AIを使って「ドラえもん」の限界に挑む
はじめに
みなさんはテセウスの船をご存じだろうか
ある物体において、それを構成するパーツが全て置き換えられたとき、過去のそれと現在のそれは「同じそれ」だと言えるのか否か、という問題 である
私はこのテセウスの船から着想を得てあることを考えた
ドラえもんというキャラがいる
ドラえもんは人気キャラである故に様々なパロディキャラが存在する
そのためドラえもんの構成するパーツを少しぐらい変えたところで人々は
「このキャラはドラえもんが元ネタだな」と認識する
それでは人々が「これはドラえもんだ」「いやドラえもんではない」(別のキャラ)という境界はどこにあるのだろうか
今までこの結論は「人によって意見が分かれる」であった
しかし、この結論を下すのが人ではなくAIであったらどう判断するのだろうか
実験概要
実験で明らかにしたいのは
①どこまで姿を変えたらAIはドラえもんと認識しなくなるのか(別のキャラと判断する)
②ドラえもんだと認識するのはどこまでか
この二点である
実験に使用するのはグーグルレンズである
Google レンズは、AIを利用して画像から関連情報を検索できるサービスのことである
この実験において私は以下のルールを設ける
①ドラえもんの頭、目、口、胴体、手、足は無くさない
②ドラえもんのパロディキャラはドラえもんであると判断する
③初期の耳がついた黄色いドラえもんもドラえもんだと判定する
④ドラえもんズもドラえもんだと判断する
→ドラえもんズ自体がドラえもんを元にしているため
実験方法
実験は六月九日に行った
実験に使うドラえもんの素材はグーグルで「ドラえもん」と検索して一番上に来たものを使用する
まずこの画像をグーグルレンズを使用すると100%ドラえもんと判断される
そして検索結果に類似した画像が何枚か表示される
・このドラえもんの画像のどこか一部を改変・消去して再びグーグルレンズに使う
上記の作業を
①どこまで姿を変えたらaiはドラえもんと認識しなくなるのか
(明らかなパロディではない別のキャラと判断する)
②ドラえもんだと認識するのはどこまでか
の二つがわかるまで繰り返す
実験開始
1
まずドラえもんの鈴とポケット尻尾をとってみる
取った部分は違和感のないように修正する
2
鼻とヒゲをとってみる
3
大きい目の白目の部分をとる
4
これ以上要素を減らすのは難しいため
今度は色を変更する
適当に色を変更するのではなく
ドラえもんの青を補色であるオレンジに変更してみる
5
こんどは白を黒にしてみる
形は変わってないのに検索結果からドラえもんが消えてしまった
実験は失敗である
7
頭を四角にして口を小さくする
すると群馬県のマスコットキャラであるぐんまちゃんがあらわれる
8
頭以外の部分の手と足を四角にする
9
腹の白い部分を四角にして口を閉じさせ両目を開けてみる
1枚のみドラえもんである次の試行でドラえもんが消えたら②の実験は成功である
10
最終試行 頭の白い部分も四角にする
検索結果からドラえもんが消えた
①の課題成功である、よって9の試行も②の課題成功である
実験結果
実験結果である
①この画像はAIがドラえもんと認識しない何かである
名前がないのは気の毒であるので
私はこれ四角形(squere)からスクえもんと命名する
②そしてこの画像がギリギリAIがギリギリ認識するドラえもんである
(以上の結果は2024年6月9日のグーグルレンズの結果である)
以上。
終わりに
今回の実験で分かったこと
ドラえもんだと認識されるためには
①個々のパーツが丸いこと
②体色が白と青、もしくは黄色
であることが必要である
※一部のパーツを変えてもそこまで変化は起きない
色を一気に変えるとドラえもんと認識されない
この実験結果から何を学んだか
特になし、グーグルレンズは優秀であることぐらい