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日経バイオテクの記事 2024/4/1 - 4/8

今日は日経バイオテクの記事にざっと目を通したので、中でも印象に残った記事をここにリスト化してみます。

まずはmRNAワクチンの話題です。普通mRNAワクチンは脂質ナノ粒子(LNP)に封入します。これは体内でのmRNAワクチンの分解を防いだり、免疫を高めたりする効果があります。しかし一方で炎症や発熱などの副反応の原因にもなりえます。今回の内田先生のmRNAワクチンは脂質ナノ粒子を使いません。その代わり皮膚にジェットインジェクターと呼ばれる方法を用いて裸のmRNAワクチンを噴射するらしいです。

これはCAR-Tに関する記事です。通常CAR-Tを製造するには患者から採取したT細胞に、T細胞受容体を改変するために必要な遺伝子をウイルスベクターに搭載して、そのウイルスベクターをT細胞に導入する必要があります。このウイルスベクターの製造を含む全体の製造プロセスは中々複雑です。しかし、この記事にあるin vivo CAR-TではLNPに遺伝子改変に必要なmRNAを封入し静脈に投与します。このLNPの表面に抗体などを付加し、標的細胞に結合するようにデザインしているところがミソです。

また、最近はバイオテクノロジーを駆使した抗体医薬品や再生医療をイヌなどの動物用に開発する研究も盛んになってきました。これまで日経バイオテクを購読してきましたが、先月からこの手の研究開発に関する記事が急に増えたように思います。4月の上旬だけでも以下の記事が掲載されていました。


最後は日本のドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロスに関する話題です。残念ながらバイオ医薬品の研究開発は欧米が中心です。最先端のバイオ医薬品が欧米で開発された場合、日本でも臨床試験を行い、厚労省に承認されないと、そのバイオ医薬品を日本で販売することは出来ません。欧米の製薬企業にとって日本が魅力的な市場であれば日本で臨床試験を行い承認を得る意義がありますが、日本の市場に魅力がなければ、日本での開発を行わなくなります。そうなると、我々日本人は最先端のバイオ医薬品を使った治療を受けられなくなります。それがドラッグ・ロスです。また、欧米で承認されてから日本で承認されるまでにタイムラグが発生する場合、ドラッグ・ラグと呼ばれます。そういった事態に陥らないための施作に関する記事が以下の2つです。


今日はここまでです。
またよろしくお願い致します。

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