
東工大機械系(東京科学大)200番台履修感想まとめ
はじめに
このnoteでは2024年度に履修した東工大機械系200番台の授業の感想やアドバイスなどを書いています。24B,25Bの機械系の方の勉強の役に立てれば幸いです。また、23B入学者から機械系のカリキュラムが変わり、必修になった科目や特課研の履修条件が変更されています。Xやネットで調べて出てくる22B以前の人などの情報は少し違うところがあると思うので注意してください。追加で何か知りたいことがありましたらコメントしてください。自分はサークルに入っておらず周ってくる情報などが限られていたので、同じような人の助けになれれば嬉しいです。
1Q
①工業数学基礎
選択必修科目。22B以前は常微分方程式とベクトル解析という2つの科目に分かれていました。2024年度から一つの授業になり、試験も100分で2つをまとめて行いました。常微分方程式は微分方程式を解くことからはじまりフーリエ級数まで、ベクトル解析はベクトルの微分やストークスの定理、ガウスの発散の定理などを扱います。個人的にはベクトル解析のほうが難しかったです。どちらも毎週の課題35%+期末65%、出席はなかったですがベクトル解析は授業中に課題の回答をスライドで映すので出席したほうが良いです。常微分方程式はヨビノリの動画で復習しながら勉強しました。定数変化法の動画が特にわかりやすかった記憶があります。(2Qの工業数学発展でもヨビノリにはお世話になりました。本当に感謝。)
期末試験は持ち込み禁止であり、問題と解答用紙が一緒で回収されたため過去問はないですが、どちらも5問ほどの構成ですべての問題が毎週の課題レベルの難易度でした。時間的余裕もあるので課題レベルを全て解けるようにしておけば得単できると思います。(65点)
②工業力学
必修科目。剛体を扱い、モーメントを計算したりトラスで仮想仕事を利用したり…など。
期末試験は教科書・参考書のみ持ち込み可能。しかし教科書を見て解ける問題は出ません。かなり難易度も高いので授業をしっかり聞いたほうが良いです。
2024年の出題内容は
1:トラス作用する軸力の問題
2:相対運動
3:慣性モーメント、剛体の2次元運動
4:慣性テンソル、剛体の3次元運動、オイラーの運動方程式
といった感じでした。自分は普通に一夜漬けで落としたので、注意が必要です。周りにもかなり落単者がいたイメージです。来年頑張ります。(42点)
③材料力学
必修科目。木曜1~2限。応力という考えから始まり、はりを曲げてモーメントを計算したり、材料を引張、圧縮などをして強度を計算したりします。実用的で結構面白かったです。2回目以降の授業の最初に行われる小テスト(全6回)が30%+期末70%でした。
小テストを全て提出した人と再履修勢には救済があるらしいです。期末は様式自由のA4の紙1枚関数電卓のみ持ち込み可能でした。自分がwordで制作したものを一応貼っておきます。
練習問題や小テストの回答も授業中に映し出せれるので、写真を撮ってくのがおすすめ。これがないと試験勉強ができなくて詰みます。2024年の期末はかなり計算が煩雑であり関数電卓を持たないで受けた勇者は悲鳴を上げていたので、関数電卓は持っとくと良いと思います。
また、最後の大門でカスチリアーノの定理を用いた問題が出題されましたがそれもかなり計算が重かったのでカンペに授業で行ったカスチリアーノの問題、解答を書いておくなどしておくと良いかもしれないです。なお途中式を書かず答えのみの形式なので計算ミスをするとすべて吹っ飛びます。力やモーメントの符号には特に注意しましょう。
2024年の出題内容は
1:小門集合(鬼計算)
2:圧縮、引張の不静定問題、熱応力に関する問
3:はりの曲げモーメント、たわみ、カスチリアーノの定理に関する問
といった感じでした。教授が生徒思いな人なので真面目に勉強していれば単位は来ると思います。小テストをすべて受けると救済があるらしいので、ちゃんと全部行きましょう。自分は舐めて半分くらい行かなかったら落としてしまいました。必修科目は油断しないほうがいいです。本当に、、、 (自戒)(49点)
④機械系リテラシー
機械系必修科目。2単位。基本的にすべて出席が必須。3.5回の欠席で落単が確定(遅刻は0.5回欠席扱い)でした。
初回は教室でガイダンス。卒業生の話を聞いたり動画を見たり。出席を取られるので行きましょう。また、2週目からは石川台で実習なので、遅刻しないように!!自分は1週目と同じ教室に行き無事遅刻しました。あまり遅刻しすぎると加工実習は受けさせてもらえないので注意しましょう。
実習は前述の金属を加工したりする加工実習とライントレーサーを作る電気工作実習、洗濯機などを分解する分解実習の3つに分かれ、それぞれ2回ずつ行います。(学生を3つのグループに分けてローテーションする)
・加工実習
大幅な遅刻は授業を受けさせてもらえなかったので注意したほうが良いです。安全のため長袖長ズボンでいくことなども事前にアナウンスされるので気を付けましょう。更衣室で着替えてから実習室に入ります。ボール盤や旋盤でアルミや鉄を加工したり、3Dプリンタを見たりしました。
・分解実習
班に分かれ洗濯機を分解しました。所々力で解決するところがあり、かなり疲れました。
・電気工作
これが厄介なライントレーサーの作成です(ライントレーサーとは黒線のの上を走る車みたいなの)。2回あるうちの初回ではArduino やフォトリフレクの使い方を理解します。これはまぁ友達やTAに聞けばいけます。問題は2週目に制作するライントレーサーです。自分ではんだ付けをし基盤を製作し、プログラムを組み黒い線上を動く車を作成します。
工力、材力の期末の勉強と被るので2回目授業までに家で完成させておけばよかったな、、、と反省しています。
難しい点は何個もあげられますが自分で思ったのは
①そもそも部品が使いまわしで接触不良があったりPCからフォトリフレクタを抜くと値がかわるためしきい値の設定が面倒(これに関しては真偽不明)
②はんだが付けが不器用な人にとっては地獄(基盤の使わないところで練習するとよいかも。また、基盤にパーツが色々付いてくるとはんだ付けの際に基盤が安定しなくてうまくいかなかったので自分は大きめの洗濯ばさみで逆さにした基盤を挟み、固定してました。おすすめ。↓)

③部品をなくしたりはんだ失敗すると秋葉原まで買いに行かなければならない(自分は秋月電子という有名なところにはんだと抵抗などを友人と買いに行きました。店員さんにこのパーツが欲しいですって言えば教えてくれました。ワット数などは多少違くても問題なくできた記憶があります)
④プログラム制作。(自分はプログラミング経験がなかったため苦労しました。友達と協力しましょう。)
などですかね、、、
そしてわからないところは積極的にslackで聞くのが良いです。自分の疑問と似たような質問をしている人もいました。
まとめると、かなり大変でしたが自分で一から作り上げたものが動いた時の結構感動しましたね。自分は1Qでこの科目が一番やりがいがありました。(合格)
2Q
①熱力学
必修科目。3人の教授が授業をするオムニバス形式。毎回授業内課題や宿題などが出され、それが配点の30~40点、期末試験が60~70点でした。授業内課題や宿題は簡単なものばかりなので、必ず行って点数を稼いでおきましょう。期末試験はA4の紙1枚が持ち込み可能で、自分の反省としてはノーマークだったhs線図が出題されていたのでサイクルのts線図やhs線図をカンペに書いといていてもよいかもしれません。大門は3つで教授ごとに作ったものと考えられ、1⃣は小門集合。2⃣はオットーサイクルと熱反応の2題。3⃣はランキンサイクルについてでした。(記憶が曖昧なので間違えている可能性あり)難易度は高くなく、授業に出席し演習や宿題メインで勉強して余裕をもって得単できました。(85点)
②工業数学発展
選択必修科目。以前は複素関数と偏微分方程式で別々の授業科目だが2024年から合体して1つの科目になりました。そのため講義の1-7回は偏微分の、8-14回は複素関数の講義が行われました。偏微分は授業内に課題が提示されたり、テストで出るとこを教えてくれたので行ったほうが良いと思います。偏微分は常微分よりも解法が少なく、簡単に感じました。(変数分離とラグランジュくらいしかない)しかし、2階の偏微分の変数分離法の計算がかなり厄介でした。
複素関数は内容が抽象的で授業もかなり難しかったです。コーシーリーマンに始まりコーシーの積分公式、留数定理、複素積分、実関数積分への応用と学びました。ヨビノリの動画で復習するのがおすすめです。
期末は2つ合わせて100分だったと思います。大門は4つで2024年は
1.ラグランジュで解くやつ×2、ラプラス変換を用いた微分方程式、連立方程式。
2.熱伝導方程式変数分離一般解(最後のフーリエ級数展開はやる必要なかった。授業で3種類2階の偏微分の変数分離を習うと思うが、どれもできるようにしておくとよいと思う。)
3.留数定理、ローラン定理、コーシーリーマン
4.複素積分(実関数積分への応用)たしか-∞から∞のx^2/(1+x^4)の積分
といった感じでした。(88点)
③情報数理基礎
必修科目。2単位。VisualStudioというソフトをダウンロードしてC言語の基礎からポインタ、数値計算への応用までを扱います。正直C言語を2か月でマスターするのは結構厳しかったです、、、泣。期末はプログラミング、C言語の基礎知識や短いコードについてなど。マークシートで一部ロト6状態でしたが単位はきたので、下駄があるはず。(76点)
④機械要素
必修科目。2単位。1Qの機械系リテラシーに続いて実習です。午前中は授業、午後は実習といった形式でした。実習は班に分かれて自転車を分解したりフライス盤で絵を描いたりしました。毎回出席して実習をきちんとこなせば単位は来ます。期末試験は歯車の問題が難しかった記憶がありますが、教科書持ち込みokなので半分くらいは出来たと記憶しています。教科書が試験当日にないと困るので、買っておきましょう。(83点)
⑤電気電子工学基礎
選択科目。2単位。落としました。むずい。
3Q
①機械力学
必修科目。授業中に課題のpdfのパスワードを発表したり課題の答えを先に見せてくれたりするので出席したほうが良いです。教授の面倒見がかなり良く課題の解説や演習も豊富で勉強しやすかったです。やることは高校物理のばねの問題の進化版で、とにかく振動の運動方程式を立ててその微分方程式を解いて結果を三角関数でまとめて~のような感じ。計算自体はシンプルでやりやすいですが原理原則の理解は難しいといった感じでした。
成績評価の内訳は課題30%中間35%期末35%でした。課題は結構重めの回もあり一部白紙で提出した時もありましたが、点数は結構来たのであまり減点されてないのかもしれないです。中間試験は難し目で自分は半分程度しか取れなかったです。期末試験は演習問題と中間試験から出題されると事前告知があったのでかなり勉強しやすく点も取れた手ごたえがありました。試験が終わった後に全部できたと言っている人もちらほらいた感じです。全体的には真面目にやっていれば80~90点くらいは来ると思います。
人によって簡単という人もいたり難しいという人もいたりしてよくわかりませんでしたが微分方程式が得意か否かに起因している気がします。。。(84点)
②基礎流体力学
必修科目。流体力学自体が難しいので後半は??状態でした。出席したほうが良いです。期末試験も難しく、自分は半分くらいしか取れてないと思いますが課題と下駄に助けられた感がありました。課題をしっかりやり、演習問題を復習しておけば、単位は来ると思います。一応2024年の期末の内容(問題は回収されたため参考程度に)を試験後すぐメモしたものをコピペしておきます
基礎流体2024
1 ベルヌーイと運動量保存(平面にかかる力)
2 流線、渦度、流線曲率から圧力、循環
3 流れ場から流れ関数と速度ポテンシャルを求める(演習2-3に類似)
4 複素速度ポテンシャル+定理、背景
(1問目は演習2-2に類似)、Kutta-Joukowskiなど用語の説明?
(71点)
③機械製図
必修科目。恐怖の金曜5~10限。もう思い出したくない。3Qはこれに加えて機械力学、基礎流体と必修が3つもありかなり重かったですね。おそらく機械系の2,3年で一番忙しいQだと思います。
具体的にはInventorを使って製図をしたり設計のイロハを学びました。うまくいかなくても教授や友達に聞いて頑張りましょう。かなり大変でしたが教授のサポートなどは厚く、なんだかんだ最後にはある程度inventorが使えるようになったので良かったのかなと思います。点数付けも最終的には優しく、90点以上の人が多かった印象です。(95点)
④弾塑性力学
選択必修。課題を毎回出し試験前に過〇問と教科書の問題をやりこんだら得単できました。やってることは材料力学の進化版ですね。A4紙1枚のカンペ持ち込みOKだったのでミチミチに書いていきました。期末も〇去問に似ていて難易度は高くなかったです。しかし課題はかなり計算量が多いものがあり一部白紙で提出したものもありました。1限だったので初回しか出席しなかったのはここだけの秘密、、、(82点)
⑤ロボット機構学
内容が難し過ぎてついていけず途中から行かなくなり落としました。来年取ります、、、
4Q
①計測工学
全7回出席して課題で評価されます。MATLABやArduinoを使い、画像処理やデータのフーリエ変換などを行いました。シラバスだけ見ると難しく感じるかもしれませんが、やってる内容は今までやってきたことに類似している部分があり、そこまで苦労はしませんでした。朝頑張って起きて、課題を及第点で提出していれば80点程度は来ると思います。
(80点)
②計算力学
Pythonを用いた連立方程式の数値解析や流体シュミレーションを行いました。後半部分が特に面白かったです。授業内課題は難しいものもありましたがプログラミングが得意でない自分でもなんとかなったので大丈夫だと思います。期末試験もあまり難易度は高くなく、全体的にシュミレーションへの興味が湧く良い授業だったので特に書くことはありません。4Qは3Qと一転楽な授業が多くてよかったです。4Qの計測、計算は楽単(小声)
(82点)
③機械材料工学
選択必修科目。機械材料のことを学びます。結晶や鉄鋼材料、非金属材料など。内容は高校知識のプラスアルファみたいな感じ。ただある程度勉強しないと期末は取れない感じでした。2024年は
1.fccの空隙の計算
2.降伏応力?(あまり覚えてないすみません2つの原子の物質の降伏応力みたいな、、、?)
3.2次元部分平衡状態図(Fe-C)のα層、γ層、Fe3C層の割合
4.分解せん断応力(FCCのAl単結晶を[001]に引張応力σ0 で引張っ たときのすべり応力を計算せよ。 • すべり面は(111),すべり方向は[101]とする)
5.後半の教授の内容。語句の穴埋め。(セラミックスの種類、製造方法、強度データ、Weiibul係数、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭化タングステン(WC+コバルト焼結)、グラファイト、ガラスの種類、熱可塑性プラスチック、4大汎用プラスチック、スーパーエンプラ、SS400、S45C、鋼、CO2排出量の話、関与物質総量、などの語句、内容は出てました。)
(追記:課題1個だけ出せなかったのがあり57点でした、、、泣。課題は全部出したほうが良さそう、、、)
④解析力学基礎(機械)
選択科目。1コマ1単位のみの授業でした。学ぶ内容はラグランジュの運動方程式を用いて運動方程式を記述することがメインです。今までニュートンの法則で運動方程式を立式していましたがこれを覚えると機械的に運動方程式を導けかなり楽です。自分はわからないところなどはYouTubeで勉強していました。期末試験は演習問題や講義内の問題と同じ問題は出ず、難易度はまぁまぁ高めでした。試験後に内容をメモした画像を張り付けておきます。(75点)

1年のまとめ
結局自分は1年間で35単位を取ることができましたね。(40は取りたかった、、)東工大生は2年生が終わるまでに90単位くらいとっておくと3年前期で110単位到達し就活、留学、資格、サークルなどに時間を割くことができるようになるのでおススメです。ちなみに自分は大学1年で留年しており、院には行かず来年度単位を取りながら就活する予定なのでその経験談などもnoteに書いておこうと思います。また、300番台科目の感想も書いていけたらなと思います。
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。なんだかんだ機械系は良い系だと思います。頑張りましょう!!
(僕と同じく留年している方、つらいときは休んでいいです。自然とまた頑張れるようになる時が来るので大丈夫です。一緒に頑張りましょう。自分が助けられることは助けるので良ければコメントして下さい。2025年2月12日)