イエスが命じた「その名」によるバプテスマとは?—聖書と歴史から学ぶ深い洞察
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マタイ28:19における「父と子と聖霊の名によって」バプテスマを授ける命令の本質を聖書と歴史から探ります。使徒たちが「イエス・キリストの名」によるバプテスマを実践した理由や、歴史の中でこの教えがどのように変化していったかを詳しく学びます。
イエスの命令:「その名」によるバプテスマ
イエスは弟子たちに次のように命じました:
マタイ 28:19
「それゆえ、行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父と子と聖霊の名によってバプテスマを授けなさい。」
ここで言及される「名」は、単なる肩書きではなく、イエス・キリストの名を指しています。使徒たちも、この命令を忠実に実践しました。
聖書に基づく「その名」の実践
使徒ペテロによる「イエス・キリストの名」でのバプテスマ
使徒 2:38 「悔い改めなさい。そして、罪の赦しを得るために、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。」
他に救いの名はない
使徒 4:12 「この方以外には、だれによっても救いはありません。」
異邦人コルネリウスの家族とバプテスマ
使徒 10:48 「イエス・キリストの名によってバプテスマを受けるように命じました。」
歴史的視点:バプテスマの変遷
バプテスマが「イエスの名」から「父と子と聖霊の名」に変更された過程を歴史資料から振り返ります:
ブリタニカ百科事典
第11版, 第3巻, 365-366ページ
バプテスマの形式は、2世紀にカトリック教会によって「イエス・キリストの名」から「父、子、聖霊」という言葉に変更されました。第3巻, 82ページ
最古の資料では、バプテスマが「イエス・キリストの名」で行われていたことが記されています。
カニー宗教百科事典, 53ページ
初期教会では、常に「主イエスの名」でバプテスマを行っていましたが、2世紀に三位一体の教義が発展するとともに形式が変わりました。カトリック百科事典
第2巻, 263ページ
カトリック教会は、2世紀にバプテスマの形式を変更したことを認めています。第8巻
ジャスティン・マルティルは、ローマ・カトリック教会の初期の父の一人でした。
ヘイスティングス宗教百科事典
第2巻, 377ページ
初期のキリスト教では、「イエスの名」によるバプテスマが実践されていました。378ページ
初期教会史において、三位一体の形式が提案されることはありませんでした。389ページ
バプテスマは常に「主イエスの名」で行われ、ジャスティン・マルティルの時代に三位一体の形式が広がり始めました。
新国際百科事典, 第22巻, 477ページ
「三位一体」という用語は、ローマ・カトリック教会の父、テルトゥリアヌスによって作られました。ニケア公会議 (325年)
背景と影響
325年、ローマのニケア公会議において、キリスト教が堕落したローマの異教と結びつき、ローマ・カトリック教会が形成されました。この時、「イエスの名」は水のバプテスマから取り除かれ、「父、子、聖霊」というタイトルが使用されるようになりました。その後、プロテスタント教会もこの形式を継承しましたが、イエスと初期教会が行ったバプテスマとは異なるものとなりました。
結論
聖書と歴史から、初期教会が「イエス・キリストの名」でバプテスマを行っていたことは明らかです。これがイエスの命令に忠実であり、救いの道であることを示しています。一方、歴史の中でこの形式がどのように変更されたかを知ることで、私たちはイエスの教えに立ち返る必要性を再認識できます。
「イエスの名」によるバプテスマこそ、初代教会の信仰を回復する鍵です。