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淫魔屋敷・伍話

〜吉原遊郭〜

「ゲホッ…ゲホッ…」野風
「咲さん、薬を!」仁
「はい!南方せんしぇい!」咲

野風を抱きかかえる南方仁。

「さあ、この薬を飲んで」仁(大沢たかお)

「先生……ワチキは命などおしゅうありません」野風(中谷美紀)

「野風さん!」咲(綾瀬はるか)

「神は乗り越えられない試練など与えない…
 必ず助けますよ、俺がこの手で!
 だから、飲むんだ」仁

「…わかったでありんす」野風

仁が調合した薬を飲む野風。

「これで、少し安静にしていて下さい」仁

「せんしぇい、お客様が…」咲

「よっ、お嬢の具合はどうぜよ?」龍馬

「坂本さん、今しがた薬を飲んでいただいたところで…」仁

「おー調合が上手くいったってことだな!」龍馬(内野聖陽)

「はい、ペニシリンの完成です。
 ところで、そのお連れの二人は?」仁

「今、表で入りにくそうにしてたから一緒に連れてきたぜよ」龍馬

オドオドしながら挨拶をする加代と梅。

「突然お邪魔してしまい申し訳ございません…」梅

「アタシ達は陰間の方から来た者にございます」加代

「陰間……というと?」仁

「まぁ…あれだ、歌舞伎で言う女形ってところぜよ」龍馬

「して、その方が何用で?」仁

「実は、そのお薬を分けていただきたくて来たしだいで…」梅

加代と梅は事の経緯を話した。
仲間が病にふして危険な状態にある事、どうしても助けたいので薬が必要である事を。

「というわけなのですが…」梅

「気持ちは分かるが……譲ってあげることは出来ません」仁

「なぜ……?」加代

仁は私達の目を見て、こう言った。

「まだ、この遊郭には病に苦しむ女性がたくさんいる。それに流行り病のコロリも後を絶たない。まだ、君たちに譲ってあげるわけにはいかないんだ。」仁

(コロリ)…コロナみたいなやつ。

「でも、苦しんでいるのは私達の仲間もなんです!少しだけでもお願いできませんでしょうか…」梅

「……申し訳ない」仁
 
「もういいよ、行こう梅さん。」加代


「ちょっと……お待ちに……」野風

「休んでいて下さい!野風さん」咲

「…お話を聞くと、そちらのお仲間の方はワチキ共より後に病になられたご様子ですね」野風

「……はい」梅

「病は人が運ぶもの……このような商売やっていますと人から貰ったもので命を落とす事も間々ございます…」野風

「遊郭の客がそっちにうつした…」咲

「先生……ワチキの分をコチラの方々にお渡しになって下さいませ」野風

「いや、それは……」仁

「野風さん、ありがとう。でも、見たところ先生はアタシらに譲る気はないみたいよ。」加代

「………」仁

「確かに、やっと出来た薬ですもの…大切な人に使いたいですよね。こんな突然来た、訳の分からない男女に渡したくないですよね」加代

「そんなことは…」仁
 
「ゴメンナサイ、先生を責めるつもりで言ってるわけじゃないんです。アタシら慣れてるんです、女より下に見られるの。」加代
 
「加代ちゃん…」梅

「やっぱり可愛い方、綺麗な方を優先しますよね。分かります、こんな連中は二の次三の次……いつもそう扱われてきたんで平気平気!私達は慣れてるから…」加代

「そんなこと言われたって、仕方ないじゃないか!俺は女が好きなんだから〜〜!」仁

そう叫ぶと仁は外に飛び出した。
きっと新薬の開発で疲れていたんだろう…

「スミマセンでした、お騒がせいたしまして…」加代

「どうぞお大事になさって下さい、それでは失礼いたします」梅

「あっ……、ちょっ……」野風

私達は入口の戸を閉め、遊郭街を出た。

 

〜川辺りにて〜

「ゴメンね…」加代

「ううん…でも、あの先生、しわ虫太郎だね!w」梅

「ふふ…でも、どうしよう…帰れないね」加代


「……お〜い!待つぜよ〜」龍馬

「あ、さっきの…」梅

「ふ〜追いついたぜよ。野風さんと咲さんからコレ!」龍馬

「えっ…これは…」加代

「調合薬ぜよ」龍馬

「い、いいんですか?!」梅

「いや、実はこれはまだ未完成なんぜよ…
なんでも、これはコロリには効くみたいだが、梅毒を治すとなると、もう一つ必要な成分を加えなきゃならんらしいぜよ…」龍馬

「もうひと成分…」梅

「あえん?ってやつみたいぜよ」龍馬

「亜鉛…」加代

「そうぜよ、なんでも濃ければ濃いほど効くらしいぜよ」龍馬

「アタシ、なんとかできるかも!」加代

「えっ?!医学の知識あるの?」梅

「そんなんじゃないけど……ねぇ!龍馬さん」加代

「なんぜよ?」龍馬

「アナタの友達で一番濃くて強そうな人を教えて!」加代

「そうじゃの〜となると、やっぱり……」龍馬

〜武家屋敷〜

「いきなりオナゴ二人連れてきて、どげんした?!」西郷どん

「いや〜ちょっと頼みがあっての〜」龍馬

「お初にお目にかかります、私達は昔から西郷様のファンでして、龍馬様に無理言って連れてきていただいた次第に御座います」梅

「お〜それはそれは!悪い気はせんでごわす」西郷どん

「もし宜しければ、西郷様の素敵な男魂を拝見しとう御座います…よろしいでしょうか?」加代

「オイドンの男魂?腕っぷしのことでごわすか?」西郷どん

「いえ…こっちの方です!」加代

加代は素早く西郷の懐に飛び込み、裾を捲くってイチモツを握りしめた。

「おっーー〜!何するでごわすか!?」西郷

「梅さん!後ろから押さえて!」加代

「はい!」梅

「こらー!やめるでごわす!」西郷どん

「どんなに強い男でもね、コッチを手懐けちゃえば……ほら」加代

「こ、らぁ〜気持ちいいでごわす〜」西郷

「男なんて簡単でごわすネw」梅

「スッゴイパンパンだから良いの出そうよ〜」加代

「やめっ…やめ…ないで〜ごわす〜」西郷チン

「龍馬さん!薬出して!」加代

「ココにかけるのか?ぜよ!」龍馬

「亜鉛が必要なんでしょ!」梅

「張ってきた!出るよー!」加代

「イクー!ごわす〜!」西郷ドンドン

「ぜよぜよ〜ー!」龍馬ぜよぜよ

「……すっごい出たね」梅

「ペニスチンの完成ぜよ!」龍馬

「よしっ、それじゃありがとうね。これからも日本のために頑張って下さい!」加代

「この…精子泥棒…ごわす」西郷どん

〜帰り路〜

「なんかネチャネチャしてるね…」梅

「でも、効きそうじゃない?w良薬は口にナントカカントカって言うし」加代

「いや〜あの西郷どんも二人にコテンパンだったぜよね〜w」龍馬

「男って気づかなかったのかな?それとも分かってたけど気を遣ってくれて…」梅
 
「どうだろね…。それにしても、龍馬さん本当にありがとう!」加代

「これしき、なんでもないぜよ。お仲間さん助かるといいぜよね!」龍馬

「はい、濃いの頂いたから絶対治りますよ!」梅

「良かったら今度遊びに来て下さいな」加代

「お〜二人のいる屋敷にぜよか!」龍馬

「是非、いらして下さい。西郷さんもアノお医者さんも一緒に!」梅

「先生の事、悪く思わんでくれぜよな…あの野風さんに首ったけなんぜよw」龍馬

「わかってますよw…でも、野風さんに飲ませた薬に混ぜた亜鉛って……」加代

「あの先生の…そっか〜そりゃ出したばっかりじゃスグには作れないか〜w」梅

「えっ?先生は変態ってことぜよか?」龍馬

「知らんけどw じゃ、行くね!」梅

「足りなくなったら龍馬さんのもいただきに来るね〜!」加代

「いつでも待ってるぜよ!
その時が、ハッテンの夜明けぜよ〜!」龍馬
(どうゆう意味?)

〜屋敷帰宅〜

「おかえり加代!梅!」麗子

「薬いただいてきました!」加代

「よく戻ったね…じゃ、早速飲ませてみようか…」麗子

「お蜜ちゃん、さぁ、これを飲んで」加代

「(んぐっんぐっ)ゴワッ…」お蜜

「大丈夫?……」梅

「少し寝かせておこうか…」加代

「ん〜〜…」お蜜

「平気かい?お蜜…」麗子

「ん〜〜……腹減ったでごわす」お蜜

「ごわす……?」麗子

「うん、治ったでごわす」お蜜

「やったーー!、…よね?」加代&梅

「アンタら、なに飲ませたの?」麗子

「え?ペニスチン」加代&梅

こうして色々な人の協力を経て、また仲間が元気を取り戻した。

※完全に鬼滅の刃(遊廓編)に影響され、ドラマ「Jin−仁」から色々頂戴したので、時代背景がメチャクチャだけど、一時の快楽により死を覚悟しなければいけなかった時代には哀しい物語が多々あったのだろうと言うことが想像に容易い。

男だろうが女だろうが
素敵だろうがブスだろうが
強かろうが弱かろうが

それは一つの
大切な生命

続く…


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