東工大機械系(東京科学大)200番台履修感想まとめ
1Q
はじめに
23B入学者から機械系のカリキュラムが変わり、必修になった科目や特課研の履修条件が変更されています。注意してください。必修は2年と3年の前期のみです。(特に2年次はほぼ必修と選択必修のみです。すべて教務webに自動で反映されてる科目のはずです)しっかり取って3年の後期に時間を作ることを勧めます。特に必修は全ての得単が特課研所属要件であり、200番台の必修は3年生で落とすと留年が確定するので、どれが必修かを確認し、必修だけは落とさないようにしましょう。
特課研所属要件は必修全てと選択14以上、それらを含め機械系専門科目から50単位以上、さらにそれらを含み全単位110以上です。ここら辺は入学年度の学習案内に従うのでしっかり確認しましょう。
①工業数学基礎
機械系選択必修科目。月曜5~8限。2単位。22B以前は常微分方程式とベクトル解析という2つの科目に分かれていました。2024年度から一つの授業になり、試験も100分で2つをまとめて行いました。常微分方程式は微分方程式を解くことからはじまりフーリエ級数まで、ベクトル解析はベクトルの微分やストークスの定理、ガウスの発散の定理などを扱います。個人的にはベクトル解析のほうが難しかったです。どちらも毎週の課題35%+期末65%。出席はないがベクトル解析は授業中に課題の回答をスライドで映すので出席を勧めます。常微分方程式は、個人的にはヨビノリの動画で勉強するのががおすすめ。定数変化法の動画が特にわかりやすいです。期末試験は持ち込み禁止であり問題と解答用紙が一緒で回収されたため過去問はないですが、どちらも5問ほどの構成ですべての問題が毎週の課題レベルの難易度でした。時間的余裕もあるので課題レベルをすべて解けるようにしとけばほぼできると思います。なお期末終わりに解説授業があったらしいが、聞いた人がいたかは不明…落としても3年の同じ時間に必修があるので再履修は基本的にできないです。
②工業力学
機械系必修科目。水曜1~4限。2単位。2年生で落とし3年生でも落とすと留年。剛体を扱い、モーメントを計算したりトラスで仮想仕事を利用したり…など。以前は出席はなかったが2024年は教授が変わり、あまりにも出席者が少なかったため途中から出席がとられたらしい(笑)
期末試験は教科書・参考書のみ持ち込み可能。しかし教科書を見て解ける問題は出ません。かなり難易度も高いので授業をしっかり聞こう。
(過去問の公開はグレーゾーンなため)2024年の出題内容は
1:トラス作用する軸力の問題
2:相対運動
3:慣性モーメント、剛体の2次元運動
4:慣性テンソル、剛体の3次元運動、オイラーの運動方程式
といった感じでした。
③材料力学
機械系必修科目。木曜1~2限。応力という考えから始まり、はりを曲げてモーメントを計算したり、材料を引張、圧縮などをして強度を計算したりします。実用的で結構面白かったです。こちらも2年連続で落とすと留年。2回目以降の授業の最初に行われる小テスト(全6回)が30%+期末70%です。
小テストを全て提出した人と再履修勢には救済があるらしい()期末は様式自由のA4の紙1枚関数電卓のみ持ち込み可能。自分がwordで制作したものを一応貼っておきます。
最後の授業で小テスト来てない人は期末も受けないで下さいと言われたのでちゃんと毎回出席しましょう。練習問題や小テストの回答も授業中に映し出せれるので、写真を撮ってくのがおすすめ。これがないと試験勉強がはかどらなくて詰みます。2024年の期末はかなり計算が煩雑であり関数電卓を持たないで受けた勇者は悲鳴を上げていたので、関数電卓は必ず持ち込みましょう。最後の大門でカスチリアーノの定理を用いた問題がでましたがそれもかなり計算が重いので、授業で扱ったカスチリアーノを用いる練習問題は、すべてカンペに結果を書いておくとよいかもしれないです。なお途中式を書かず答えのみの形式なので計算ミスをするとすべて吹っ飛びます。力やモーメントの符号には特に注意しましょう。試験終了後に教授が半分出来ていたら大丈夫。1/3の人は厳しいかもといっていたが半分取れた人もあまりいなかったように感じました…
2024年の出題内容は
1:小門集合(鬼計算)
2:圧縮、引張の不静定問題、熱応力に関する問
3:はりの曲げモーメント、たわみ、カスチリアーノの定理に関する問
といった感じでした。
④機械系リテラシー
機械系必修科目。木曜5~8限。基本的にすべて出席が必須。3.5回の欠席で落単。(遅刻は0.5回欠席扱い)この科目はかなり注意点が多く、これを落とすと300番台の必修が取れないため、留年が確定します。そのため、絶対すべての授業に出席すること。
初回は教室でガイダンス。卒業生(男1人女1人)の話を聞いたり動画を見たり。出席取られるので行くこと。
また、2週目からは石川台で実習なので、遅刻しないように!!自分は1週目と同じ教室に行き無事遅刻しました。あまり遅刻しすぎると加工実習は受けさせてもらえないので、注意。(機械の説明を聞いてない人に触らせられないので、当たり前。油断すると指吹っ飛んだりするので機械の説明はちゃんと聞くこと)
実習は前述の金属を加工したりする加工実習とライントレーサーを作る電気工作実習、洗濯機などを分解する分解実習の3つに分かれ、それぞれ2回ずつ行います。(学生を3つのグループに分けてローテーションする)
・加工実習
これは前述のとおり遅刻しないこと!!安全のため長袖長ズボンでいくこと!!更衣室で着替えてから実習室に入る。ボール盤や旋盤でアルミや鉄を加工したり、3Dプリンタを見たりしました。
・分解実習
班に分かれ洗濯機を分解しました。みんなでコミュニケーションをとって協力しよう。所々力で解決するところがあり、汗だくになりました。
・電気工作
これが厄介すぎるライントレーサー作成です。2回あるうちの初回ではArduino やフォトリフレクの使い方を理解します。これはまぁ友達やTAに聞けばいけます。問題は2週目に制作するライントレーサー。自分ではんだ付けをし基盤を製作し、プログラムを組み黒い線上を動く車を作成します。
期末の勉強と被るので2回目授業までに家で完成させておくのが理想。
これがまぁ難しいしそもそも部品が使いまわしで接触不良があったりPCからフォトリフレクタを抜くと値がかわるためしきい値の設定が面倒など(これに関しては真偽不明だが可能性高)かなり厳しいです。
はんだも初めてやる人は難しいので基盤の使わないところなどで練習してからやりましょう。ちなみに基盤は半分しか使わないのでもし失敗したら上下逆さまにしてやればok。(自分はこれで出来ました)はんだ付けは、表面でパーツと面をセロハンでは固定し(逆さまにしても抜けないようにするため)、大きめの洗濯ばさみで逆さにした基盤を挟み、固定するとうまくできたので、持っていくとよいかも。こんな感じ↓
部品をなくしたりはんだ失敗すると秋葉原まで買いに行かなければならないです。(東工大はお金ないのか??早稲田の友人はかなり良い機材で同じライントレーサーを作成してました…うらやましい…)自分は秋月電子という有名なところにはんだと抵抗などを友人と買いに行きました。店員さんにこのパーツが欲しいですって言えば教えてくれました。ワット数などは多少違くても問題ないので安心しましょう。帰りにラーメンを食べました。おいしかった……
プログラムも制作が難しかったですが自分は
const int MOTOR1 = 4;
const int MOTOR2 = 5;
void setup() {
Serial.begin(9600); // 9600bpsシリアル通信ポート開く
pinMode(4, OUTPUT); // D4O,D5,ピンを出力に設定
pinMode(5, OUTPUT);
}
void loop() {
int sensorValue = analogRead(A0); // A0ピンからデータを読込む
Serial.println(sensorValue); // シリアルモニターに表示させる
if (analogRead(A0) > 1005) {
digitalWrite(5, 1000);
digitalWrite(4, 0);
} else if (analogRead(A0) < 1005) {
digitalWrite(5, 0);
digitalWrite(4, 1000);
}
delay(200);
digitalWrite(5, 0);
digitalWrite(4, 0);
delay(500);
}
こんな感じでやるとうまくいきました。これをコピペしてもよいですがちゃんと理解してプログラムを書くことをお勧めします(Arduinoの言語はC言語をもとにしているので2Qの予習にもなります)。
ポイントは左右どちらかの車輪を動かすところと両輪一時停止をvoid loop(ループ関数)に入れカクカク動くようにしたところです。一時停止なしの人もいましたが、このタイプでうまくいった人が多かったように感じます。USBを抜いた後はひたすらA0>1005の1005(しきい値)をいじります。
結局2回目の授業で回った人は1クラス10人くらいで補講で成功した人も半分くらいだった気がします。自分は補講でなんとか成功しました。
余談ですがこの科目も前年までは別の名目で、ライントレーサーも4週かけて行っていたらしいので、2週で仕上げるのはそもそも無理がある。。。
そしてわからないところは積極的にslackで聞きましょう。
あ、あとジャンパ線を基盤に直ではんだ付けするのではなくピンヘッダを使いやると楽です。ピンヘッダの使い方は授業で説明された記憶がないのですが….
まとめると、かなり大変でしたが自分で一から作り上げたものが動いた時の感動は素晴らしかったです。頑張ってください。自分は1Qでこの科目が一番やりがいがありました。
⑤二外・文系など
自分はスペイン語と政治学と教養特論:日本近世史を取りました。すべて楽単です。おすすめ。
最後に
2Qが終わったら2Qの分も公開しようと思います。何かありましたらコメントして下さい。
2Q
①熱力学
必修科目。2単位。3人の教授が授業をする。毎回授業内課題や宿題などが出て、それが配点の30~40点、期末試験が60~70点を占めるため、すべての授業に行くことをお勧めする。授業内課題や宿題は簡単なものばかりなので、必ず行って点数を稼いでおこう。期末もA4の紙1枚が持ち込み可能なのですべてのサイクルのts線図やhs線図などを書いたものを持ち込むことをお勧めする。特にhs線図は出題されていたのでメモしておこう。大門は3つで教授ごとに作ったものと考えられる1⃣は小門集合のような感じ。2⃣はオットーサイクルと熱反応の2題。3⃣はランキンサイクルについてだった。(記憶があいまいなので間違えている可能性あり)難易度は高くなく、カンペ写し大会などと言われていた(笑)
②工業数学発展
選択必修科目。出席なし。2単位。少し余談だが3年の2Q以降は選択必修がほぼないため、2年で選択必修もまぁまぁ取っておくことをお勧めする。そして工業数学発展もそこまで難しくないので取ることを勧める。
以前は複素関数と偏微分方程式で別々の授業科目だが2024年から合体して1つの科目になった。そのため講義の1-7回は偏微分の、8-14回は複素関数の講義が行われる偏微分は授業内に課題が提示されたり、テストで出るとこを教えてくれたりするので、行くことをお勧めする。複素関数については正直説明がわかりにくく課題が後でt2scolarに挙げられるのでそこまで行く必要はないのかもしれないと感じた。
内容的には偏微分はまぁ東工大生なら普通に解けるのかなーと感じた。自分は東工大オープンで数学240点くらいを取ったのがプチ自慢なのだが、常微分よりも解放が少なく、かなり簡単に感じた。(変数分離とラグランジュくらいしかない)2階の偏微分の変数分離法が計算がかなり厄介だった。
複素関数はコーシーリーマンに始まりコーシーの積分公式、留数定理、複素積分、実関数積分への応用と道のりがとても美しかった。とくに実関数積分への応用はかなりすごいので、これから学ぶ方は楽しみにしておいてほしい。しかし教授の解説がまぁわかりにくい。自分はヨビノリの動画を強くお勧めします。あれは神。
期末は2つ合わせて100分だったと思います。大門は4つで2024年は
1.ラグランジュで解くやつ×2、ラプラス変換を用いた微分方程式、連立方程式。
2.熱伝導方程式変数分離一般解(最後のフーリエ級数展開はやる必要なかった。授業で3種類2階の偏微分の変数分離を習うと思うが、どれもできるようにしておくとよいと思う。)
3.留数定理、ローラン定理、コーシーリーマン
4.複素積分(実関数積分への応用)たしか-∞から∞のx^2/(1+x^4)の積分でした。
といった感じでした。