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高校物理の学び直しVol. 006 力のモーメント(2回目)
1週間ぶりの物理です。今日も前回に引き続き力のモーメントの問題です。ところで、外はかなりの雨が降っています。台風10号の影響らしいです。
今日の問題は120ページの演習問題です。まず、問題文を画像としてアップします。
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長さL、質量mの棒ABが壁に立てかけられています。問題文によると、床の面は粗いので床と棒の間には摩擦力がはたらいていますが、壁は滑らかなので、壁と棒の間には摩擦力ははたらいていません。棒と床とのなす角はθ、床と棒の静止摩擦係数はμ、重力加速度はg。
問の(1)は、棒が床から受ける静止摩擦力を求めよ、という問題です。
まず、棒にはたらいている力を全て書き込んでみます。
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棒にはたらく重力は棒の中心に書きます。
棒が床から受ける垂直効力をN
棒が床から受ける静止摩擦力をとりあえずfとしておきます。
棒が壁から受ける垂直効力をN‘とします。
ここで棒は静止しているので、水平方向と鉛直方向に分けて力の釣り合いの式を書きます(画像参照)
次に力のモーメントを考えます。
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モーメントを考える時の支点は点Aとします。そうすると、点Aにはたらく力である垂直抗力のNや静止摩擦力fのモーメントを考えなくて良くなり、計算が簡単になります。左の図がそのまま作図をした図ですが、モーメントを考える場合は、右の図のような作図が必要になります。この時、いわゆる腕の長さを計算する必要があります。この時、点Aから垂直抗力N‘の腕の長さはLsinθ、点Aから重力までの腕の長さは(L/2) x cosθになります。これら、時計回りと半時計回りのモーメントが釣り合うので、
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N‘が最初に求まり、そのN‘とfの大きさは等しいので、棒と床の間の静止摩擦力(f)が求まります。
次に問の(2)ですが、棒が床の上を滑らないで静止するための静止摩擦係数μの範囲を求めよ、という問題です。それにはfがN以上の大きさになっていれば良いので、下の計算をとけばμの範囲は求まります。
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これでモーメントの問題は終わりにして次回は11章の水圧、浮力、抵抗力というセクションに進もうと思います。お付き合いありがとうございました。