淫魔屋敷・最終話
〜蔭間茶屋〜
淫魔大炎上の末、屋敷の住人達は姉妹店の蔭間茶屋にて今後の話し合いをしていた。
「参ったね、アタシらの住処が無くなっちまったよ…」久美
「とりあえず、急いで持ち出せる物は裏口から運び出したけど、寝床がないんじゃ商売だって出来やしないね」加代
「化粧道具が無事で良かった…私の命だからね!」舞
「麗子の拷問器具も運んどいたからね〜笑」純
「アタシのじゃなくて、オーナーのだろ!」麗子
「モリタクの汗とか色んな液体が染み込んでるから、火に触れても燃えなかったよwww」麻子
「でも、荷物だけあっても…これからどうしますかね…」お蜜
「あのね、ちょっと遠いけど良い物件はあるんだよ。下総の国なんだけど…」森永
「えっ?何処らへん?」華恵
「酒の街、酒々井ってところ。そこに鉄筋造りの三階建住居(江戸時代に?)があってね…」森永
「めっちゃ地元なんですけど…」音子
「なに酒の街って?!井戸から酒出るの!」麻子
「最高じゃん!行く行く!」久美
「屋敷の火災保険(江戸時代に?)も入ると思うし、心機一転そこで旗揚げってのはどうかなと…?」森永
「下総の国か…変態多そうだねw」純
「麗子さんの拷問器具も設置して、お客さんに使ってもらえば良いんじゃない?」加代
「それいいですね!」お蜜
「拘束揺れ革椅子でしょ、
手足締め輪付き赤椅子と、
乗馬仕様快楽腰掛けと、
鉄網丸見え牢とか…」舞
「あのピンクの棒のやつなんだっけ?」華恵
「上下可動式桃色珍棒・堀衛門!」舞
「名称から器具が想像できない…笑」音子
「そんな物の名前なんていいから…」麗子
茶屋の女形がお茶を運んでくる。
「はい、どうぞ。舶来物の珍しい茶葉が手に入ったから、良かったら飲んで〜」桜
「へぇ〜いただきます…(ズズ…)なんか分からんけど、美味い!」麻子
「綺麗な色だね、なんてお茶?」華恵
「これね、ローズヒップってエロい名前の茶葉だよ〜」桜
「ローズ?ローズ…薔薇…?」麗子
なんか考えてる麗子。
「でもさ、その新店舗の名前ど〜する?」純
「珍宝男天国ってどう?」久美
「欲望と肛門の宴は?」加代
「センスないね〜…発展!穴掘り野郎の御宅訪問で決まりでしょ」麻子
候補は出るが、直接的過ぎて決まらない。
「……あのさ、薔薇の館ってのはどう?」麗子
「えっ…なんか卑猥でイイ感じ!」純
「高貴でスケベな感じがイイですね!」音子
「じゃ、新しい住処の名前も決まったし、皆で引っ越しますか?ぷぅちゃんも一緒に!」華恵
「ここの従業員も連れてっちゃおうよ!桜ちゃん達もおいで〜!」お蜜
「部屋数は多いから、いっぱい人雇えるよ」森永
「呑み屋とか癒し処なんかも出して儲けようか!なんか野望が湧いてきた…」麗子
「でも、大丈夫かな…ちょっと不安」純
「きっと平気よ…この世の男に金玉がある限り、夢と志は死なない!」麗子
「では、皆で行きましょうか。音子ちゃんの案内で!」森永
「あっ、はい!」音子
「行こう!いざ、薔薇の館へ!」麗子
こうして一行は新天地を目指し旅立つのであった…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その頃、梅は…
〜梅吉・自宅〜
「おとぉ〜!」章坊
「おー!よしよし、久しぶりだな!」梅吉
息子の久しぶりの帰宅を、我が家で迎えているところだった。
「アンタ…皆さんと行かなくてよかったのかい…?」お初
「仕方ねぇだろ〜お前らって足枷が戻ってきちまったんだから〜笑」梅吉
「でも、お仕事が…」お初
「お前、阿闍梨のとこから銭持ってきたって言ったな。それで、田畑を買い戻す」梅吉
「そ、それは構わないけど…」お初
「また、百姓でもやって貧乏暮らしだ」梅吉
「アタシも…手伝っていいかい?」お初
「当てにしねぇよ…また、逃げられたらかなわねぇからな!笑」梅吉
「ごめん…でも、今度は…」お初
梅吉がお初の肩を掴む。
「身体…痛むか?」梅吉
「痛むよ…顔も口の中もボロボロさ…」お初
「その痛み…生涯忘れるなよ。痛む度に俺を想え。その気持ちがあれば、俺はお前を一生面倒見てやる。」梅吉
「アンタ………」お初
「許すわけじゃない。愛するわけでもない。ただ、側にいるだけだ。」梅吉
「それで、充分だよ…」お初
「もう、裏切るなよ…次は無いぞ」梅吉
「はい……」お初
互いに別の方向を見ながら、寄り添う二人。
「おとぅもおかぁも泣いてる〜!」章坊
「はは…目に埃でも入ったかね〜…」お初
「ふっ…このクソ女が…」梅吉
こうして各々が自分の決めた道を歩みだした
一人一人の新たな人生の幕開けである。
そこのけそこのけ
女装子が通る
旅は道連れ
世は情け
弐拾参話の夢物語
これにて終焉
御精読、誠にありがとうございました
※エンドロール
いつも、こんな感じの音を聞きながら江戸をイメージして書いてました(◔‿◔)
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〜後書き〜
いつも読んでくださる方々に背中を押され、やっと書き上げる事が出来ました。
正直、しんどかったです…笑
自分で構成を考えて書き始めたはずなのに、物語が展開していく度に辻褄合わせに労力を取られ、書きたい本音の部分は後回しになってしまった部分も多々あります。
文章を生業にしてる人って大変だなと、しみじみ思いました。
私のはセリフが多すぎるから、脚本みたいになっちゃいましたね…
物書きは難しい。
この物語の弐拾壱話。
ホント言うと、これが書きたかっただけなのかもしれません。
自分とリンクさせて思いのままに書き上げた無感情の文章。
まだまだ、とても拙いなと感じました。
なにはともあれ、小説の真似事が出来たことが楽しかったです。
それに物語の中だけでも、憧れの方々と一緒に過ごせて良かったです。
それとともに、とある関係者の方々…
ゴメンナサイm(_ _)m
それでは、そろそろ自分は「梅」から元の姿に戻ろうかなと思います。
ではでは、また会う日まで
さようなら…
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