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土間のある家

日本には古くから土間という空間があります。町家や農家では、通り抜けができたり、作業場となったり、履物を脱がずに気軽にそこでお茶を飲んで休んだりできる場となっています。
それぞれがちゃんと意味を持って存在しています。昨今の住まいにはこのような場所がありません。せいぜい狭い靴脱ぎスペースがあるくらいで、あとは使い方を限定した「部屋」で占領されているからです。
しかし、面積的に制限される現在の状況からすると、すごく無駄な空間に感じる方もいるはずです。では考え方を少しだけ変えてみます。
どの家にも玄関はある。そして長い廊下も。
このようなスペースをまとめてみると、面積的にちょっとした部屋が出来てしまうくらいの場所が生まれるのです。
そこで私は、現代版「土間」を提案しています。

入口から中庭まで続く通り土間
土間からの眺望を楽しむ
道路からの視線を気にせずくつろげる土間空間

使い方を限定しないで、使いたい時に使いたいように使う多目的な空間。そんな場所があってもよいのではないでしょうか。
時には簡単な接客の場になったり、雨の日には子供たちがそこで遊んだり、帰宅してちょっと一休みしたり、気分を変えてくつろいだり。
ソトとウチの中間に位置し、生活に無限大の楽しさとゆとりを与えてくれる何とも不思議な自由空間なのです。

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