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観劇記録:NEWSIES

2本目の観劇記録。今回は初の日生劇場、初の2.5次元じゃないミュージカル。初のNEWSIES。



日生劇場について

日生劇場に到着したのは開演1時間前でした。
隣にあるカフェ?レストラン?からの良い香りを嗅ぎながら待ちました。マチネに入ったのですが、お昼ご飯を食べたせいで観劇中に眠くなったら嫌だな、とご飯を抜いていたのでなかなかの苦行でした。
そして待ちに待った会場時間!入ってすぐ、「あ、この劇場の雰囲気、過去イチ好きだ……!」とおもいました。
何が好きなんだろうって考えてみます。
照明だ!暖色でやや弱めの照明がすごい落ち着く。何かの本で家具や室内を赤くすると時間の流れが早く感じるって読んだ気がしますが、日生劇場においてはそんなことなくリラックスした開演前でした。
やはり照明がいいのでしょうか、上演中も舞台上がクリアに見えた気がしました。自分の目のコンディションのせいかもしれませんが、舞台上がうっすら白んで見えることが多いです。でもこの日はそれがなかった!それだけでもすごい満足感です。
2階席の上手寄りでしたが、椅子が高いおかげで舞台端まで遮られることなく見えたのも良かったです。また何かを観にきたいと思った劇場でした。

第一幕について


最初はジャックとクラッチーの二人が屋上にいるシーンから始まります。
このクラッチー役:横山賀三くんはテニミュで芥川慈郎役で、NEWSIESを知るきっかけになったのは彼でした。
クラッチーは足が不自由という設定でしたが、本当に動かないかのように引きずっていて本当にすごかったです!それなのに移動の時や、ダンスの時は松葉杖を軸に軽やかに動いていて感動しました。あと個人的に、彼が目をしっかり開いている時の目力の強さが好きです。

たくさんのニュージーズたちが出てきて、踊るシーンでは、辛い環境にいるのに腐らず懸命に生きていて、ストーリーにではなく彼らの生き方に感動しました。この日はなんだか涙腺が緩くて、この時点でどうにも泣きそうでした。

デイヴィ役の加藤清史郎さん。声の優しさとキツネ顔が個人的に好きで、気になる俳優さんだなと思いました。これ以降何か出演作があればぜひ見たいと思いました。良い収穫です。

そんなことを思っているうちに、新聞の卸値が値上げされてしまいます。
自分だったら明日のことより今日のご飯と思って、(何も考えず)上がった値段で新聞を買ってしまいそうです。でもジャックは「少し考える時間をくれ」と言ってすぐ買わなかったので、ジャックが買ってしまったら、ニュージーズ全員の負けが確定してしまうんだ……と思いました。1人が背負うには責任が重すぎる!

ストライキ前の決起のシーンでの歌は迫力が本当にすごくてもう、泣きました。NEWSIESはもちろんニュージーズたちのお話ですが、絆と努力で戦って何かを成し遂げるというのがどこかスポーツ漫画を彷彿とさせました。自分はスポーツ漫画が大好きなんです。つまり、このストーリーも大好きでした!

クラッチーは喧嘩のとき仲間たちに守られ、助けられていたのですが、その一方で松葉杖を駆使して好戦的に戦っていて印象的でした。スネを狙ったりなどして。
でも逃げるとなったとき、やはり彼は不利で松葉杖で殴られてしまうシーンは本当に心が痛かったです。

ジャックが、ストライキでの怪我人やクラッチーのことを受けて、一幕の最後にサンタフェを夢見て歌うときには、自分も役に入り込んでしまって切なくなりました。意図的かはわからないのですが、ジャックは他のニュージーズたちより明らかに身長も大きかった気がするし、その頭の切れ具合やカリスマ性、才能についてはストーリー内で描かれた通りずば抜けていて、見ているだけの自分ですらジャックに頼りたくなってしまいますよね。しかし彼も一人の子供であって、リーダーになりうるほど責任感が強いなら尚更1回目のストライキの結果は無念やる方ないだろう、と思いました。

第二幕について

幕が始まる直前に、オーケストラの皆様の音合わせ?があるのですが、ピアノのポーン…ポーン…が、あまりにも「-沖縄-」すぎて、The First Slam Dunkが始まるんじゃないかと(おそらくあの劇場内で私だけが)思っていました。音感とかもないので多分音すら違うんですけどね……

二部のスタートは、クラッチーが感化院からジャックに宛てて書いた手紙を読むところからでしたね。「僕は元気さ!ピンピンしてる!」って言ってたのですが、身体中に傷跡やあざがあって、お顔にも血がついたまんまで、服もビリビリで。「ご飯はましさ!まだ一回も出てないからね!」とかって言ってるのがもうつらすぎる!ジャックの責任感の強さを知ってるからこその振る舞いなんだろうなって思って切なくなりました。そんな感動的な手紙だったのに、ジャックやデイヴィのターンでは、さらっとしか触れられないのが個人的には寂しかったです。でも、劇中でジャックに手紙を読ませても、悲しいシーンが増えるだけですものね。
最後に、君の友達……親友の……家族の!クラッチーよりって書き直して笑顔で終わるところがすごく好きです。

二部のスタートで感動したのがタップダンス!音からもわかる揃い具合と、鳴るときと鳴らないときにどんな違いがあるんだろうってとても疑問に思ったので特に印象に残りました。
ここまでのダンス全ても素晴らしかったです。アクロバットにバレエに……
横山賀三さんのコメントで、プロフェッショナルのみなさんからたくさん吸収して食らいついていきたいと思います!みたいなことを書いていましたが、彼のその心意気もすごいし、素敵な舞台とご縁があって良かったななんて思いました。
自分は幼い頃に少しバレエをやっていた時期があったので、フェッテとかすごく綺麗なうえに、ジャンプも高くてマッスルを感じました。今でもあんなにしなやかに踊れたらきっとすごく気持ちがいいだろうな、と思って憧れがあります。実は今でもダンススタジオに会員登録してるのですが、舞台に時間を使いすぎてレッスンに全然行けてないので、涼しくなってきたし来週にでも行こうと思います。

《ブルックリンがここにいる》について。自分はスポーツ漫画が好きだと先ほど言いましたが、特に典型的なジャンプ作品が好きなんです。だから、強豪とか頼れる味方が遅れてやってくるのはすごい自分の中で盛り上がるシーンなんですよね。

キャサリンとジャックの屋上のシーンです。
ジャック役の岩崎大昇さん、歌い方がなんというかキザだな〜と思っていたのですが、NEWSIESを見れば見るほど、その歌い方が役に合っていて、彼本来の歌い方なのか、役に合わせた歌い方なのかわからないのですが、とても良かったです。
屋上のシーンでは舞台セットに動きがあるのですが、2.5次元ミュージカルだとアンサンブルの方や、役者の方が動かしていることがほとんどで、その様子も見えるのですが、NEWSIESではそれがなくて驚きました。あとあれ結構高く上がりますよね。怖くないのでしょうか?いや、プロですものね……
この二人の関係は、この屋上のシーンでぐっと近くなりますよね。あんなに普段は頼れる男で頭も切れるのに、キャサリンの可愛らしさと奔放さの前ではタジタジで、いい関係性の二人だなと思いました。
ちょっとネガティブに聞こえるかもしれませんが、クラッチーばかり見てた自分はクラッチーの不在が常に頭の片隅にあって、このシーンを見てる中でも「この間もクラッチーはネズミの這う部屋で男3人で一つのベッドを使って寝ているのか……」なんて考えてしまってちょっと集中できませんでした。

そしてついに、ニューヨーク中の劣悪な労働環境の中で働く子供たちが団結して、ストライキが始まります。
ジャックがストライキ前に、みんなにチラシを配って、その後ストライキに参加するかは「みんな次第だ!」って言ったのがとても印象に残っています。
というのも、値上げされた時点では、すべての決定権がジャックにあったと思います。ジャックが考えて、その考えた結果にデイヴィが知恵を貸して、みんなが賛同してストライキが決まった。そして決行されたストライキでは多くの怪我人が出てしまった。このことでジャックが強く自分を責めたのは、ジャックの決断だったからだと自分は思います。みんな俺についてきてくれたのに、怪我をさせてしまったと考えたのではないでしょうか。
でも、そもそも自分がどうするかを決めるのは自分しかいないし、その責任を取るのも自分しかいないはずだと思うんです。
だからジャックがこう言ったのは、みんなが自分で判断して自分で責任を取ることができるようになったという成長のシーンであり、ジャックがみんなに判断を委ねてみんなの分まで責任を取らないことができるようになったいう成長のシーンでもあると思います。親離れ子離れならず、リーダー離れメンバー離れというか。自分は、責任を取れるようになることはもちろん大人になることだと思いますし、責任を取らなくなることも大人になることだと考えるので、彼らの成長をこの一つのセリフに強く感じました。

《今日こそ》はすごい好きで自分の好きな曲リストに入りました。「少しずつ 手探りでも 道を見つけよう」というのが響きました。特に何も大きな問題は抱えていないのですが、このフレーズをお守りみたいに持っていたいなと思ったのです。また、ストライキ中はデイヴィがジャックと行動を共にしているので、レスが一人になってしまうのですが、ニュージーズのみんなが常にレスの隣にいて、背中を叩いて励ましていてあたたかいなと思いました。ピューリッツァーの豪邸の椅子を堪能するデイヴィが可愛かったです。

無事にストライキが成功し、クラッチーも帰ってきたあと、スナイダーが感化院の問題性から連行されるのですが、そのときにスナイダーの帽子が落ちてました。それをキャストの一人が拾って、袖の方にぽーい!と投げたのがとても印象的でした。やーいやーいといった様子で悪ガキ感と平和感が良かったです。多分台本にないことだと思うのですが、その場でシーンと役にあった対応ができるというのが本当にプロフェッショナルですよね。偶然でしたが、非常にいい場面を目にできたと思います。

閉幕後

クラッチーはジャックにとってどういう役割だったのでしょうか。相棒はデイヴィで、パートナーはキャサリンで。すごく良い関係性がそこにあるのに、それを表現する言葉がなくて悔しいです。
あと、ジャックがどうしてニュージーズになったのかが疑問です。才能もカリスマ性もあって、メッダも市長さんも虜にするような人間性の持ち主なのに、なぜニュージーズだったのか……でも結末では、ピューリッツァーの仕事なんて受けるはずもなく、家族との絆とキャサリンという切り札を得てニューヨークで生きていくことを決意するというように、明確に彼がニュージーズである理由が明らかになって良かったです。
カテコの独特な三方礼も印象的でした。美少年のメンバーさんということで、きっと普段ライブをする際に、アリーナ!一階席!二階席!みたいな気持ちでやってくれたのだろうなと思って和みました。ありがとうございます。こんな上まで見ていただいて……

おわりに

以上、NEWSIESの感想でした。まとめると本当に良かったです!劇場を出たときに「新聞売り歩きてぇ〜」って思いました。お金と時間が許せばもう一度見にいきたいと思うのですが、叶うかどうか。今回も非常に素敵な舞台でした!自分の感想をまとめ終わったので、SNSでいろんな人の感想を見たりしてもう少し余韻を楽しもうかなと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。