岡野昭仁さんの歌の力(個人的見解)
ポルノグラフィティのボーカル、岡野昭仁さん。今年でデビュー25周年。
歌唱中の滑舌の良さ、迫力のある歌声に、遠くまで伸びる声。聴く人の心を揺さぶる魂の歌声。
デビュー当時と比べて変化を感じるのは、幅広くなった表現力や音域の広さ。艶のある歌声。
変わらないのは、消えることのない歌への情熱。
初期の昭仁さんは今のような歌い方ではなかったけど、いつも強い思いを感じた。どうやって歌うかではなく、かっこつけず、ひたすらに、届けたいという強い思い。
今の昭仁さんはそれに加えて歌うごとに声が出て、遠くまで伸びやかに届いていき、聴く人の体ごと包むような迫力がある。
変化があっても、変わらないと感じさせる歌声。
それは昭仁さんがずっと、全力で表現することを続けてくれたから。
20年以上前、某イベントにポルノグラフィティが出演した時の昭仁さんは声の調子が悪く、思うようにパフォーマンスができないことがあった。諦めの気持ちまで芽生えてしまっていたという。
その際イベントを観に来ていたボイストレーナーの方から、“見てる人には関係ない。投げたらダメ”と言われたそう。
このことは当時の雑誌で話していたんだけど、20年以上経った今でも、この言葉は昭仁さんの心に残っている。
目の前にいるお客さんのために、ただ全力で。
立ち止まることや辞めることよりも、続けることの方が難しい時もあるのではないかと思う。
25年間を言葉にするのは簡単なことではないのに、それでも笑顔で「順風満帆でした」とワズビルのMCで語ってくれた昭仁さん。
「自信持っていけ、胸張っていけ」は、昭仁さん自身にも向けられた言葉なのかな。
自分の歌声に自信を持てなかった過去。
歌うことに自信を持てるようになった今。
25年間の軌跡が歌声となって、たくさんの人の元へ届いていく。
昭仁さんの魅力は歌声だけじゃなくて楽曲にも。
例えば、
「音のない森」
「ワンモアタイム」
「FLAG」
「キング&クイーン」
種類の違う4曲。
私の中で昭仁さんは主人公のイメージが強くて、いつもパワフルなパフォーマンスを見せてくれる希望の光みたいな人。
けれど楽曲制作では明るくストレートな表現をしたかと思うと、人の弱さや鬱屈した気持ちを表現する一面もある。
前を向いて歩いている人だけではなく、たったひとり、部屋の片隅で膝を抱えている人にも向けられているような昭仁さんの歌。
「自信もっていけ、胸張っていけ」
観る人の心を踊らせる歌声。
聴く人の心を救う歌声。
昭仁さんの歌に支えられている人がたくさんいる。今日もどこかで、支えられている誰かがいる。