医師が案内するセルフメディケーション講座
昭和の早い頃、もしかすると戦争前から、こんな箱が一家に一つありました。救急箱と言いましたか、「早く薬箱持ってきて!」と母親に言いつけられた覚えがあります。お腹が痛い時は正露丸、怪我をすれば赤チン。ピンセットやガーゼに包帯も入ってました。これ飲んで寝たら良くなる、これ塗っとけば勝手に治る、という大雑把な民間療法でしたが、意外に治り駄目なら病院に行きました。
昭和の薬箱の写真(公開中)。
今で言う『セルフメディケーション』です。世界保健機関(WHO)では「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。コロナの最後の頃は自分で鼻に綿棒を挿入して検査をされていましたね。セルフメディケーションはもうすでに始まっています。
風邪かな、と思って市販の風邪薬を飲んで様子を見る人が多いと思います。但し何が危ないのか、何を服薬するのか、どこまで経過を観るのか、が最も大事なことです。やはり医者に行った方が安心とか、熱が引かないからと受診し、二次感染に曝される患者さんが絶えないのは残念なことです。
さてどんな検査も万能ではなく、常に正しい結果が出るわけではありません。検査の選び方、タイミング、検査自体の感度、症状、経過を加味した最終判断が必要です。病院の検査に異常がなければ全て健康と言えるでしょうか?正式名、臨床検査は病気の人のベッドサイド(臨床)で、病気を見つける、追跡するための測定値、統計的に異常と見なされる範囲かどうかを知るための物差しです。度々検査をして、感染症、糖尿病、高血圧、高脂血症がないから安心、イコール、健康とは言えませんね。検査には異常が出るまでのタイムラグがあり、異常が出る前の対処こそがセルフメディケーションの目的です。メディアやインターネットにも健康情報が溢れていますが、何かの健康食品を摂ることがセルフメディケーションでもありません。
今、地域医療の担い手だった院長が高齢になられ、町の医院の閉院がちらほら出始めています。これに反比例して、オンライン診療のネット広告を頻繁に見かけるようになりました。医師の高齢化、経営難による医院の減少、医療従事者の働き方改革、大きな病院の人手不足が起こっています。おいそれと外来診察が受けられないことが近いうちに急速に増えてくることが予想されます。否応なくオンラインへの移行が加速されてくるでしょう。その時必要なのは、自分の身体のことを病院任せや人任せにせず、基礎知識を持ち上手にオンライン診療を活用することです。
医師が処方する薬が不足し、薬局の市販薬の在庫がかえって多いと言う意味不明の現象が起きています。規制がゆるい市販薬によっては処方薬よりも成分が多く危険な薬もあります。逆に成分が薄く薬効が足らない例もあります。内服後の経過を観ながら行う次の判断がずれる原因にもなりえます。医師自身が処方されたものではない、薬局で買う市販薬については、原則医師のサポートは受けられないこと、さりとて店の薬剤師が販売後の経過に責任を取れるわけでもありません。つまり、薬を買って飲む際にも一人一人が注意せねばならない時代がすぐそこまで来ています。
セルフメディケーションで一番大事なことは自己判断の限界を知り、どこまでのセルフメディケーションなら安全なのかを明確に知っておくことです。そのための考え方の基礎を会得することが本講座の目的です。
2024年6月から下記のメニュー(仮題)で無料コンテンツを順にアップしていきます。有料会員の方には突っ込んだ解説、自由質問、セルフ検査キット<令和の薬箱>などをお送りします。オンラインでダイレクトに医師と繋がりながら、あなたのセルフメディケーションを創っていっていただければと願っています。
(以下、太字はnoteに投稿)
1. 急性上気道炎。それともどこかの細菌感染?
2. 老化の分岐点はどこか。体力と老化の目安は筋肉。
3. 尿で分かる病気色々。
4. 家庭用医療機器の見方と使い方。
5. よく使う薬の良いところ、注意をするところ。
6. セルフ検査(尿、便、インフルエンザ/コロナ抗原検査など)の使い方。
7. 抗体価とワクチン。
8. 脳梗塞の始まりを知る。
9. 狭心症と心筋梗塞の間。
10. 怪我と傷。『ほったらかし』の利点。
11. 歩いて食べたら幸せになる。
12. 心不全:命がけの運動に注意を!
13. 誤嚥はいつどうやって起こるのか。
14. レントゲンの要らない骨折の見つけ方
15. 便秘を自分で診る。
16. 肩こり、筋肉痛でそれでいいのか。
17. 認知症と物忘れ。
18. 漢方薬のポイント。
19. ダイエットの効果を自分で測る。
20. 栄養素をざっと知っておく。
21. 効かせる薬、予防の薬、それ以外のもの。
22. 脳を調べることの基本。
23. 頭痛でおさえておきたいこと。
つづく。
令和6年5月28日
当院では便秘と腸活外来、生活習慣病外来を定期的に行なっております。オンラインでの診察も可能です。お問い合わせ下さい。
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急な発熱、腹痛、腰痛の方へ。『みんなの医療』ホットライン(下記URL)まで。
医師から直接メッセージが届きます。今どうすれば良いか分かります。今日からお薬を内服できます。ビデオ通話で救急診察を受けられます(365日対応)。セルフ検査(抗原/PCR)が受けられます。外来、往診を予約できます。
下記をご覧いただきご希望の項目をお送り下さい。ご案内させていただきます。
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