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気候変動と環境危機 Vol. 009『北極の温暖化とジェット気流』

みなさん、こんばんは。今日は気候変動と環境危機のお話です。今日で9回目になりました。
これは、あのグレタさん編著の本になります。400ページ以上あるとても分厚い本なのですが、ちびちび少しずつ読み進めています。今日は第2部6章『北極の温暖化とジェット気流』、著者はジェファニー・フランシス(ウッドウェル気候研究所の上級科学者)に書かれていることを元にChatGPTで調べたことをここにまとめたいと思います。

まず最初に2021年に起きたさまざまな異常気象について書かれていました。

2021年の異常気象は、北極の温暖化と密接に関連していると多くの科学者が指摘しています。北極の温暖化による気候変動が、ジェット気流や大気のパターンに影響を与え、それが世界各地で見られた極端な気象現象に繋がったと考えられています。

1. 北極温暖化の影響
北極地域は他の地域と比べて温暖化が進んでおり(図1)、これを「**北極の増幅**」と呼びます。北極の温暖化は、以下のような影響を引き起こし、異常気象の発生を助長することがあります。

海氷の減少:北極の海氷が減少すると、太陽光を反射する氷が少なくなり、より多くの太陽エネルギーが海に吸収されます。このエネルギーが北極の温度上昇をさらに加速させます。
気温の上昇:北極での気温上昇により、北極と中緯度の温度差が縮小し、それがジェット気流のパターンに影響を与えます。

2. ジェット気流の変化
2021年の異常気象の背後には、ジェット気流の変化が関与しています。北極の温暖化によってジェット気流が弱まり、蛇行しやすくなることで、極端な気象パターンが引き起こされました。具体的には、次のような影響がありました。

・ジェット気流の蛇行:ジェット気流が大きく蛇行し、特定の地域で冷たい空気や暖かい空気が長期間停滞することがありました。これにより、長期間の極端な気温変動が発生しました。
・ジェット気流の停滞:ジェット気流が停滞すると、同じ気象パターンが長く続きやすくなり、異常気象が持続する要因となりました。

3. 2021年の具体的な異常気象
2021年に発生した異常気象のいくつかは、北極の温暖化と関連していると考えられています。

・北米の熱波
2021年の夏、北米の西部地域で記録的な熱波が発生しました。これは、「**ヒートドーム**」と呼ばれる現象が原因で、暖かい空気が上空に閉じ込められた結果です。この現象は、ジェット気流の異常な蛇行によって引き起こされ、北極の温暖化が影響したとされています。カナダのブリティッシュ・コロンビア州では49.6°Cという史上最高の気温が記録されました。

・ヨーロッパの洪水
2021年の夏には、ドイツやベルギー、オランダなどヨーロッパの一部で大規模な洪水が発生しました。この洪水は、長期間続いた大雨によるもので、これもジェット気流の変動に関連しています。湿った空気が特定の地域に長く留まることで、異常な降水量がもたらされました。

・中国とインドの豪雨
中国の河南省では、2021年7月に集中豪雨が発生し、大規模な洪水を引き起こしました。また、インドでもモンスーンシーズンの豪雨が激化し、洪水が頻発しました。これらの現象もジェット気流の変化と関係があり、北極の温暖化が影響を及ぼしているとされています。

・テキサスの寒波
2021年2月には、アメリカのテキサス州を中心に記録的な寒波が襲いました。北極からの冷たい空気が南下し、通常温暖な地域が極端な寒さに見舞われたのです。この現象も、ジェット気流の蛇行と停滞が原因で、北極の温暖化が関連していると考えられています。

4. 科学的議論と不確実性
北極の温暖化と2021年の異常気象の因果関係については、まだ研究が進行中です。一部の科学者は、北極の温暖化がジェット気流の変動に直接影響していると主張していますが、他の科学者は、太平洋の海洋循環やエルニーニョ現象など、他の気候因子も関与している可能性があると指摘しています。

まとめ
2021年の異常気象は、北極の温暖化と密接に関連しており、特にジェット気流の変化が重要な要因とされています。北極の温暖化が進むことで、異常気象の頻度や強度が増加する可能性があり、今後の気候変動の影響を見据える上で、さらなる研究が必要とされています。

図1 北極と地球全体の温暖化の比較 北極(赤)の方が速く温暖化が進んでいる


さて、ここまで読んで「そもそもジェット気流とは何だろうか?」と思った方も多いかと思います。そこで次はジェット気流について調べてみました。

**ジェット気流**とは、大気中の上空10~15キロメートル付近に存在する、非常に速い風の帯のことを指します。ジェット気流は地球の大気圏を西から東へと高速で移動し、通常、幅数百キロメートル、厚さ数キロメートルの範囲で流れています。特に、北半球と南半球の中緯度地域に強い「亜熱帯ジェット気流」と「寒帯ジェット気流」が存在し、地球の気象や気候に大きな影響を与えています。

### ジェット気流の主な特徴と仕組み

1. **発生の要因**  
  ジェット気流は、地球の自転と異なる地域の温度差によって生じます。特に、赤道近くの温かい空気と、北極や南極の冷たい空気の間で大きな温度差が発生すると、その境界付近で強い風が生じ、これがジェット気流となります。

2. **速度**  
  ジェット気流の風速は、場所や季節によって異なりますが、時速100~400キロメートルにも達することがあります。特に冬季には温度差が大きくなるため、ジェット気流も強まります。

3. **蛇行と気象への影響**  
  ジェット気流はまっすぐではなく、蛇行しながら地球を巡ります。この蛇行により、寒冷な空気が南下したり、暖かい空気が北上したりすることがあり、異常気象の発生に寄与します。たとえば、ジェット気流が南に大きく蛇行すると寒波が発生しやすくなり、北に蛇行すると猛暑が起きやすくなります。

### ジェット気流の種類

ジェット気流には主に以下の2種類があります:

- **亜熱帯ジェット気流**:赤道付近の暖かい空気と中緯度の間に存在し、地表から上空約10~15キロメートルに形成されます。
- **寒帯ジェット気流**:寒冷な極地域と温暖な中緯度地域の境界に位置し、天気の変動に大きく影響します。中緯度の天気システム(高気圧や低気圧)を左右するため、季節ごとの異常気象とも密接に関連しています。

### ジェット気流と異常気象の関係

近年、ジェット気流のパターンが不安定化しており、特に北極圏の温暖化がジェット気流に影響を与えています。北極圏が温暖化すると、赤道と極の温度差が小さくなり、ジェット気流が弱まって蛇行が増えます。これにより、特定の天候が長期間持続する「ブロッキング現象」が起こりやすくなり、異常な寒波や猛暑、集中豪雨といった極端な気象現象が発生しやすくなります

ジェット気流は、地球全体の気象パターンに影響を与えるため、天気予報や気候変動の研究において重要な要素です。


さて、この章を読み進めると「ロスビー波」という単語が出てきます。ロスビー波の説明は以下の通りです。

**ロスビー波 (Rossby wave)** は、大気や海洋の流れの中で発生する、長周期で大規模な波動のことを指します。この波は、地球の自転(コリオリ効果)によって引き起こされるもので、主に中緯度地域の天候パターンに大きな影響を与えています。

### 1. **ロスビー波の仕組み**
ロスビー波は、地球が自転しているために生じる**コリオリ効果**が関与しており、特に大気のジェット気流や海洋の流れに影響を与えます。地球の自転が速いため、空気や水が東から西、または西から東に流れる際に、これらの流れが波のように蛇行することがあります。この蛇行がロスビー波です

### 2. **特徴と役割**
- **長波の性質**:ロスビー波は波長が非常に長く、地球の大きなスケールで発生するため、**中緯度地域の天候パターン**に影響を与えます。
- **蛇行したジェット気流**:ロスビー波が大気中で形成されると、ジェット気流が蛇行しやすくなり、特定の地域に寒冷な空気や暖かい空気をもたらします。これにより、異常気象や長期的な気候パターンの変動が引き起こされることがあります
- **波数**:ロスビー波は「波数」と呼ばれる概念で表され、波の数が多いほど、波の形が複雑になり、天候パターンに影響を与える力も変わってきます。

### 3. **ロスビー波の種類**
ロスビー波には主に以下の2種類があります。

- **惑星規模のロスビー波**(惑星波):地球規模で発生する大規模な波で、ジェット気流の蛇行に影響します。これにより、中緯度地域における長期的な天候パターンが変化することがあります。
- **局地的なロスビー波**:より小さなスケールで発生し、地域の気象パターンに影響を与えます。たとえば、山脈や大きな湖が風の流れを変えることで生じることがあります。

### 4. **ロスビー波と天候の関係**
ロスビー波の振幅(波の高さ)が大きくなると、天候の変動も激しくなります。たとえば、ロスビー波の影響でジェット気流が蛇行すると、以下のような天候パターンが見られます。

- **寒冷な空気の南下**:ロスビー波が南に波打つと、寒冷な空気が低緯度地域に流れ込み、寒波を引き起こすことがあります。
- **暖かい空気の北上**:逆に、ロスビー波が北に波打つと、暖かい空気が高緯度地域に流れ込み、異常な高温をもたらすことがあります。

### 5. **ロスビー波の重要性**
ロスビー波は、地球の大気と海洋の循環の基盤を成しており、長期間の天候パターンや季節的な変動を理解するための重要な要素です。また、天気予報にも影響を与えるため、気象学における重要な研究対象となっています。

簡単にまとめると、ロスビー波は地球の自転によって引き起こされる大規模な波動で、ジェット気流の蛇行と異常気象に密接に関連している現象です。

以上の説明で、北極の温暖化とジェット気流、さらには異常気象の関係がある程度は理解できるのかな、と思います。

この章の最後に作者は、「この苦境を抜け出す脱出口は温室効果ガスの排出と蓄積を減らすこと」と述べています(具体的な方法は述べていません)。

今日は以上になります。

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