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マイブーム:テーブル


今の部屋に引っ越してから2年が経つ。
まだ荷ほどきをしていない。引っ越した日と同じ数の段ボールが満タンのまま積まれている。荷づくりをしてからも2年経つので中に何が入っているかも思い出せない箱9個。
開けずに2年暮らせるってことはたぶん生活に必要のない物しか入っていないんだと思う。
ちなみに引っ越しの際段ボールに入らないような固くて大きいもの、机や椅子、食器棚などは全部捨てた。

おぼろげな記憶で、ちょうど2年前くらいに米が入ったままの炊飯器を新聞紙で包みガムテープでぐるぐるまきにして段ボールに詰めた覚えがある。夢だったかもしれない。夢であってほしい。

荷ほどきするより先に部屋にガタが来はじめている。風呂が詰まっていてシャワーを5分くらい浴びると玄関まで浸水する。部屋の電気も少し暗くなったし、ドアノブが壊れてドアを開けるのにちょっとしたコツがいるようになった。
暮らしづらい、狭い、暗い部屋。
正直そんな部屋に嫌気がさしていて年末、ちょっとした革命を起こした。

『テーブル』

テーブルって知ってるか?
ぼくはここ2年段ボールに食器をおいてご飯をたべていた。使っていくうちに箱の角がだんだん丸くなってきて不安定になるのを足で押さえながら。

ある日母親から「人間らしい生活をしなさい」とLINEがきてテーブルが送られてきた。それも3ヶ月くらい放置してたんだけどついに年末、設置した。

これが本当にいい。まず安定感が抜群。何を置いても滑って落ちてくることがない。それがすごくうれしくて今まで枕元にあった調味料たちをならべてみた。凛々しい。
今まで肩身狭そうにぼくの寝顔を見つめていたタバスコや胡椒、味の素のパンダが自信に満ち溢れた顔で立っている。世界に一つだけの花に出てくる「しゃんと」ってこれか。ってはじめてわかった。

食事が本当に楽しい。
いままで家ではお酒はほとんど飲まなかったのだけど飲むようになった。楽しくて。
新しいコップとかも買いはじめて、ビールも瓶で買うようになった。完全に生活のレベル、クオリティが上がっている。

この興奮を誰かに伝えたくて大学の友だちに晩酌中の写真を送ったら「マイブーム:テーブル」とだけ返ってきた。完全に馬鹿にされている。腹が立った。

しかしテーブルひとつでこんなにも暮らしが変わるのかと驚いた。最近、生活のクオリティを上げたくて仕方がない。モチベーションがすごい。
今日は風呂の詰まりをなおしてくれる業者に電話した。この調子であと2年後くらいには荷ほどきを完了させ、部屋を完成させたい。

今後もなにか進捗があればnoteで発表していきます。

つぎは間接照明かな。


しゃんと胸を張る調味料たち

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