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撮影会
田舎町の外れに、今は使われていない旧道のトンネルがある。
夜は怖くなるほどの静寂があたりを包み込み、人を寄せつけない雰囲気を醸し出す。
今夜、とある女装さんがこの場所でコスプレ撮影会をしたいと募集をかけていた。
その呼びかけに数人の純男が反応し、
「ぜひ御一緒させて下さい!」とか、
「君のセクシーなところ撮っちゃうよ〜」
「撮影が終わったら✖✖してもいい?」
などと、心霊スポットにも関わらず怖いもの知らずの男達が参戦表明していた。
俺は正直、お話しがしたいなと思っていた。
どんな方かは分からないが、コスプレなどもされているようなので女装スキルは高い感じがする。
ウメが聞きたいような事も聞ければありがたいし、色々うかがってみたい。
まぁ、場違いな感じなら失礼して引き上げればいいし、行くだけ行ってみることにした。
予告時間を少し過ぎて、俺は現地に到着した。
すでに車は3台停まっている。
もう、始まっているのかなと思い、俺は車を降りトンネルへと歩いて行った。
暗いトンネル内を覗いても人の気配がない。
もしかして、まだ誰も車から降りてきてないのかと不安になり掲示板にレスをしてみる。
「トンネルの入口にいるのですが誰か来ませんか?」
と、メッセージをいれると1台の赤い車から女装さんが降りてきた。
その姿はまるで…
ん〜…なんと言えばよいのだろう…
こんな感じ⇩
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その姿が白日の下に晒られた瞬間、2台の車がエンジンをかけ我先にと帰路についた。
2台の車のエンジン音が遠ざかってゆく…
暗闇のトンネルの前には、取り残された無防備な俺と、幽霊も恐れをなすようなコスプレさんだけが立っていた。
「あは〜ん、なんか帰っちゃったね〜」コス
「あっ…そうみたいですね〜」俺
「え〜どーする〜?二人きりだけど〜」コス
「んと…撮影ですよね!俺、撮りますよ」俺
「う〜ん…それもいいけど〜…」コス
アンニュイな時が流れる…
「それじゃ、貴女の事を知りたいから少しお話し聞かせてもらっても良い?」俺
「うふっ、いいわよっ」コス
「では、昨今の物価高と世界情勢について貴女はどう思いますか?」俺
「…えっ?…まぁ、大変よね…」コス
「国の借金が100兆円以上ある件については?」俺
「あ〜それはヤバいなって思います」コス
「なるほど、財政の赤字を賄う為に国民の税金で返していくしかないという国の政策に関しては?」俺
「……いや、この状況で真面目な質問してくることある〜〜?!絶対エッチな質問やと思うやろ!」コスプレさん
「あっ、スミマセン!初対面の方にそんなの失礼かと思いまして…」俺
「なんや〜緊張しとったんかいな〜かめへんかめへんドンドンエッチな事聞いて〜」コス
「では、お聞きしますね。貴女は今、どんなパンティーを………履いてるか想像もつきませんが、まだまだ夜は寒いのでズボンを履かれたほうが温かいですよ」俺
「いや、なんやそれ〜!優しさ見せる前にヤラしさ見せんかい!」コス
「だって、セクシーな下着撮っちゃおうとしてた人は帰っちゃったみたいだし…」俺
「ほんまや!なんやねんアイツら…終わったら✖✖とか!あのドキドキ返せよ!」コス
「ん?胸がドキドキして大きくなっちゃったんですか?」俺
「そうなんよ〜ほら見て〜ボインボインやろ〜」コス
「ちょっと揺らせてみて」俺
「見てて〜ほら〜(ボインボイン)
めっちゃゆ〜れる〜!めっちゃゆ〜れる〜」
コスプレボイン
「さすがに、その胸に触れたくなってきました」俺
「そやろ〜そやろ〜!ほれ、触れてもええで!」コス
「じゃあ触れますね………それって豊胸ですか?」俺
「いや、触れるって胸の話題に触れるってことかい!物理的に触れるんちゃうんかい!」
コスプレボンバー
「ほいで、豊胸ちゃうわ!パッドじゃ!」
コスプレパッド
「しかし、真っ暗ですね〜怖くないですか?」俺
「う〜ん!スゴクこわ〜い!怖くて一歩も動けな〜い。やだ〜襲われちゃう〜」コス
「ちょっとスマホでライトつけますね」俺
「お前、スマホイジる前にアタシのことイジれよ!わざわざ暗いとこで募集した意味を考えろよ!」コスプレ
「じゃあ、このライトで君の大事な部分を照らして……」俺
「なんや〜そうゆうことかい!そうゆうことかい!ライトをスケベな使い方すんねんな!」コスプレ
「そう、このライトを顔の下から照らして…オ〜バ〜ケ〜!」顔
「で〜た〜ぞ〜〜…って、おい!ええ加減にせぇよ!もう、わしゃ帰る!」コスさん
「ありがとうね、とても勉強になりました」俺
めっちゃゆ〜れる〜!めっちゃゆ〜れる〜!
※実際に遭遇した体験記だけど、話の部分はまた「そろ谷のアニメっち」をオマージュしました。
リンク貼っておきます。
それと、次作からは、ずっーと書きたかった長編時代物をゆっくりじっくり書こうと考えてます。
その中で、本当に言いたいこととか、感じていること、タブーとされていることなどを、私個人の主観で書き上げます。
異論反論あるかも知れません、でも一人でも読んで笑ってくれたり、驚いてくれたり、面白いと思ってくれれば嬉しいです。
それでは、次の作品に…GO!!
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おやすみ(。・ω・。)ノ