見出し画像

チケットは用意されなかったけど話したい、私にとっての因島ロマンスポルノ。

2024/3/31に開催された「PG wasn't built in a day」最終日の有明アリーナ。
終演を迎え惜しみない歓声のなか、スクリーンで発表されたロマンスポルノ24の文字。
開催地は因島と横浜。
因島では更に島ごとぽるの展まで。

え!?
い、因島!?
いんのしま…

頭の中でしばらく反芻。
因島って大勢で押しかけていいの?
ファンが押しかけちゃうよ
そもそも会場は?どこでやるの?
アクセスは?
島ごとぽるの展ってなに?
それくらいの衝撃だった。他のファンはどう感じたのかはわからないけれど、だいたい同じだろうと予想。

デビュー当時は、そもそも因島に行くという考えが浮かばなかった。
メンバーからも「そっとしといてね、島の人たちがびっくりするから」ぐらいのレベルで止められていたと記憶する。

最近では因島に移住したファンや、観光に訪れるファンが増えている。これが聖地巡礼というのかな。
でもライブとなると話はまた変わってくる。そのうえ島ごとぽるの展なるものまで。
ライブ会場は因島運動公園。今までこの場所でライブが開催されたことはないらしい。

時代の変化も然り、これまでポルノグラフィティが積み重ねてきたものが形になったんだと感じた。

帰りの電車の中で、因島までの道のりを調べた。
「うーん、遠いな。行きたいなぁ…1日くらい大丈夫かな…いや、無理か…」
何度も頭の中で考えては、何度も同じ答えに辿り着く。
今の私には関東の公演に行くのが精一杯。
涙を呑んだ。今までだってライブに行けない時期はあったけれど、デビューから応援してきたポルノグラフィティ。故郷因島での初ライブ。行きたいに決まっている。ファンは概ね同じ気持ちだと思う。
行きたくてたまらない。悔しい。でも現実的に無理だし、激戦になってチケットは取れるわけないから諦めよう…。同時に島ごとぽるの展にも行けないことを受け入れた。無理矢理にでも。

7月、島ごとぽるの展が始まった。Xでみんなの投稿を見ては行った気分になっていた。いつか因島に行ってみたいなという思いのまま、気持ちを整理することができた。
それはたくさんの人が、島ごとぽるの展の魅力を発信してくれたから。
因島の景色、食事、そこに暮らす人たちのこと…写真や動画で賑わう島の様子を見ることができた。

8/31、因島公演初日。不穏だった天気はやがて強大な台風となり、安全性を考慮され、事前に中止の知らせが入った。
自然の力の前ではどうにも出来ない。ものすごく、残念な気持ちになった。行きたくても行けなかったライブ。それでも辛かった。どうにか2日目は開催されて欲しい。ただそればかり願った。自分が行けないライブが中止になることに、こんなに傷付いたのは初めてだった。
そして行けなかった人たち、ポルノグラフィティのお二人の気持ちを考えると涙が溢れた。

9/1、無事に開催された因島ロマンスポルノ2日目。前日の朝8時前に届いたメールの「開催」の文字が嬉しかった。これに関しては様々な状況があるから、複雑な思いを抱えてる人がいるのもわかる。けれど、そもそもチケットのない私には喜び以外の気持ちはなかった。
更に、急遽1曲だけ生配信されることが決まった。
それまでにもアクセスバスを増やすなど、本当に、本当に今できることを最大限やろうとしてくれているのが伝わった。現地にいた人たちは、もっと強く伝わったかもしれない。

生配信の時間。
映し出された舞台は骨組みとスクリーンだけのステージ。
屋根もなく、燦々と太陽が降り注ぐステージにポルノグラフィティはいた。
前日の31日も晴れたことが余計に、初日参加の人たちの気を落としたと思う。けれど急ピッチで仕上げたステージを見て、本当にギリギリの状態で準備したのが窺えた。

そして演奏されたのは「Aokage

雲をも掴む民」が発売された当時、昭仁さんはAokageを殆ど迷うことなく作ったと話していた。
自分が書きたい歌、自分が泣ける歌、因島の空気感を閉じ込めたような歌…そういう思いのある曲。

配信で昭仁さんは、今日来られなかった人、チケットが用意されなかった人、すべての人に向けて言葉をかけた。パフォーマンスでは全力の向こう側まで行っていたように感じた。たった1曲なのに、画面を通してものすごいパワーを感じた。晴一さんのギターの音色も心地良く、風に乗って届いていきそうだった。
青空の下の故郷で、配信含めたくさんのお客さんの前で披露されたAokageは遠くまで響いていくようで。
今まで聴いたAokageのなかで一番熱かった。
毎日ウォークマンで聴いていた中学時代を思い出す。島の風景を想像しながら聴いていたあの頃。因島の様子が垣間見える曲。いつまでも色褪せない故郷の歌。

たくさんの人の、たくさんの思いが詰まった因島でのライブ。
交通規制や、天候に左右されながらも多くのスタッフさんでステージやフードエリアを用意して…
因島ロマンスポルノって、島ごとポルノグラフィティライブだったんだなぁ…
たった1日だけでも開催されて良かった。
伝説のライブになったのではないだろうか。
いつか、何かの形で因島のライブ映像が観られたらいいな。

因島ロマンスポルノを支えてくださった全ての方に心から感謝します。

今週は横浜スタジアム2days!
最高のライブをみんなで作り上げるんだ!

いいなと思ったら応援しよう!