学ぶ
6年かかって、ようやく通信制の大学を卒業できることになった。
知らない事は沢山あって、自分が死ぬまでにすべてを知る時間も知識もないけれど、その中でも少しでも知りたい事を知ることが出来たらいいなと思っている。
学習をはじめたころは、仕事が暇で時間がかなりあったので、余裕で試験に臨めた。勉強し、ノートをまとめ、知識としてしっかり頭に詰め込んだ。
転職をして、仕事に慣れるまでは受講する教科数を調整して、少ない時は半期で3教科のみを選択し、仕事に慣れてからは半期で5教科を受けることも可能になった。その後も仕事が大変な時は調整をしながら、臨機応変に単位を取得してきた。
入学したころは、あれこれいろいろな分野の授業を受講したくて、資格取得の事などすっかり忘れて、興味のあるものに飛びついていた。
卒業が見えてきたころに、ふと資格取得に必要なものって何だっけ?と気が付き調べてみるとあれもこれも必要なものが取れていなかった。
慌ててそちらに集中した教科を選択し、なんとか今回で全部取り終えた。
面接授業に行くと様々な年齢の生徒がいる。老若男女が同じ教室で同じ教科を学ぶ空間に自分も参加出来た事は、自分の人生を考える事にも大いに役立った。いくつになっても学ぶ気持ちがあるなら学ぶ事に年齢は関係がないと思った。現役の学生、子育て中の人、会社員、定年後の人、いろいろな立場の人が学んでいた。
学生生活の6年という時間が、あっという間だったとは言えない。苦労も努力もした。途中で辞めようと思わなかったのは、純粋にいろいろな事を学ぶ事が楽しかったからだと思う。
知らない事を知った事で、転職もした。有意義な6年が終わり、少しだけ解放感を味わったら、また次は何をしようか、何を学んで行こうか、死ぬまで何かを学んで行きたいと思う。