【通信将棋自戦記】VS ロガーさん
対局相手の印象など
将棋リスナーの方ですが、最近はご自身のチャンネルで友対配信を始めたご様子でどちらかというともう配信者かも?。
物腰柔らかい話し方で、丁寧な方という印象です。
配信では解説もしてくれて説明も分かり易く、見ていて勉強になります。
将棋面で言うと、基本的には四間飛車党(相振りでも四間が基本?)だと思っています)。
また、ウォーズ五段、詰めチャレ七段と実力もかなり高い方ですが、本人曰く序盤はテキトーとのこと。(ソレって中終盤が強いってコト!?)
なお、棋譜は下記から閲覧できます。
https://lishogi.org/4Bfc2yOh/sente
最序盤 ~相中飛車~
初手より ▲5六歩 △3四歩 ▲5八飛 △5四歩 ▲4八玉 △5二飛 と進み第1図
私(先手)の中飛車宣言に対し、ロガーさんのアンサーは相中飛車!
仲良く相中やろうね。
序盤1 ~後手から角交換~
第1図以下 ▲6八銀 △6二玉 ▲5七銀 △4二銀 ▲3八玉 △7二玉 ▲7六歩 △8八角成 ▲同 飛 △5三銀 と進み第2図
13手目▲76歩に対して、△88角成と一手損で後手から角交換。
相中飛車は真ん中から攻める展開には成りづらく、そのためにお互い向かい飛車に振り直すことが多いのですが、自分から角交換すると相手の飛車の振り直すを手助けすることになるため損になることが多いというのがセオリーです(と思ってる)。
しかしセオリーは暗記しているだけでは役に立たないのがこの世の常。
中盤1 ~中央での戦い~
第2図以下 ▲8六歩 △8二銀 ▲4八金 △6四銀 ▲8五歩 △4四角打 と進み第3図
先手の私は手得で向飛車に振り直せたので、8筋を突いていくのは自然なところ。
途中21手目の▲85歩に対しては△44角に変えて△55歩と仕掛けるのもありそうでした。しかし、ナントカなるだろうと楽観的に考えて気にせず▲85歩を選択。
ちなみに△55歩の変化は、以下 ▲同歩 △同銀 ▲56歩!!! △同銀 ▲同銀 △同飛(第3-a図左)
のように進めて、先手は一歩犠牲にして後手の飛車を悪い位置に誘き出してから…
▲22角 △33角 ▲同角成 △同桂 ▲65角 △53飛 ▲84歩 △同歩 ▲同飛 △83歩 ▲34飛(第3-a図右)
といった進行がお互い最善で進めた時の変化のよう(先手有利+400)
中盤2 ~お互い主張のある中盤戦~
第3図以下 ▲7七角打 △5五歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲8四歩 △同 歩 ▲同 飛 △5六歩打 と進み第4図
△44角▲77角の交換を入れてから△55歩というのがロガーさんの組み立てだったようです。
こちらとしては少し失点した気もしますが、5筋は守備駒が多いのであまり気にせず、飛車の可動域と持ち歩2枚を主張にしていきたいところ。
第4図以下 ▲6八銀 △8三歩打 ▲8六飛 △5一飛 ▲7五歩 △6四銀 と進み第5図
第5図ロガーさんの△64銀はコチラとしては意表を突かれました。
というのも、△51の飛車を通すための手としては自然ですが、こちらから▲44角と角交換すると△44同歩に▲43角打という隙があるように見えるからです。実際本譜もその展開になります。
中盤3 ~お互い馬を作り合う展開~
第5図以下 ▲4四角 △同 歩 ▲4三角打 △5七角打 ▲5八歩打 △7五角成 ▲8八飛 △4二金 ▲3四角成 と進み第6図
第5図時点では私だけ馬が作れて良しと判断していましたが、後手からも△57角打と無理矢理角を打ち込んでくる手があったようです。これが見えておらず、結果的に両者が馬を作り合う展開となり形勢は良い勝負に。
なお、途中▲58歩は手堅いように見えて少し弱気な手だったようで、強く▲34角成と馬を作っておく方が勝ったようです。
△57角以下 ▲34角成 △68角成 ▲同金 △59銀打 ▲58金 △48銀成 ▲同銀 △57金(変化手順図A)という変化を気にしましたが、平凡に▲59歩で良かったようです。その後も暴れる順はありますが、龍と金だけでは攻めが止まってしまうようです。
第6図以下 △3三金 ▲3五馬 △3一飛 ▲5七歩 と進み第7図
第6図時点では両者馬を作ってまずまずという感じだったと思いますが、先手のこちらは少し馬が追われそうな展開でした。
とはいえ馬の機動力があれば気に病む必要はないと判断し、凹まされた5筋の奪還を目指しました。この方針が結果としては中盤の緩手だったかなと思っています。5筋は低く受けて当たりを弱めている意味もあるので無理にここを奪還せずに左銀、左桂、馬などの駒効率を上げる手の方が中盤としては価値が高かった気がします。
中盤4 ~駒得か駒の働きか~
第7図以下 △3四金 ▲2六馬 △2四歩 ▲1六歩 △3五金 ▲1七馬 △1四歩 ▲2八馬 △3三桂 ▲5六歩 と進み第8図
後手の左金の力でこちらの馬は隅っこ暮らしとなってしまいましたが、そのかわりに5筋を奪還するチャンスを待つというのが私の狙いでした。
最後第8図は、5筋を奪還して歩得を活かして有利に・・・と思っていた局面でしたが、駒の働きで大差が付いてしまっておりそう簡単ではなかったようです。
第9図以下 △4五桂 ▲4九玉 △6五銀 ▲7八飛 △8六馬 ▲3六歩 △同 金 ▲5五馬 △7六銀 ▲4四馬 と進み第10図
第9図以下△45桂が中々にうるさい攻めとなっており、後手は歩一枚ですが、跳ねた桂馬を軸に攻めを繋げば歩損は簡単に取り返せそうな展開に。
私としても駒を後退させられて働きが悪くなっている以上、後手の攻め駒を取り切って勝ちに行きたいと思っていました。
第10図は▲44馬で後手の要の桂馬を取りに行った手で、ここで△37桂成は後手も攻め繋ぐのは大変という想定でした。しかし第10図は後手に良い手がありました。
終盤1 ~歩一枚で攻めを繋がれてしまう~
第10図以下 △4六歩打 ▲同 歩 △4七歩打 ▲5八金 △3七桂 ▲同 桂 △同 金 と進み第11図
第10図で直前に4筋の歩を馬で取ってしまったことが災いし、△46歩打という手が発生してしまったようです。ここでやってしまったと思いました。
第11図は急所に歩を垂らされており、しかもこの歩を払う手段がなく、一気に形勢を離されてしまいました。
終盤2 ~玉頭の拠点が払い切れず一方的な展開に~
第11図以下 ▲3二歩打 △同 飛 ▲3三歩打 △4二飛 ▲3五馬 △3六桂打 ▲4八桂打 と進み第12図
第11図以下、なんとか飛車だけでも止めようと頑張りますが、△42飛と逆先手を取られて事態は悪化・・・
最後△36桂に▲48桂がひねり出した勝負でのつもりでしたが、後手に決め手がありました。
第12図以下 △3八歩打 ▲4七金 △同 金 ▲5八金 △3九歩成 ▲5九玉 △6七銀成 ▲投了
一局の総評
中盤のはじまり付近ではこちらだけ馬を作れて良しという想定でしたが、△57角という手が見えておらず、お互いに馬を作り合う展開となりました。
馬を作り合うと地力の差が出てしまい、こちらの駒の働きがどんどん悪くなり抑え込まれる中盤となってしまいました。
終盤はこちらの金銀が歩と桂馬で攻められる展開になり、受けが効かなくなり一方的な展開になってしまいました。
中盤戦で自陣の価値の高い馬を活用できず、放置しても問題がない5筋に手を入れたことが形勢を悪くし始めた箇所かなと思っています。
「馬を働きに直結していない手全般」が敗着にはなっていると思います。
結論
馬はウマく使おう。
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