※ネタバレ注意※K2 482話『光明』/K2フレグランスを試してきたよ/『バディ』から一年経つそうです
K2 482話『光明』
もっちゃん!!!!
バードウォッチングを楽しむ老夫婦、しかし妻・由利子の様子がどこかおかしい。足元が覚束なく、夫があれこれと話しかけても反応が鈍い。昨日のことさえよく覚えていないようだ。そんな妻を見て、夫は悪い予感にため息をつくのだった。
そんな折、持病のバセドウ病の悪化で高品総合病院外科部長の職を辞したもっちゃんこと安倍川素子先生は平山医院という小さなクリニックで働くようになっていた。
外来日と診療時間を短く抑え、療養と並行しての雇用ではあるが、もっちゃんの確かな腕を慕う患者がすでに多数おり、高品院長と旧知でもある平山院長は「この病院を任せたい」と口にするほど。
もっちゃん担当の外来日、バードウォッチングの夫婦とその息子がやって来た。妻・由利子さんが転んだというのだ。
幸い、外傷は大したことがなかったが、もっちゃんは由利子さんの歩き方と受け答えにある懸念を抱き…?
もっちゃんの再登場が嬉しい
もっちゃんの再登場がとても嬉しい。
治療と並行して医師を続け、安心できる居場所を見つけていることも嬉しい。もっちゃんが就職した平山医院の老院長はどこか『止まった時間』シリーズの加賀美教授を思わせ、昼行灯に見せかけて往時はさぞや切れものだったんだろうな…という雰囲気。「子どもがいないから、もっちゃんに跡を継いでほしい」という発言もどこまで本気かはわからないが、父子の継承が多いK2の中でそういう提案が当たり前のように出てくるのが嬉しい。
なにより、もっちゃんの医師としての力量が見られて嬉しい。
高品親子和解編で、もっちゃん&淳子さんと龍太郎の物語が描かれなかったのが少し寂しかったのだ。
龍太郎が父子の時間の少なさを寂しく思いながらも、それがコンプレックスにも繋がったとはいえ医師高品龍一の実力は全く疑っていなかったのは、実際に龍太郎の側にいたもっちゃん達のフォローあればこそだろうし、龍太郎にとって身近で第一のロールモデルになってきた外科医は龍一ではなくもっちゃんだろう。
K2ワールドの「父」たち…進太郎先生とか一郎先生とか龍一先生とか…は揃って己の仕事に邁進したり失踪したりしていたら、いつの間にか息子たちが自分そっくり、ひいては追い越すほど成長し父を理解してくれるという豪運の果報者たちだが、職業は職業、親業は親業、全然違うものでよき職業人であることは家庭人としての瑕疵を補填しない…とも思うので。
あくまで他人、という難しい立場ながら高品龍一の親業を一部肩代わりしてきたもっちゃんの物語がもっと読んでみたかったのだ。だから嬉しい。
宮坂さんの髪型チェンジ、JUON回だけかと思いきや定番化していたようだ。かわいい。安倍川先生にあいたくて雪崩を引き起こした研修医たちから宮坂さんの襟首を掴んで守る也くんもかわいい。
認知症をK2で扱うのは二度目だ。一度目は106話の『認知症』。この回は認知症に対して医師が出来ることの少なさを噛みしめる苦いエピソードだったが、今回は治る症例ということでホッとできそうな気がする。次回も楽しみです。
K2フレグランスを試してきたよ
ディスプレイがすごい
9月19日に一般発売のK2フレグランスが、Primaniacs銀座本店にて9月13日から先行発売されている。
香りのお試しに加え、香りの語り部なるスタッフさんから調香コンセプトを伺うことも出来るということで行ってきた。
ショップ二階に特設ディスプレイが設けられており、そこですでに感動した。
膿盆にチューブ、鉗子といったオペ器具とともに飾られた一人先生。
ワイシャツに水色のネクタイ、聴診器とともに飾られた富永先生。
それぞれのディスプレイが、不世出の天才外科医であるドクターK一人先生の第一の本分と、ネクタイ姿も板についた病院長であり地域のかかりつけ医として「患者の声を聞く」存在である富永先生の本分を端的に表していて理解が深い。
富永先生のディスプレイには黄色が、一人先生のディスプレイには濃紺が使われているのも良いですね。バディって太陽と月のコンビだから。
ディスプレイはこれだけではない。
背中合わせの白衣が吊るされている。
白衣の襟元にはそれぞれの香水が振りかけられている。
なんてことをするんだ…と反射的に思った。スタッフさんが朗らかに「どうぞ嗅いでみてください」とおっしゃっていたが、白衣の襟をクンカクンカ嗅ぎ回る状況が謎すぎて無性に恥ずかしい。
漫画を読むときに使っている脳の分野と香りを嗅ぐときに使う分野が違いすぎて、こことここ接続させるキャラクター香水というグッズすごいな!!?と、今更商品の特性に気づくなどした。
しかし、ここまで気合を入れてディスプレイしてくださったことがそれ以上に嬉しい。
ついでに背中合わせになった白衣のちょうど真ん中あたりを嗅ぐと、二人の香水が混じり合ったイメージを体感できるというスペシャルもある。
それって体感していいことなんでしょうか…
香りもすごい
スタッフさんがK2専用ムエットにそれぞれの香水を吹きかけて渡してくださった。
一人先生のトップノートはカルダモンが効いていてスパイシーだが、香りの立ち上がりは穏やかで物静かな印象。しんと静まり返った部屋のような、たった独りで切り盛りしてたころのT村診療所はこんな感じだったのかもしれない。
反対に富永先生のトップノートは「シトラス!!!!」と爽やかさで殴ってくるほど立ち上がりが強い。「彼の猪突猛進さを表現している」とのスタッフさんの言葉通りだ。シトラス系でクセはないはずなのに我が強い。これは確かに無医村に飛び込んで来る男…
くだんの白衣にかけられた香水がちょうどミドルノートに差し掛かっていて、ミドルの香りも嗅ぐことができた。
ミドルは二人とも馥郁とした花の香りが膨らんでいて、多幸感がある。T村でともに過ごしていた時期がこのイメージだとしたら、なるほど青春時代だと思わせた。
お互いの香りが混じり合っているあたりを嗅ぐと、富永先生の香りの溌剌とした軽やかさを一人先生の香りに含まれる渋みがしっかり下支えしていて、単体で嗅ぐより奥行きが段違いでものすごく相性が良い。びっくりした。
ミドルノートは合わせることで完成する、といった印象さえあった。
そして、帰宅後にムエットに残ったラストノートを嗅いでまた驚いた。
『岐路』から10年以上が経った『バディ』の頃、それぞれの道を歩んでいる現在の二人をイメージしたのがラストノートだと思うが、富永先生の香水のイメージがここでガラッと変わる。
シトラスの爽やかさは一貫してあるのだけど、柑橘系の苦みのようなピリッとした印象が加わって、『バディ』回で揉める中津川くんたちを「まだ分かってないんだなぁ」と切ってのけたような厳しい側面を感じさせる。甘くない、舐めてかかると返り討ちにあいそうな、そんな香りになる。
片や、一人先生の香りはラストノートでぐっと柔らかくなる。アンバーでよく言われる「あたたかみのある香り」とはこういうことか、と思った。一貫して落ち着いた香りがさらにあたたかく柔らかくなって包容力を感じる。いろいろな事情を抱えた子どもたちを預かってきた当代Kのマントにくるまるとこんな感じなのかもしれない。
ラストノートで富永先生の印象に切れ味と辛みが増して、一人先生のそれが包容力ブーストするの…解釈に合うー!!!!!とラストで一番興奮した。
一人先生は追いかける存在であったり峻険な山に例えられたりするけれど、その実預かっているみんなの背中を支えてくれる人だと思うので。そして富永研太は一筋縄でいかない人だと思うので。
総じて富永先生の香水は勉強中など集中力を要するときに、一人先生の香水は気持ちを落ち着けたいとき、入眠時などに合いそうだなと思った。
合わせて使うのももちろん良さそう。
キャラクター香水を買ったのは初めてですが大変楽しめました。
貴重な経験をありがとうございました。迷っている方はぜひ
バディ回から一年経ちました
475話『バディ』の公開から1年が経った。あっという間でしたね。
忙しい彼らがなかなか会えないのはリアルだけれど、またそろそろ再会してほしいですね。