岡山県高梁市有漢町有漢 西垣陽平(にしがきようへい)さん
プロフィール
出身:京都府京都市
ピオーネ、シャインマスカット 10a
農業を始めたきっかけは?
もともと、物流会社の営業をしていました。
忙しいときはメチャクチャに忙しくて、昼夜逆転や夜勤続きとなることも多く、このまま歳をとるのはイヤだな、と思っていました。
その会社は岡山で農業関係の事業も手掛けていて、あるとき出張で岡山に行きました。太陽を浴びて外で作業をするのが気持ちよくて、とても楽しかったんです。
会社を辞めようと決めたとき、ゲストハウスなどをしようかとも考えたのですが、太陽のリズムで家族で取り組めるかな、と思って農業を志しました。
そこで、何をつくろうか…と考えたときに、研修で食べた高梁市のピオーネがとても美味しかった記憶があったので、あれをつくれたらテンション上がるな~と思い、高梁市に住んでピオーネをつくろうと決めました。
楽しさや、やりがいを感じる時は?
収穫したブドウを食べてもらって、それを美味しいと言ってもらえたときが一番やりがいを感じます。
最初は理由も分からずにとりあえずやっていた作業や、その他の細かな作業もたくさんありました。でも、一年一度の収穫時期になってそれまでの積み重ねが形となり、そしてそれを食べて美味しいと感じたときはメッチャ嬉しかったです。
また、自分の子どもがムシャムシャとブドウを食べてくれる姿を見ると、頑張ってよかったなあ、と実感します。
こだわりやアピールポイントは?
ブドウの作り方に関しては特にないんですけど、カフェを営んでいるので、そこでケーキに自分のブドウを使って採れたてのブドウを食べていただけるのが他の農家さんと違うところだと思います。
市外から「ネットで調べて来ました」と言ってくださるお客さんもいます。他の地域では値段が2〜3倍するらしいのですが、うちは自分で作っているからコストを抑えられて、安価で美味しいブドウを使ったスイーツを食べていただけるのがアピールポイントですね。
失敗や苦労したことは?
毎年なにかしら、もっとこうしておけばよかったなと思うことの繰り返しです。
今年10月までは地域おこし協力隊員として活動をしながらブドウをつくっていたのでスケジュールを立てるのに苦労しました。ブドウの栽培はそれぞれの作業を適正な時期に行うことが大事で、これがずれてしまうと良いものができなかったりします。お店の他にも色々と仕事をやっているので、思うようなスケジューリングができなかったことが多々ありました。
農業のいいところは?
野菜でも果物でも種を自分で蒔いてそれをちゃんと育てて形にしてそれが人に食べてもらえるという、最初の種の部分から最後の食べてもらうところまでを見届けられるというのがなかなか他の仕事だと経験し難いなと思ってて、自分で作ったものを食べて喜んでもらえるのがいいところですね。
高梁市のいいところは?
地域の人みんなが子どもを可愛がってくれるのが一番いいところですね。
人手不足についてどう思いますか?
農業をしたいけどハードルが高いな、という人や、若い人に来てもらいたいけど何をすればいいのか分からない、という農家さんが多いと思います。
そういった方たちを繋いでいく役割を、僕たち若手農家がやっていけたらと思います。
若い人が農業に入りやすくなり、地域の人はそういった若い人を受け入れる。そこの繋ぎ役が必要ですね。
今後やってみたいこと、挑戦してみたいことは?
ブドウに関しては、収入をもう少し上げたいので作付面積を増やしたいです。
あと、この店の隣に空き家があるんですけど、そこを改修してゲストハウスにできたらと思っています。
もうひとつ、有漢にたくさん耕作放棄地があるんですが、子どもたちも気軽にふれあえるような場所にできたらいいですね。
これから農業を志す人へ一言!
農業と一口に言っても、いろんな形があります。
つくるものも違えば売り方も違う。僕みたいに他のことも手掛けながら農業をしている人もいる。自分が納得する形でできることがあるはずなので、いろんな人に話を聞いて自分に合う形を見つけてほしいなと思いますね。