなり特殊な学科ですので学生の専門性を高めるためにこうした手法が取られているのでしょう。
3年になりすぐ研究室に配属されることから、専門知識を深めるだけでなく、調査や議論、発表を通して協働力やプレゼンテーション能力などを向上させる機会が増えます。
〇4年次
4年次になると、授業は総合演習と卒業研究のみになります。総合演習はPBL形式(問題解決型授業)を行っており、課題発見力や課題解決能力を身に付けることができます。さらに卒業研究では3年次に続き専門知識や協働力・プレゼンテーション能力を高めていくことができます。
大学を選んだ理由のまとめ
まず学科として絶対に外せないものとしては「海洋建築工学を学べる」点です。海洋建築工学を専門としている大学はここだけです。ですので、当然ですがこの点については必ず記載しましょう。
他にも1年次から2年次にかけて「海洋建築を学ぶにあたっての知識を基礎から専門まで系統的に学ぶことができる」ことが挙げられます。そして、3年次から研究室配属されることにより「専門性をより深め、協働力やプレゼンテーション能力を高めることができる」ことも挙げられます。他にも「環境系科目群を深く学ぶ」ことができれば「①将来の夢」の「環境を守りつつ、日本が持つ豊富な海洋資源を活用する」ことができるようになるといえます。
これらの点をまとめればよいのではないでしょうか。
③大学生活
「②大学を選んだ理由」として挙げた3つの項目について、大学の具体的な取り組みを探していきましょう。
1.海洋建築を学ぶにあたっての知識を基礎から専門まで系統的に学ぶことができる
大学のホームページやパンフレットだけでなくカリキュラム表などを参考に見ていくと良いかと思います。
ホームページやパンフレットには建築の基礎となる設計製図課目である1年次のベーシックデザイン演習や2年次のデザイン演習を少人数授業で行うことで、建築に関する知識を効果的に身に付けることができると書かれています、さらに、そこではグループワークやプレゼンテーションを行う機会があり、協働力や人に伝える力を身に付けられることも示されています。
さらに、カリキュラムをみると1年次の授業に「海と建築」や「海洋建築工学インセンティブ」などの授業があり、海洋と建築をつなぐための基礎知識を学ぶことができます。他にも海洋実習や実験などで海洋と建築について実践的な力も身に付けることができる環境がある点をあげるとよいのではないかと思います。
2.専門性をより深め、協働力やプレゼンテーション能力を高めることができる
ここは研究室に配属されるタイミングが3年前期ということもあり、2年次までの学習で専門科目を決めなければなりません。カリキュラムを見ると1年生の授業は基礎知識が中心で、本格的に専門科目を学ぶことができるのは2年生からになります。つまり2年生で学んだ専門知識から、自分のやりたいことを見つけ研究室を選ばなければなりません。つまり2年生の専門科目はしっかりと学ぶ意志を明記したほうが良いと思います。
さらに研究室に配属し、研究や議論、発表などを繰り返すことで専門性、協働力、プレゼンテーション能力を高めることができます。これらの力は技術者にとってなくてはならない能力であり、「①将来の夢」を実現するためには非常に効果的な取り組みであるといえます。
3.環境系科目群を深く学ぶ
今回の「①将来の目標」を「環境を守りつつ、日本が持つ豊富な海洋資源を活用して人々の生活を豊かにする」としていますので環境を意識した知識を身に付けることができることは挙げておいた方が良いと思います。
特に近年はSDGsなどが叫ばれておりますので、環境を保全することの大切さは以前に比べて増しているように思います。こうした現在社会で求められている事象も志望理由書に入れていくとよいのではないでしょうか。
その他大学生活
その他の大学生活として、進学者が全体の3割近くいるという点から、「大学院進学も視野に入れている」と書いてもよいと思います。もちろん進学のつもりがなくとも、「視野に入れている」くらいなら嘘にはなりませんし、海洋建築工学に関する知識を深めたいという意欲を伝えられると思います。
さらに「卒業研究」で配属したい教授・研究室をあげるのもよいでしょう。そうすることで、より具体的に学びたい内容を伝えることができますので、ぜひ大学のホームページから興味のある教授・研究室を探してみてください。
今回「①将来の目標」を「環境を守りつつ、日本が持つ豊富な海洋資源を活用して人々の生活を豊かにする」としていますので「海洋空間利用工学研究室」などが良いと思います。
④将来のきっかけ
「①将来の夢」である「環境を守りつつ、日本が持つ豊富な海洋資源を活用して人々の生活を豊かにすることができる建築士」になりたいと思うようになったきっかけを書きます。
これまでの経験の中で、海洋建築物などについて困った経験や助けられた経験があればそれを書きましょう。ただ海洋建築物に関するような大規模な経験をしている人はほとんどいないと思いますので、社会の持つ問題を海洋建築によって解決できそうなものを挙げると良い思います。特に「SDGs」などを利用すると印象はよくなるかと思います。
例えば、
「日本は現在、海外から輸入したエネルギーに依存しているが、海洋資源についての技術を向上させることができれば海に囲まれた日本は他国に頼らずにエネルギーを確保できるようになる。そうした産業に携わり、多くの人々が豊かな生活を送れるようにしたいと感じるようになった」
「現在発電に用いられている火力発電や原子力発電は環境に対して悪い影響があるので、環境に与える影響の少ない海洋エネルギー技術を発展させることで地球環境の保全につなげることができると感じた」
といったような、社会が求めるきっかけを挙げればよいのではないでしょうか。
⑤自分の長所
自分の長所は「①将来の夢」とアドミッションポリシーから考えます。アドミッションポリシーは「海洋工学と建築学、コミュニケーション能力の習得に強い意欲をもち、海洋空間の環境保全と諸問題の解決を通して、社会に貢献しようとする人物」という内容が書かれています。ここまでに出ていない力として、「他者のために行動できる力」が一例として挙げられるでしょう。また将来の夢である「環境を守りつつ、日本が持つ豊富な海洋資源を活用して人々の生活を豊かにすることができる建築士」に必要な力の一例として、「課題解決能力」が挙げられるのではないでしょうか。
あなたの長所を「他者のために行動する力」や「課題解決能力」として、これらを示せるようなあなたの経験を挙げてください。
例えば、
「課題研究で「(人のためになるようなテーマ)」というテーマで、様々な調査方法や検証方法を考えながら課題解決に取り組んだ」
「文化祭の企画委員として来場者に喜んでもらえるような企画を実現していく中で様々な問題が生じたが、その一つ一つを話し合いや工夫することで解決することができた。その結果、来場者だけでなく、クラスのみんなに喜んでもらえるようなクラス企画を作り上げた」
というように、人のためになるようなことに興味をもち、それを知るために様々な行動をとり解決へ繋げたというような経験を挙げれば大丈夫です。
志望理由書をまとめる
ここまでまとめた①~⑤を以下のような構成にまとめ、文章を整えてください。
日本大学理工学部海洋建築工学科の志望理由書は文字数指定がありませんので、パターン②で作成しましょう。
ここで、大学入学希望理由書の内容に求められていた「学力の3要素」についてですが、「知識・技能」は「①将来の夢」を実現するために大学や建築に関する情報についてしっかりと調べていること、「思考⼒・判断⼒・表現⼒」については、「②大学を選んだ理由」や「③大学生活」を「①将来の夢」につなげることができていること、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」については、「②大学を選んだ理由」で「他の研究室と協力しながら研究したい」ことを示せば表現できると思います。
志望理由書の例文
ではここまでの内容をまとめて、志望理由書の例文を書いてみます。
さらに、志望理由書の例の後には、過去面接で聞かれた内容やアドバイスも示しておきます。
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